最初は特に普通だと思ったら最後の方で本性が・・・。
これは続きに期待。
■所要時間:7分 ■約6085文字
アブっぽいやつ寄ってく?
「【エロ小説・SS】隣の席のクラスメイトが実はヤンデレでした」開始
「起立、礼」
「ありがとうございました。」
皆が担任の田並先生に礼をすると一日の終わりだ。
いや僕にとっては一日の『始まり』だろうか、100m走も万年ビリから数えて四人目な僕がカモシカに変身したが如く、全速力で家
路に着く。部活の準備をしたり、仲間とぺちゃくちゃと話をしている連中の間をすり抜け、人が廊下に出てくる前に、無人の野を行く
ように、って、無人だからそのままだったっけ、下駄箱へ行く。で、そこから愛用の自転車に乗り、後は十五分間いつもの道を走り
続けるだけだ。
説明すると長いのだが、とにかく今日も全速力で帰るとしますか。
と言うわけで、前述の通り、教室を神速で出て、廊下を走り、下駄箱に・・・、ってところで僕より先に来ていた、北方さんに腕を掴ま
れた。
北方さんは僕の隣の席に座っているクラスメイトで、妙に落ち着いているというか、クールな感じで、僕からするととっつきにくい人
だ。そのため、この人とはあまり口を利かない。
「な、なんですか。急いでいるんですよ、僕は。」
急に思わぬところで、思わぬ人に足止めを食らわされて狼狽してしまったのだろう、声が裏返ってしまった。
そんなこちらの様子を見て、彼女はクスリと小さく笑うと、「図書室の片付け手伝ってくれないかしら?」とのたまった。
は、はい?今、なんていいました?図書室の片付け?
僕は今すぐ家に帰って、漫画を読んで、アニメを見て、ネットゲームをやると言う責務が待っているというのに!
なんてひどい人だ。
「え、ちょっと今日は用事があって無理。」
すると顔を近づけてきて、無表情な目をこちらに向けて、
「今、適当に用事のせいにしてしまえ、って思ったでしょう?」
やべぇ、顔に出ていたようだ。まずいな、何とかしなければ。
「いいのかしら?あなたが学校にいろいろと持ち込んでいるの、私、知っているわ。誰に告げ口されたい?」
独特の落ち着いた声に、氷のような冷たさが混じる。
下駄箱に生徒が随分と来ていたようで、北方さんが早く答えてくれないか、と促した。
しかたない、学校に持参しているアレをばらされるよりは、彼女の手伝いもするほうが賢明か。
なんだか、女子に負けてしまってみっともないような感じがするが気にしないことにしておこうか。
「わかったよ、じゃ、手伝いますから、はい。例の事は・・・・。」
「ええ、黙っておいてあげるわ。じゃ、そのまま図書室に来て。」そういうと、下駄箱の近くにある階段を登ろうとしたが、ふと思い出
したように立ち止まり、踵を返した。彼女長い黒髪がフワリとゆれる。
そして「案外に松本君、素直なのね。」と言った。
まったく、人を脅しておいて、何が『素直なのね。』だ・・・。実にこっちはひやひやしたものだ。
ここで、いきなり約束を破って、変えるというのも手なのだが、男に二言はない、だ。
なんて、格好をつけてみるが、単に僕って脅されて使われているだけだよな。
・・・・・。をいをい、いいのか、これで。
どうするんだ、俺!
