もう病んでいく要素しかない奥さん。
そしてもう一人の女もヤバそうな雰囲気・・・。
■所要時間:12分 ■約7285文字
アブっぽいやつ寄ってく?
「【エロ小説・SS】死んだはずの夫がある日隣に引っ越してきた」開始
「誠一さん・・・」
そう呟くと愛しい男の写真に目を落とした。
神坂真奈美は新興住宅地に住む主婦である。
もう30の声が聞こえてくるが見た目はまだ20代前半といったところだ。
そんな主婦が一人で新築の一軒家に住んでいる。
‐かつて夫が買った家。‐
「誠一さん・・・まだ帰ってこないのかな・・・?」
もう一度そう呟くと一人静かに台所へと向かった。
第1章
それは2年前のことだった。
「あなた~!!」
周りの奇異の視線を気にすることなく大声で叫びながら
まるで10代の少女のような快活さで真奈美は走ってくる。
「やれやれ・・・」
誠一はその様子を見ながら苦笑いを浮かべ
「まるで主人に駆け寄ってくる子犬だな」
と真奈美に聞こえない程の小声で一人呟いていた。
ドンという軽い衝撃とともに抱きついてきた真奈美の体を受け止める。
すると真奈美は顔を上げ少し恨めしげな視線を誠一に送りつつ
「誠一さん・・・今、犬みたいだとか思ってなかった?」
と問いかけてきた。
「いゃ~?そんなことないよ?」
そ知らぬ表情で流すが内心は『もしや妻はニュー○イプか!?』
とかなり慌てていた。
とやや頬を膨らませながらもタクシーを拾った。
車内に乗り込むとガイドブックを片手に片言の英語で
運転手に行き先を告げると真奈美はうれしそうに
「去年とは違うお店にしたんだ」
と言いつつ手を絡めてきた。
真奈美と誠一が結婚して1年経つ。
その間誠一は新規の事業を任され新婚だというのに
ろくに家を省みることが出来なかった。
だが妻はそんな夫をかいがいしく支え続けた。
なんとか仕事が一段落しやっと長期の休暇がとれ
今まで構ってやれなかった妻に対する罪滅ぼしよろしく2度目の新婚旅行にやってきていたのだ。
行き先は去年と同じタイ・バンコクだ。
『どこでもいいんだぞ?』
と誠一は言ったが真奈美は
『去年まわれなかった所も見たい』
と2度目のバンコク訪問となったのだ。
食事を終えホテルに戻り人心地ついていると突然真奈美は
「夜景を見に行こう!」
と言い出した。
「もう夜は出歩かないほうがいいよ。ここは日本とは違って治安が良いわけじゃないから」
と誠一がたしなめるが駄々っ子のように頬を膨らませ
「いや~いくの~せいいちさんとよるのおさんぽするの~」
と言って聞かない。こうなってしまったら誠一は真奈美に勝てない。
『まぁ元々真奈美の為の旅行だしな・・・俺がついてれば問題ないだろ』
と結局妻とともに夜の街を散歩することにした。
ホテルを出てしばらく二人で手をつなぎながらぶらぶらと散歩していると
いつの間にか見慣れない路地に入り込んでしまっていた。
誠一は
『まいったなぁ・・・迷ったか?』
と立ち止まり大通りに戻ろうと妻の手を引き踵を返すと
そこには先ほどは居なかった男たちが自分と妻を取り囲んでいた。
手にはナイフが握られている。
リーダー格らしい男が
「MONEY!MONEY!」
と言っているところをみるとどうやら追いはぎのようだ。
とりあえず財布の中にあった現金を差し出すべく男に近づこうとする
その時ぎゅっと手を握られた。見ると妻が震えている。
「大丈夫・・・俺が守る・・・あいつらも金さえ渡せば危害は加えないだろ」
といつもの口調で語り掛け男たちのほうへ向かっていった。
飛び掛ってきた。逃げようともがくが気づけば全員で誠一を押さえつけようとしていた。
真奈美は一瞬目の前で何が起こったか理解できずにいた。
『最初から逃がしてくれる気は無かったか!』
と誠一は一瞬後悔するがそんなことよりも先に妻を逃がさなければならないと
放心している真奈美に向かい
「何してる!!!早く逃げろ!!!」
と叫ぶ。
が真奈美は消え入りそうな声で
「ぇ・・・でも・・・」
と、まだ放心状態のままだ。
「はやくホテルに戻って警察を!!」
との叫びでようやく我に帰った真奈美は路地を抜け大通りを駆けぬけた
