ベイビーの昔の男がやってきて・・・。
最後はほっこりするいい話でした。
■所要時間:7分 ■約5243文字
アブっぽいやつ寄ってく?
「【エロ小説・SS】雌犬を人間の女のように愛する世界で出会ったベイビーという犬 後編」開始
戻ってすぐに酒保に行った。
「犬用トリートメントぉ?あるけどたっかいぜぇ」
当番が呆れた。
生活必需品以外の品は、むやみに高い。
「うちじゃ買ってるのはブラウぐらいのもんだ」
「いいです。ください」
今月分の給与のほとんどが消えた。
「おれはおまえが嫌いなんだっ!」
ブラウが歯をむき出した。
「なぜですか?」
尋ねるとしばし絶句し、それから言葉を叩きつけてきた。
「坊ちゃん育ちはくたばっちまえ!」
「育ちはそうかもしれませんが、すでに勘当済みです」
「うるせえ!お前は何もせずにここに配置されただろうっ」
「はあ」
「おれのような底辺の人間はな、基本前線だ。
そうならないために金も使い、おべっかを言い、策を弄してやっとこの僻地だ。
だがおまえの様な家柄のやつは何もしなくても回りがおもんぱかってここだ。
恵まれやがって!」
なるほど。考えもしなかった。
僕は頭を下げた。
「それでも、教えてください」
「バカ野郎!殴られてェか」
「殴ってもいいからぜひ。……すべての犬の中でアイリーンが一番綺麗だ」
小男は僕を睨みつけた。
「もともと綺麗だったけど、今の彼女は以前より美しい。
お願いですから手入れの仕方を教えてください」
ブラウは少し複雑な顔をした。それからしばらく考え、ふいにニヤリと笑った。
「いいだろう。おまえの駄犬がどうやったってアイリーンの足元にも寄れないことを思い知れ」
僕は礼を言った。
シートの上で彼女は四肢をゆったりと伸ばした。
ブラシをあてるブラウにその大きな瞳を向けている。
彼女の毛並みが柔らかく磨がれていく。少し目を細めた。
「気持ちいいか、アイリーン」
ブラシと逆側の手で、ブラウは彼女を撫でる。首筋ををゆっくり。
ひどく繊細な手つきで。
美貌の犬は甘えた声を微かに漏らした。
小男の手は腹側にたどり着く。アイリーンはくるり、と身を返してそれを受け入れた。
「おまえは……いつも熱いな」
ブラウの声がわずかにかすれる。指先が優しく胸元をくすぐる。
彼女の乳首が尖っていくのが見える。甘い息が口元から漏れる。
濃密な視線がブラウにあてられる。卑小な男に向けられる美女の熱いまなざし。
小男はそれに気づいている。気づいていてそれをわざと放置している。
「……と、まあこんな具合よ」
再び礼を言って席を外した。
「うわぁ―――っ、待て、待てったら!」
体中の毛を逆立てて威嚇するベイビーを必死になだめようとする。
『噛みつくわよっ!』
彼女がそういっているのがわかる。
「風呂入ってブラッシングしようって言ってるだけじゃないか!」
『いらないっ!近寄らないでっ』
モンスターさえ倒す彼女に無理強いすることはできない。
僕は声の調子を変えた。
「こないださ、助けてくれてありがとう」
ベイビーは牙を収めない。低い唸りを立てている。
「だけどさー、あれ、僕がパートナーだからじゃないね」
唸りが、少し収まる。
「周りにいるものが危険だったから本能的にかばった。
そうだろ?僕が犬でも、他の人間でもおまえなら守った」
彼女は黙ってこちらを見ている。
「おまえはそういうやつだし。無気力で、不精で、風呂嫌い。
だけど人…ってか、誰かが傷ついて平気なやつじゃない」
ベイビーはそっぽを向こうとした。でも僕はその隙を与えなかった。
「そんなおまえが、前の人を貶めて楽しいか?」
驚愕の色をのせる彼女の瞳。僕はたたみ掛けた。
「あたしは捨てられた。凄く傷ついた。もうどうでもいい。
それを辺り中に見せつけて、それで満足?」
目を見張る彼女に一歩近づく。
「名の通ったおまえがぼろ雑巾みたいになれば、相手の男は非難されるな。
それが目的か?捨てた男を罰したいのか」
「きゃうんっ!」
彼女の叫び。その否定の色を無視してさらに近づく。
「おまえはそんな女じゃないだろ。鏡を見ろ、ベイビー!
