モテる男は辛いってことで。
ヤンデレな女の子になんでもするって言ってたらヤバそう。
■所要時間:8分 ■約5219文字
アブっぽいやつ寄ってく?
「【エロ小説・SS】ヤンデレな女の子二人に好かれてしまった俺は・・・」開始
今まで自分は素直に生きたことがあったか?自分の思うままに行動してきたか?
いつも周りばかり見て、自分の身にはなにも起きないようただのらりくらりとすごしただけじゃないのか?
考えてみろ。
今までの俺は心の中で思うだけ、または冗談みたいに言うだけで、自分の言いたいことなんて、素直に言ったためしがないじゃないか。
そう考えれば今日は自分を変えるチャンス。今日こそは絵里に自分の気持ちを伝えなきゃいけないんだ。
絵里のところへ行こう。奈津子には断りをきちんと入れよう。
俺はそう心に決めた。決めたはずだった。
なのに、心の中はもやもやしたままだった。自分がやりたいことをやるって決めたはずなのに、何か後ろめたい。
重たく感じる罪悪感、そして決定を再考するよう求める心の声。
俺の決意とは裏腹の、俺の心。
奈津子に断ることが後ろめたいのか?何故?
相手が傷つくところを見たくない?もうそんなことは言ってられない。
何かを手に入れるためには何かを犠牲にしなくちゃだめなんだ。
奈津子にはちゃんと断りを入れる。中途半端であるよりは。そのほうが絶対いいはずだ。
こんな自問自答を練習中ずっと繰り返した。でも心は一向に晴れない。もしや俺は奈津子のことが好きなのか?
馬鹿馬鹿しい。おれはずっと絵里のことが好きだったんだ。そんなことはない。じゃあこの心のもやもやは何だ?
結局練習中には答えはわからなかった。奈津子にきちんと断りを入れれば、わかるだろうとも思った。
否、分からなくとも心のもやもやは晴れるだろうとも思った。
ただ練習中ずっとこんな調子だったためか、周りから見るとかなり集中力が落ちていたらしい。
音は間違う、楽譜は一段飛ばしで読む。周りからは練習中痛い視線がばしばし俺のほうに飛んできていた。あぁ普段はこんなでもないのに・・・
練習が終わった後、俺はこれはかなりの人数から大目玉食らうとな思い、一人で昼飯を食うことにした。
普段どおり部活の男どもと一緒に食ったら、今日のことはネタにされること間違いない。
今日という日ぐらい静かに食わせてもらいたいものだ。
奈津子へのいいわ・・・ではなく、いかに傷つけずに断るかの言葉も考えなきゃいけないしな。
ところで、うちの学校の校舎はアルファベットで言うところのHの形をしている。右奥にあるのが音楽室で、部活の活動場所。4階にある。
そして今俺がいるのが同じ4階の左奥の特別教室。自分たちのパート練習の場所だ。
いつも、誰もいない、一人でいたいときに俺が来る場所。普通の教室に比べ広くそしてがらんとしている部屋。今日はここで―
がらっ
「・・・慎ちゃん、答え、聞きにきたわ」
奈津子、襲来。
とりあえず一言。
「うっす、まず飯食うか?」
「・・・・・・・・・・・・・うん」
奈津子は俺の前に座り、コンビニで買ってきったパンを食べ始めた。
机ひとつ越しに、対面して座っている。奈津子からは普段の姿からは想像できない、なんとも言えないオーラが出ていた。
そのオーラに当てられた俺は緊張して、手が汗だらけになった。
長い沈黙。その沈黙をやぶるように奈津子が尋ねてきた。
「・・・今日練習中ずっと今日どうするか考えてたでしょう?」
「・・・何で?」
「だって、あんなにミスする慎ちゃん始めてみたもん。ばればれだよ。」
・・・言葉が出てこない。そのまままたしばらく沈黙が続いた。
また言葉を出したのは奈津子のほうだった。
「絵里さんのところに行くんでしょう?」
「へっ・・・いや、その・・・」
「答えはイエスかノーかだけにして」
「そうだ・・・けどどうして絵里のところとわかったんだ?俺はそんなこと一言も言ってないが」
そう俺にとっての最大の疑念。そういえば絵里もあのとき奈津子からのメールだと当てていた。
偶然にしてはできすぎている。今日もいきなりだ。この二人にはもともと面識はないはずだ。
ということはそもそもなんで名前を知っているのか?ということにもなる。
俺の頭の中は疑念でいっぱいになった。
「ほ、ほら、あれよ女の勘って言うやつ。でさ、絵里さんってあの日曜にあった人?」
・・・もうひとつの疑惑。何故奈津子は記憶を取り戻したのか?