ホテルへ戻ると「警察を!!!はやく!!!はやく!!!」と
泣き叫ぶ。ボーイが慌てて駆け寄ってくるが
日本語が出来ないらしく困惑の表情を浮かべフロントのマネージャーを見る
マネージャーも慌ててフロントから真奈美に駆け寄り片言の日本語で
「どうしましたか?なにかあったのですか。」
と優しく問いかけた。
それを聞き少し落ち着いた真奈美は
「せいいちさんが・・・ろじで・・・しらないおとこたちにかこまれて・・・」
と訴えた。
そこから先のことは真奈美は夢の中の出来事のように感じていた。
その後警察が現場に到着し発見したものは冷たくなった一人の日本人旅行者だった。
大使館の職員が来た。現地の警察が事情を聞きに来た。帰国しマスコミが来た。
その全てが夢の中の出来事
テレビをつければ誠一が写っている。
<・・・死・・・た神坂誠一さんは・・・現地では警察が犯人の行方・・・未だ何の手・・・も・・・いない・・・です。>
『・・・このひとはなにをいっているのかな?』
ぼーっとテレビを見ていた真奈美はニュースキャスターの話している内容が理解できずにいた。
『せいいちさんはもうすぐかえってくるのに』
薄く笑いを浮かべつつ真奈美はそう呟いていた。
あの日から真奈美は全てが壊れてしまった。
自分があの夜夫を連れ出さなければという自責の念が心を蝕んでいき
ついに誠一が死んだことすら認められなくなっていた。
それから真奈美は2年間帰るはずの無い夫を待ち続けた。
なぜか預金通帳には多額の金が保険会社から振り込まれていて生活は苦労をしなかったが
その保険会社から
『このたびは御主人様大変ご愁傷様です。保険に関しましては今回の事案では全額支払われますので・・・』
と言ってきて訳が分からなかった。
第1章終
「まだかな・・・」
台所で夕食を作りつつ一人呟いていると突然玄関のチャイムが来訪者を告げた。
エプロンで手をぬぐいつつ玄関に駆け寄り誰何の声をだすと
<すいませーん。隣に越してきたものなんですがご挨拶に伺いましたー>
と帰ってきた。声を聞き真奈美は息を呑んだ。
その声はこの2年間待ち続けた声に間違いなかったからだ。
慌てて玄関を開けようとするが何かおかしいことに気づく。
『ぇ・・・?隣に越してきた・・・?』
自分たちは新婚でもちろん夫婦仲も円満別居なんて考えたことも無い
それなのに何故隣に超す必要があるのか?
そもそも何故こんなに他人行儀なのか?もしかして別人?
そんな疑問が数瞬頭をめぐったが
『とにかくドアを開けてみよう』
というところで思考が落ちつきゆっくり玄関を開けた。
第2章終
「あぢー・・・もう駄目だわ・・・俺死ぬ」
そう真紀に呟くと俺は少しでも冷たい場所を求めてフローリングの床を這いずり回った。
「・・・」
何も言わずに何か哀れなものを見るような目つきで俺を見る真紀
「そんな目つきで視姦されると俺濡れちゃう!」
・・・ごふ
いきなり鳩尾に蹴りが飛んできた。
プロレスでいうサッカーボールキックだ。
あ・・・頭にも・・・あ・・・もう・・・だめ・・・
そのまま俺は深い闇の中へ落ちていった。
目を覚ますとそこは知らない部屋だった・・・
いや・・・違う・・・そういえば今日この家に引っ越してきて・・・
あれ?俺なんで寝てるんだ?まだ引越しの荷も解ききってないのに
たしか真紀と一緒に来て・・・掃除をしていて・・・暑さに負けてフローリングを這っていたはずだ。
真紀はどこだと探すと部屋の隅で扇風機に向かって「あ”~~~」なんてやってる。
「おーい、真紀さーん。俺なんで寝てたんだ?」
我ながら間の抜けた質問をしてみると真紀は扇風機に向かったまま
「じら”な”-い、あ”づざに脳でも”や”ら”れ”だんじゃないー?」
と返ってきた。
「????」
どうも腑に落ちないがとりあえず目の前のダンボールの山をなんとかしなければならない。
「真紀さーん手伝えー。・・・・てか手伝ってください。ほんとすいませんごめんなさい調子乗ってました。」
ギロリと一睨みされ狼におびえる羊のようにぷるぷる震えながら手伝いを頼む。
うん!我ながらいい情けなさだ!