そのズタボロの毛並み。その状態で前の男の前に平気で出られるか?」
思わず彼女は振り向いて、自分の姿を確認した。
彼女は傷ついている。それが良くわかった。
「………同じだ、僕も」
恋人に捨てられて、自棄になった。
親の金を湯水のように使い、バカな遊びを繰り返した。
「失恋は辛いよ。死んだほうがましな気さえした。
だけど1年、いくらなんでも1年たったらもう歩き出さなきゃいけない」
自分自身のために。そしてその、その相手のために。
手を差し出す僕に彼女は初めて感情のある視線を向けた。
でも、それは許容でも肯定でもない。
僕はしゃがんで話し続けた。
「できればパートナーになって欲しい。だめだったらせめて利用して欲しい」
彼女は視線を泳がせた。
「不安か?確かに一生傍にいると約束はできない」
やっぱり、と彼女の側の空気が冷える。
「だけど可能な限り一緒にいるよ。
そして他に好きな相手ができたとしたら、必ず正直に君に話す。
黙って消えたりはしない。ちゃんと、別れは告げる」
思いっきり僕はバカだ。くどく相手に別れ話か。
「君にもその権利はある。
他にパートナーになりたい相手ができたら、僕を捨ててもいい。
ちゃんと、お別れだって目で告げてくれたらそれでいい」
ベイビーの瞳を見つめる。
「でもそれまでの間、そばにいてくれないか」
なんだか体がひりひりする。
彼女はつい、とそっぽを向いて歩き出した。
受け入れてもらえない感情が、自分自身をえぐっていく。
僕は床に座り込んだ。
「わんっ!」
ベイビーが振り返って一声吼える。飛び上がった。
「ベイビーっ!!」
『手入れだけよ。それだけ』
彼女の瞳がそう言った。
「駄犬の割にはだいぶましになったじゃねぇか」
ブラウが声をかけてきた。
「だろ。つやつやのピカピカ。こんな可愛い犬だったんだ」
「のろけんな、気色悪い」
「あんたに言われましても。
そりゃアイリーンみたいな美人じゃないけど、個性的な魅力、と言うか…」
けっ、とブラウは顔をしかめた。
「だけどさー、絶対腹側触らせてくれないんだ」
「なんだ、まだおあずけか」
「うん。アイリーンをどうやってくどいた?」
貧相な男はほんの少しだけ赤くなった。
「愛に決まってるだろ!」
吐き捨てて去っていった。
日に日に、一緒にいる時間が増える。仕事も協力してくれる。
無気力から脱すると彼女はすごく頭が良く、気風もいい。
単に僕とのペアだけではなく、他の犬も動かして効率的に働く。
噂に聞いた以前の活躍っぷりを垣間見せる頃、小型の宇宙艇が着いた。
そこから降りたのは、背の高い二枚目だった。
曹長としばらく話した後、彼は僕たちに寄って来た。
「………久しぶりだね、ベイビー」
彼女は、凍りついたように動かない。
「元気そうで良かった」
彼女は固まったままだ。
「あの時は悪かった。俺はひどくお前に夢中で、犬だってことを忘れそうになったんだ」
男は彼女の前にかがみこんだ。
「だから逃げた。ちょうど好いてくれる女の子に出会って、その子を利用してしまった」
正直に、彼は話す。そこに偽りはないようだ。
「ごめん、ベイビー。人間の女の子だってお前みたいなやつはいない。
思い知ったよ。運良く、事業に成功して金はある。俺のところへ来てくれないか。
軍にはちゃんと交渉している」
寒気がした。
失恋した時感じた孤独。自分自身が消えかかっているような喪失感。
体が震えそうだった。彼女に目をやれなかった。
だが、それでも、それがベイビーにとって一番いいことだとわかっていた。
僕は顔を上げた。
「よかったな、ベイビー」
自分の言葉が妙によそよそしい。
「ベイビー」
その男は手を差し出した。
ベイビーの瞳は潤んでいる。彼女は確実にこいつを愛している。
だが、その手から彼女は後ずさった。
男の顔が暗くなった。
「逃げた俺を憎んでいるのか?」
彼女は、首を横に振った。人間みたいに。そしてまっすぐに彼を見た。
『愛してるわ、今でも』
そう言っている気がした。
『だけどもう、一緒にはいられない』
「ベイビー、わかったんだ。二度と離れない。約束する」
『ありがとう……でも、あの時に終わったの』
彼女の視線は優しかった。しかし毅然としていた。
男がなにを言っても、その言葉には従わなかった。
最後に、彼は立ち上がった。そして僕に頭を下げた。
「勝手なことばかりで、すみません」
「いえ……」
僕たちは少し話し合った。彼は悪い人間じゃなかった。
傷付いた様子をなるべく見せないように気を使っていた。
彼女をよろしく、と彼は言った。わかりました、と僕は答えた。
男はもう一度だけ彼女を見つめた。