あのことを知っているのは、当事者4人だけのはず。そして、俺は何も言ってない。
今の発言からすると、やはり絵里との面識もなさそうだ。
恵か?しかし、恵こそ奈津子の記憶が戻ることを快く思ってなかったはずである。
つまり、誰かが教えたという可能性はかなり低いと見てもいいはずだ。
鈴木?そもそもあいつは奈津子としゃべらん。
となると忘れていたふりをしていたということなのか・俺は思い切って聞いてみることにした。
「まぁそうなんだが。それよりおまえさぁ、月曜日そんなこと何も言わなかったよな?突然言うから俺びっくりしてるんだが。」
「あーあのときはあれよ、言わないほうが・・・その空気読むってやつ?だから言わなかったのよそれより・・・」
「何だ」
「絵里さん、どんな人?慎ちゃんとどんな関係なの?」
・・・重苦しい空気が流れる。奈津子の目には普段と違い強い意思が宿っていた。
言いなさい、聞くまで返さないんだから―そう言うように、じっとこちらを見据えている。
説明に迷ったが、いわなきゃどうしようもないと思い、事実をまず言おうと思った。
それなら無用な問題は避けられるはずだ。
んでこの前は買い物に付き合えって言われて付き合っただけさ」
嘘は何一つ言ってない。
「じゃあ何であんな夜遅くまでいたのかなぁ?買い物だけだったら、夕方には帰れるじゃない?」
ごもっともで。しかしここで負けるわけにはいかない。
「いやな、あいつが行きたいっていうパスタ屋があってなそこに行ってたんだわ」
「お昼ごはんにはできなかったの?」
それも正論。しかしまだ負けるわけにはいかない。
「あいつが3時からって言うからさぁ・・・昼には遅いだろ?だから夕飯にしたってわけ」
「ふーん・・・」
奈津子はあまり合点がいかない、といった表情をしている。これじゃまるで不倫した疑いをかけられた夫が妻に詰問されてるのと一緒だ。
ペースを握られてしまっている。流れを変えなければ。
「でさ・・・」
おれはペースを戻そうともう一度疑問を口に出そうとした。しかし奈津子がそれをさえぎるようにさらに質問してくる。
おそらく今日最も聞きたかった質問を。
「今日はなんで絵里さんのところへ?」
一瞬俺の思考は停止した。なんと答えよう。正直に言ったほうが無難なのか。
「早く」
奈津子が答えの催促をしてくる。もう何も考えれなかった俺は話すことに決めた。別段いってもまずいことはないだろう。
「家庭教師をしに」
しかしこれがまずかった。
「じゃぁなんで私の家にこれないのかなぁ?終わった後来れば良いでしょう?」
3度目のごもっとも。
「それとも泊まってて~なんて言われたのかしら?」
ずばり、である。今日の奈津子は冴えている。何の言い逃れもできないのか?
「いや、その・・・」
「さっきいったこと忘れた?答えはイエスかノーだけよ?答えられない?寝言は寝て言うものよ。早く答えて」
顔は笑ってる。にこやかに微笑んでる。しかし口調は笑ってない。目もよく見ると笑ってない。
しかし怒ってるという感じではない。何も感じ取れない、そういう表現のほうが正しい表情のようだ。
いろんな感情がごちゃ混ぜになっているようだ。こんな奈津子は始めて見る。
いつもにこやかにぼけてくれる奈津子。そんな奈津子を俺は・・・
頭が真っ白になる。そして知らずのうちに声が動いていた。
「・・・そうだ。」
空気がピンと張り詰めた。俺は奈津子にいまから何をされるか、恐怖でいっぱいになった。
しかし次の奈津子の言葉は、予想外、否言葉は予想内だったが予想外のことが起こった。
奈津子が―泣き始めた。
「・・・・・どうして」
「ん?」
「どうして!私じゃだめなの?絵里さんじゃなきゃだめなの?私はずっと慎ちゃんのこと見てるんだよ?