荷物を持って、四階まで上るのは実に気が引ける。万年文化部の僕の場合、息すら上がる。
ひいひい言いながら、図書室のドアを開ける。放課後、いつもは鍵がかかっているのだが、図書委員の北方さんが先に来ている
ので当然すんなりと開くわけだ。
図書室の隅に鞄や荷物類を置いた。
「で、何をすればいいんですかね、図書委員さん。」
「返却された本を私は戻したり整理するから、松本君は箒がけをして。」
素直に掃除用具箱からT字箒を取り出し掃除を黙々と行った。
というのは、最初の数分だけの話。僕にそんな集中力があろうはずも無く、適当なことを考えながら適当に仕事する。
北方さんが図書準備室にいて、こちらの様子が分からないときは箒を動かす手を止めて、こちらに来て、本の整理をし始めたら、
手を動かす。そんな感じだった。
ふと、不覚にもさっき顔を近づけてきた北方さんの容姿を想像した。
よくよく考えると、腰にまで届こうかというほどの長い瀬戸黒の髪に、目鼻立ちの整っていて、人形のように繊細で、落ち着いた容
姿から言えば、かなりがつく美人なのだろう。まあ、顔が良くとも、性格についてはどうか分からないのだが。彼女はあまり他人と
話さないようだが、どうも人の弱みをきちんと握っているようで、あまりよいとはいえないかもしれない。
現に今だって、僕は脅されていたのだから。
いずれにせよ、実に女と言うのは扱いにくい生物だな。
持論を力説し、自己完結させて、頭を上下に動かして頷くところを北方さんに見られていたようだ。
「あら、終わったのかしら?こちらは終わったのだけれど・・・。」
おお、相手が終わったのなら、こちらも無理に掃除を続ける必要はない。
やったぜ!農奴解放令が出た!我々は長年にわたる闘争を終え・・・、北方さんは、こちらを不機嫌そうに切れ長の目で見ている
。
「・・・・・嬉しそうね。」
無言のままでも強い圧力を掛けられているようだったが、口を開けば開いたで実に刺すような痛みが感じられた。
「仕事、無理強いしてごめんなさい。私の家、この学校のすぐ傍だから、寄っていかない?お礼させていただくわ。」
「お、お礼?」
思わぬ言葉に鸚鵡(おうむ)返しにしてしまった。
「ええ、そうよ。」
ふと、図書室の時計を見ると・・・・南無三。見たかったアニメの時刻をゆうゆう過ぎてしまっている。それなら、特に断る理由がな
いと思って、彼女についていくことにしました。
図書室の鍵をかけ、その鍵を二回の職員室に返しに行き、校門を出た。
僕は自転車を転がしながら、北方さんについていく。いままで、彼女の家については実際に見たことはないのだが、仲間から聞い
ていて、それは随分と大きい家らしい。
北方さんの家は学校から歩いて五分ほどのところにあった。
学校の東は小高くなっており、閑静な住宅地になっている。ここは市内でも裕福な人が住んでいる場所の一つだ。
立派な門が堂々と立っており、門柱には重々しく北方と書かれた表札が掲げられていた。
門は開いたままで、内側の様子が見えていたが、手前に池のある広々とした庭があり、その奥に純和風の母屋があり、落ち着い
た佇まいを見せていた。
「さ、自転車は適当にその辺に停めて。」
門の前に言われるがままに停める。そうしているうちに当たり前のように北方さんは庭には目もくれずに、ずんずん母屋のほうへ
向かっていた。まぁ、彼女の家なのだから当たり前なのだけれども。
「ち、ちょっと待って。」
こんなところに取り残されたのでは困る。あわてて、彼女の後を追いかける。
まず、母屋の中に入ると客間に通された。さっきの庭に面しており、池とその横の木々が見えた。
十畳ほどの部屋にはテーブルと腰掛がいくつかあり、床の間には掛け軸がかけられ、高そうなつぼが置かれていた。
「へぇ~、北方さんの家って、随分広いね~」と喉元まででかかったが、さすがに失礼だと思ってやめておいた。
それを見透かしてか、クスクスと彼女は笑っていた。
あいも変わらず無表情な笑いであったが、学校でのそれとは違う感じがした。
れたような気がする。
あ、よくよく考えてみると、こんな風に女子の家に行った事って、これが初めてだったっけ。
そう意識してしまい、なんとなく途中から話しにくくなってきた。
「あ、適当にお菓子とお茶持ってくるわ。」
「いや、結構です。気にせずに。」
「そうは言っても、喉、渇いたでしょう?」
「それはどうも。」
「この家に呼ぶ人、そう多いわけじゃないし、たまにだから。」
あまり良く理解できない理由のような気がしたがそれはおいておくことにしようか。
彼女がお菓子を持ってくるまでの間、読書でもしようと、鞄の中にある、本を読む。
マンガ好きな僕もたまには活字の本だって読むことがあるのだ。それもラノベだが。
・・・・。
・・・・・・・・・。
七、八分するとお茶と茶菓子を持ってきた彼女が戻ってきた。
「持ってきたわ、和菓子と洋菓子でどちらにしようか、迷ってしまって・・・。」
「え、気を遣わなくて良いのに。」
「で、どっちが好き?」
「へ?」
「だから、和菓子と洋菓子。」
「ああ、お菓ね・・・。うん、洋菓子。」
「そう、残念だわ。」
そういうと、彼女は本当に残念そうな顔をして、緑茶とお茶請けの羊羹を僕の前に置いた。
黙々と北方さんは羊羹を食べ始めた。
テンションはかなり低いようだ。というより、いつもの無表情に戻ったと言うべきところだろうか。
それからいくらか羊羹をつまみ、お茶を飲んだりしながら、いくつか話題を振ってみたのだが、北方さんは「ええ」や「そうね」としか
返さなくなったため、なんとなく気まずい感じになってしまった。
何か彼女の機嫌を損ねるようなことをしてしまったのは確かだろうが、それは何であろうか?
さっきの和菓子と洋菓子の質問くらいしか思い当たらない。しかし、何だってそんなことが関係しているのだろう?