そんな俺白坂健一が斉藤真紀と知り合ったのは3年前だ
同じ大学に通う真紀とはゼミが一緒でそこで出会った。
『うひょ!セミロング!しかも清純派肉体(悪く言えば幼児体系)!てか巫女服着てほしー!』
などと初対面の時とりとめも無い妄想をしていたことは今でもいえない。
普通に高校に通い普通に大学に入学した普通の俺がこんな可愛い女の子と知り合いになれる
この時ほど俺はこの大学に入学できたことを感謝した時は無かった。
それからはちょくちょく一緒に飯を食ったり午前の講座が無い日はゲーセン行ったりと
夢に描いたようなキャンパスライフを送っていた。
そういう普通を絵にしたような俺が少しだけ普通でなくなった日が来た。
趣味でやっていた株取引である日どこぞの証券会社が数千億単位の誤発注を出したのだ。
しっかりその尻馬に乗った俺は一夜にして数億の金を手にした。
だが喜んだのも束の間だった。
それから先はあまり思い出したくない。
お決まりな事にやたら親戚・親友・同級生が増えた。
どこから嗅ぎ付けたのか分からないが中には幼稚園の同級生なんて名乗る奴も居た。
そんなこともあってか俺はすっかり人間不信になり
密かに恋心を抱いている真紀にまで心にも無いことを言っていた。
「どうせ俺の金目当てなんだろ?!」
「金がなくなれば水が引くみたいにいなくなるくせに!」
そう言い放った俺の頬に突然鈍い衝撃が走る
見ると真紀が綺麗な右フックを入れてきたのだ。
そのまま反動で次は左フック・・・右・左・右・・・
『え?デンプシー?え?え?』
痛みと目の前の可憐な少女が振るう某ボクシング漫画主人公の技に頭を混乱させていた。
猛ラッシュが止み何が起きたのか確かめようと頭を上げると
真紀が泣いていた。俺はさらに混乱していると真紀は
「・・・そう、思われてたんだ、さよなら、もう、はなしかけない」
とだけ告げその場を立ち去ろうとしてる。
それを聞きもう混乱ってレベルじゃなくカオスの状態となった俺は
その手を取り体を引き寄せなぜか口付けをしていた。
次の瞬間体を押され引き離された俺は何故か
「好きだ!付き合ってくれ!」
と愛の告白をした。
自分でも何故この場で告白なんてしたのか未だに分からない
当然場の空気が妙な空気になる。
俺はなんとなく居心地が悪くて
「し・しんけんだぞ!結構マジな告白だ!さっきは心にも無いことを言った!
反省している。付き合ってください!」
ともう一度告白した。
すると真紀は小さくクスクスと笑い出した。が、すぐに真剣な表情になり
「私も・・・健一のこと好きだよ・・・だから・・・さっきの言葉は傷ついた。」
と返してきた。
それを聞き俺は大地に向かって頭をこすり付けた。
「ごめんなさい!」
こすり付けるというか大地に向かって頭突きをしていた。
例えていうなら大地オンヘッドな状態で文字通り全身全霊を使って謝罪の意を伝えた。
それを見た真紀はまた小さく笑い
「もう2度と人を傷つけたりしない?」
と聞き俺は
「もう2度としません!!」
と誓った。
それから俺は少しずつだが人間不信が治っていった。
もちろんそれは真紀の力があったからこそだ。
金のほとんどを福祉施設へ寄付すると周りの自称親戚等もあっという間に去っていったが
俺は再び人間不信に陥ることはなかった。
残った金を使い家を買って一人暮らしをすることを薦めてくれたのも真紀だった。
「環境を変えてリセットするのもいいかもしれないよ」
と言ってこの物件を紹介してくれた。
それから実家を出てこの家に引っ越してきたのだ。
荷解きも一段落し俺は真紀にちょっと気になっていたことを聞いてみた。
「なぁ・・・越してきていまさら何なんだが」
「ん?何?」
俺のここに引っ越してくる前からの疑問に
「そりゃ・・・もし健一が結婚とかして子供ができて、いざ一軒家を買おうって時に肝心のお金がなくなってるかもしれないじゃない。先行投資よ。先行投資。」
と返してきた。
「俺としては真紀とだったらどこでもいいんだけど・・・」
「馬鹿言ってないで早く片付けるよ!ご近所さんへの挨拶回りもしなくちゃいけないんだし!」
と軽く流されてしまう。それを聞き
『ウツダシノウ』
とへこんでいると
「私の子供は庭付き一戸建ての中で育てたいしね・・・」
と小さく呟く。
脳内にたちまちお花畑が浮かんできた。
『AHAHAHAHAHAHAHA』
第3章終
健一がまた馬鹿なことを考えてる。
私の呟きを聞いた健一が幸せそうに蕩けている。
『かわいい・・・』
素直にそう思う。