いつも一緒に入れるんだよ?学校でも、部活でも・・・なのに、なのに、どうして!どうして絵里さんなの!」
そういって泣きじゃくり始めた奈津子。そしてずっとずっとどうしてどうしてと言いつづける。
「だって高校は行ってからずっと私が傍にいたのよ・・・なのになのに・・・っ」
俺ははっきり言うとどうすればいいかわからなかった。こんな経験初めてだし、こんなときに経験するとは思わなかった。
でも、ベストじゃなくとも、ベターであるはずの答えを俺は知っている。いやたぶんこれだとしかいえんのだが・・・
つまりそれは・・・謝ることだ。
「すまん」
奈津子は顔を上げ目を見開いてこちらを見る。
「すまん奈津子、お前を泣かせるようなことをして。」
「慎ちゃん・・・・」
「すまん。許してくれ・・・」
机に両手をつき頭を何べんも下げる。
「・・・・・・・・・・・・」
奈津子は無言のままだ。
「すまん奈津子、何でもするからこのとおりだ!」
それでもなお謝り続ける俺。はたから見れば痴話げんかの結末だ。もしくはとうとう不倫がばれた夫が妻に謝ってるところか。
そんなあほな思考をしてると奈津子がようやく口を開いた。
「謝らないでよ・・・」
「へっ?!」
「だから謝らないで。これは私のわがままなんだから」
「でも・・・」
「でももなんでもないよ。終わり。この話は終わり」
「いいのか?奈津子はそれで」
「いいの。わがまま言ってごめんね。」
・・・・いいのかこれで・・・なにかすっきりしない。奈津子は許してくれたようだ。表面上は。
しかし俺はすっきりしなかった。なぜなのか・・・その理由はわからなかった。
「でもさ、慎ちゃん言ったね」
「何を」
「なんでもするって」
「いやあれはなぁ・・・その何だ勢いで言ったというか」
「待ったはなしよ!」
いや奈津子さん?こわいですよ?
「そうねぇ・・・じゃぁ絵里さんとこ行くまであたしとおしゃべりして。」
・・・・・・・へ?
「おい奈津子そんなことで良いのか?」
「いいわよ。それとも拒否するつもり?」
「いえそんなことは・・・」
「じゃぁこうしようか。これから慎ちゃんは私に対しては『サー!イエスサー!』っとしか言っちゃいけないとか」
・・・・拒否権なしですか。
「大体どこでそんな言葉覚えてきた?」
「映画で見たの~」
たくっ昨日の絵里といい変なものばっかり見ているな・・・そういえば昨日の絵里の言葉の元ネタになったアニメってなんだったんだろう?
まぁあいつの性格のことだ、何かのラブコメかなんかでの痴話げんかでのワンシーンだろう。
俺は昨日のことは忘却のかなたへと飛ばすことを決めた。
「よしったまにはこんな日も良いさ。とことんしゃべってやる」
俺はせめてもの償いとして奈津子に付き合うことにした。
それから時間にして4時間。学校のこと、部活のこと、友達のこと・・・俺たちは多くのことをしゃべった。
奈津子と会話するのは今日が初めてじゃない。でも今日ほど楽しかったことはない。
何故だろう?まぁ理由なんてどうでも良いのかな。とにかく今の時間はとても楽しい。それで良いじゃないか。
時間はあっという間に過ぎた。もう下校時刻だ。
「おい奈津子、帰る時間だぞ」
「うん、そうだね」
すうと2人とも立ち上がる。
「ねぇ慎ちゃん」
奈津子がぽつりと言う。
「何だ?」
「今日楽しかったな。ずっとこんな風な時間が過ぎればいいのにって思った」
「・・・・・・・・・・・」
「でも、だめだよね。慎ちゃんは絵里さんのところに行っちゃうんだもんね」
「・・・・・・・・・・・奈津子」
「・・・あたしはね駅前にいるわ」
「へ?」
「ずっと待ってるから。慎ちゃん来るのずっと待ってるから」
「奈津子・・・」
「じゃ、また明日ね慎ちゃん。早く行かないと絵里さんに怒られちゃうぞ~」
奈津子はいたずらっぽく笑ってそう言った。その表情は今日奈津子が見せた表情の中で最も魅力的で、
そしておれの心の中のもやもやをさらに大きくするものだった。
- 【エロ小説・SS】ヤンデレな女の子二人に好かれてしまった俺は・・・
- 【エロ小説・SS】ヤンデレな女の子二人に好かれてしまった俺は・・・ 2発目
- 【エロ小説・SS】ヤンデレな女の子二人に好かれてしまった俺は・・・ 3発目
「【エロ小説・SS】ヤンデレな女の子二人に好かれてしまった俺は・・・」終わり
なんかおもろいやつやらなんやら
な、なんやこれ?
「ヤンデレの小説を書こう!スレ」カテゴリの記事
最新記事
過去記事ランダム
この記事を読んだ人へおすすめ
最新記事
過去記事ランダム
名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!
今週、もっとも多く読まれたアブな記事
名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!