ベイビーは瞳を潤ませたまま彼を見返した。
宇宙艇が離脱する時、彼女はどこか見えないところに駆けていった。
噴射の音に混じって、一声だけ遠吠えが聞こえた気がした。
その夜彼女は帰らなかった
明け方、戻ってきた彼女を僕は抱きしめた。彼女は抵抗しなかった。
毛並みを撫でると、かすれた声でそれに答えた。
指先を腹側に移すと、彼女はぴくり、と身を震わせた。
腹毛は温かく柔らかい。そこにそっと指先を何度も遊ばせると、
ベイビーの息が少しずつ荒くなっていく。
抱き上げて、敷布の上に移した。あおむけにして乳首にそっと触れる。
彼女は前脚で宙を?くようなしぐさをした。
「感じるんだね、そこでも」
人より敏感なはずの耳元へ、ごく小さな声で囁く。
彼女は赤くはならない。いや、なれない。けれど僕の視線から目を外した態度で
その羞恥がわかった。
小さな乳首を硬く育て、それからそこにふいに唇を当てる。彼女の腰が揺れた。
「……可愛いよ、ベイビー」
ささやきを続けると口から吐息をこぼした。
僕は指をそろそろと伸ばし、彼女のその部分を愛撫した。
「熱い………すごく」
人よりもそこはずっと熱く、そして狭い。僕の指を締め付けてくる。
指を動かすと少し粘りのある液体が滴り落ちた。
「君も、欲しがっている。ほら」
指に絡みつく液体を見せ付けると、彼女は微かな鳴き声をあげた。
僕は服を脱ぎ捨てた。ベイビーは体を返して背中を向ける。
つやつやとした毛並みの滑らかなそこをゆっくりと撫で上げ、
燃えるような体に自分を密着させる。
「挿れるよ、ベイビー」
彼女は首を曲げて不安そうに僕を見た。僕は欲望を隠さなかった。
彼女の体が僕を呑み込んでいく。そこは溶けそうに熱い。
潤ったその部分は優しく迎えてくれたのに、中はひどく締め付ける。
そのまま溢れそうだった。
「くぅん……くぅん………」
甘い鳴き声。彼女は首を戻し、人よりも素直な声で僕に訴えた。
僕は腰を動かした。すると下のふくらみが彼女の毛並みに触れ、
ゾクゾクするような感覚が加わった。
彼女の身体に手をかけた。
優しくしなきゃ、と思うのに、ひどく乱暴に腰を打ちつけてしまう。
熱くぬめった感触が、僕の全てを支配する。
「ベイビー!うぅっ…………」
彼女の中がヒクヒク、と動いた。
僕は、耐えることができなかった。
一瞬、頭の中が白くなった。
「他はともかく、ビアンカが賢くなってるとは思えないな」
「失礼な。最近お手ができるようになったんだ」
スミスが胸を張った。
「ビアンカ、おいで。ほら、お手」
ピレネー犬は嬉しそうにスミスの手に噛み付いた。
笑い転げる僕にスミスは、噛み付いた場所が手だから間違いじゃない、と主張した。
詭弁をからかっているとビアンカはくるり、と背を向けて腰を僕に擦り付けてきた。
とたんに寝転がっていたベイビーが飛んできて、ビアンカに向かって大声で吼えた。
「ぶぁんっ!!!」
びっくりしたビアンカが床に座り込んだ。ベイビーはそのさまを憤然と眺め、
それから僕の腕に飛び込んで頬を舐めてくれた。そしてピレネー犬を睨みつける。
『いいこと、あたしの男に手を出したら承知しないんだから!』
そういってくれてるみたいで嬉しかった。
僕は彼女を見つめ、抱きしめた。
いつまで、彼女といられるのかはわからない。だけど今はこの温もりだけが大事だ。
僕は彼女の口に唇を当てる。スミスが、おあついこった、と肩をすくめた。
(完)
面白かったです。
乙
切なくて温かい良い話でした。
「【エロ小説・SS】雌犬を人間の女のように愛する世界で出会ったベイビーという犬 後編」終わり
なんかおもろいやつやらなんやら
な、なんやこれ?
「獣姦スレ」カテゴリの記事
最新記事
過去記事ランダム
この記事を読んだ人へおすすめ
最新記事
過去記事ランダム
名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!
今週、もっとも多く読まれたアブな記事
名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!
快楽好きなな名無しさん 2016年04月14日 22:40:14
すごい・・・!素敵だなあ
こんな小説を書けるようになりたい
そして・・・・やっぱり獣姦サイコー!!!
快楽好きなな名無しさん 2016年04月14日 22:40:14
すごい・・・!素敵だなあ
こんな小説を書けるようになりたい
そして・・・・やっぱり獣姦サイコー!!!
あだ名は完全変態 2018年04月18日 22:53:43
感動した。