ふと、彼女の視線が僕のさっきまで読んでいたラノベにいっている。
興味がありそうなので、このラノベについて話題を振ってみた。
話題に食いついてきたので、ノリでいくらか話し続けて、時計が六時半をさしたころに帰途につくことにした。
そとは暗くなっていたので、随分と長居したことが改めて感じられたが、まあ、たまにはよかろう。
しかし、アニメ録画予約してたか、激しく気になった。
松本君と話していた時間は夢のように早く過ぎていった。
彼が洋菓子のほうが和菓子より好きだとは調べが不十分だった。
私が作った羊羹をほめてくれて、彼の優しい心遣いには涙すらとめどなく出てくるが、本当に彼の好きなケーキかプリンかを作っ
てあげればよかったと後悔している。
それにしても、あんなにも人と話をして楽しい、そう感じられたのは久しぶりだ。
私は生まれつき人と話をするのが苦手だ。
だから、学校でも話をしない。
ごくごく規則的なつまらない毎日を消費するだけ。
こちらから話さなければ相手からも話されず、自然と距離が生じてくるものだ。
でも、そんな私にさえ、隣の席に座っている彼は話しかけてくれた。
彼は私にとってのオアシスのようなものだ。
だから、自然と私は彼に惹かれていった。好き、という言葉では言い切れない感情。当然、こちらから話しかけたいと言う気持ちが
無かったわけでもないが、それでも、話しかけることができず、三年間もの間、同じクラスでありながら無為に過ごしてきた。
引き出しから、今のクラスの全体写真を取り出す。
その写真のただ一点のみを眺めているその写真に写っている松本君、そうそのただ一点。
それ以外の人間なんて要らない。
さらに言うと、彼だけしか写っていない写真がほしいのだが、私にとっては度の過ぎた贅沢というもの。
彼に対して異常なまでに粘着質であり、世話焼きであるため、自分からはなれず困っているといっていた。
妹の存在については話される前から知っていた。
一学年違いなので、学校で本人を知っているのだ。
みるからに脆くはかなげな感じの子で、えらく、おとなしく従順そうな、寧ろ誰かの従属的なポジションにいたいという感じがした。し
かし、同時に直感で彼女が内に黒々したものを秘めているのを感じた。
私はあまりああいう子は好かない。
そして、あんな魔女の大鍋のような醜い心を持った害毒があの心優しい、松本君の傍に、私よりもはるかに近いところにいること
が許せなかった。本当に許せない、許せない、許せない、許せない。あんな子に彼が毒されることがないと祈りたいが、彼から私
に相談してくるくらいなのだから、かなり彼女のいわば寄生によって病状は悪化しているようだ。
あんな子は松本君から相手にされず、クラスでも苛められても自分の深い罪に気づかないだろう。百歩譲って、その罪深さに気
づいて自分の罪を贖ったところで、到底、贖いきれるほどのものではない。
現に彼女はその罪に気づいていない。そんな害毒は誰かの手を借りて滅せられなければならない。それが社会のルールにのっ
とっているというものだ。
だって、そうされても仕方ないことをしたんだもの。
私の大切な命にも代えがたい松本君を穢して、寄生して、あそこまで追い詰めているのだから。
いけない、いけない、感情的になりすぎたようだ。
確かに今から、とっくの昔から位置を知っている、彼の住む家に武器を持っていって、ごくごくわずか、千数百秒のうちに彼を解放
してあげたい。
でも、それは重病患者に手術を強いるようなもの。決して賢明ではない。彼にとっても、あんな寄生虫でも肉親ということになって
いるのだから、彼を悲しませるようなことは私にとっては絶対のタブーだ。
だからといってこのまま放置しておいたのでは、取り返しのつかないことになってしまうだろう。
それを防ぐためには、積極的ならなくてはならない。話すのが苦手だとか言っている場合ではないのだ。
彼を守れるのは私だけ。そして彼に心から尽くすことがふさわしいのも私だけ―。
とりあえず、続くかもということで。
内気なお嬢様と、ブラコンの妹。
俺的には両方ともとりたいところだが、果たして松本君はどちらを選ぶ、
もとい、どちらを選ばされてしまうのだろうか。wktkだな。
あと、次回からタイトルをつけることを推奨する。
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「【エロ小説・SS】隣の席のクラスメイトが実はヤンデレでした」終わり
なんかおもろいやつやらなんやら
な、なんやこれ?
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紳士な名無しさん 2016年04月13日 01:18:20
ヤンデレSSを自分で探しているのですが新しいものがなかなか見つからないのでいっつもお世話になってます
紳士な名無しさん 2016年04月13日 01:18:20
ヤンデレSSを自分で探しているのですが新しいものがなかなか見つからないのでいっつもお世話になってます