まったくこいつは馬鹿である。しかも結構エロい
だがそれ以上に純真で繊細だ。
初めて知り合った時同じのゼミのお調子者といった程度の認識だった。
だがたまに二人で遊んでみたりして健一は周りが思っている以上に純真で
繊細だということに気づいてきた。
それがはっきり分かったのは健一が株で相当な大金を稼いだと聞いたときだった。
それまでいつも笑っていたのに急に無表情になっていった。
たまに一緒に遊んでも異様に口数が少ない。
『あれ?こいつこんなに静かだったかな?』
いつも必要以上に明るい奴が急に周りを拒絶していった。
心配になり
「なんかあったの?」
と聞いても別に・・・と酷くつっけんどんに返される。
いい加減頭にきた私は
「ちょっと何なの?!いい加減にして?私なんか言った!?」
と怒鳴り声をあげていた。
すると向こうも負けじと怒鳴り声で
「どうせ心配してくるのは俺の金目当てなんだろ?!」
「金がなくなれば水が引くみたいにいなくなるくせに!」
と叫んでいる。それを聞き私は
あたまがまっしろになった。
なぜだかほほにつめたいものがつたっていくのをかんじた。
てをつめがくいこむほどにぎりしめている。
『わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない
・・・わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない
・・・わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない
・・・わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない・・・わたしのことをしんじてくれない・・・』
気が付いたら健一のことを無茶苦茶に殴っていた。
手から血が流れている。
健一の血なのか私の血なのかすらわからない。
私は泣きながら健一のことを殴っていた。
刹那、我に返ると血まみれの健一が下を向いていた。
訳が分からず本心とは逆の言葉が口から飛び出す。
「・・・そう、思われてたんだ、さよなら、もう、はなしかけない」
とだけ呟いきその場から一時でも早く逃げようとした。
その時、強い力で腕を握られ体を引き寄せられる。
次の瞬間唇に何か当たった。
するといきなり
「好きだ!付き合ってくれ!」
今度こそ本当に何が起きたのかまったく理解できなかった。
時が止まったように感じた。
カレが次の言葉をつむぐのを待っていると少しばつが悪そうに
「し・しんけんだぞ!結構マジな告白だ!さっきは心にも無いことを言った!
反省している。付き合ってください!」
その少し間の抜けた様子に思わず笑いがこみ上げてきた。
それを見てカレはポカンとしている。
その様子を見てこちらも気を取り直し
「私も・・・健一のこと好きだよ・・・だから・・・さっきの言葉は傷ついた。」
と本当の気持ちを伝えた。
するといきなりカレは物凄い勢いで土下座をし始め必死に謝ってきた
そんな姿に無性に愛しさを覚えまた笑いがこみ上げてくる。
私の中にあったさっきまでの絶望が嘘みたいに晴れていった
『健一はあんなに酷いことをした私のことを信じてくれている』
そう思うと体の芯のほうからゾクッとしたものがこみ上げてくる。
それから私は健一を全てのゴミから守ってきた。
余計なものを引き寄せる金は施設に寄付させた。
それでも寄ってくるゴミから健一を守る為残った金で家を買うよう薦めた。
もちろん私と健一の愛の巣にする為に。
だから正直さっき健一が私と一緒に居るならどこでも良いと言ってくれた時は飛び上がって喜びたかった。
心のそこからうれしかった。
もうすぐ健一と一緒に暮らせる。
もうすぐ健一と同じ時を過ごせる。
もうすぐ健一の全てが私のものになる。
だけどそうはやる心を押し殺す為わざと冷たくあしらってみる。
そんな私を見てしょげる健一が可愛くてしょうがない。
もう少しいじめてみたい気もするが少しフォローを入れてあげた。
今度は蕩けそうな顔で何かを思い浮かべている。
その姿も可愛くてしょうがない
『だめだ・・・このまま押し倒しちゃいたい・・・』
そう私の中の何かが訴えるのを必死でなだめ引越しの続きをすることにした。
第4章終
「【エロ小説・SS】死んだはずの夫がある日隣に引っ越してきた」終わり
なんかおもろいやつやらなんやら
な、なんやこれ?
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