ヤンデレは病んでいくほど身体能力が上がる。
最後は綺麗なハッピーエンド。
別ルートも見つけたらまた。
■所要時間:15分 ■約10382文字
【エロ小説・SS】ヤンデレな女の子二人に好かれてしまった俺は・・・ 3発目
2016.02.06
アブっぽいやつ寄ってく?
「【エロ小説・SS】ヤンデレな女の子二人に好かれてしまった俺は・・・ 3発目」開始
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さて今俺が向かってる駅前の周辺はこの市では、繁華街の中に入る場所だ。
実際のところは、再開発によってできた駅ビルぐらいしかないのだが、近くに港があり、
その港におおきなショッピングモールができたせいもあり、この前絵里と行った中心街を越える買い物スポットになろうとしてる。
また交通の要所でもある。この市を走るバスの98パーセント以上はこの駅前を通ってるとも思う。
そのため夜になっても人の流れが衰えることはない。
仕事を終え、ニュータウンへ帰りを急ぐ人々、出張から帰ってきた人、このあたりで買い物を楽しんだ人・・・さまざまな人がいる。
また、大きな歩道橋があり、広場になっている。
その広場ではストリートミュージシャンたちが夕方から歌い始める。
そしてそれを聞く人、待ち合わせをする人・・・鳩に餌をやる人…さまざまな人々がその広場にいる。
奈津子がいるとしたらそこだろう。そこじゃなかったら・・・長い時間探すことを覚悟しなければ。
待て。そもそも奈津子は駅前で今も待っているのだろうか?
何も考えずに飛び出して来てしまって、奈津子が駅前にいるという確認も取らずバスに乗り込んでしまった。
何故電話をしなかったかって?急に決めたからだ。俺はこんなときだけ決断が速い。
もっと速く決断しておけば・・・自分の優柔不断さを今更恨む。
俺は小さいころから、優柔不断といわれてきた。
そのくせ突然とっぴもない行動、決断をする。
つまり俺は慎重さと大胆さを併せ持つ。
こういうと聞こえはいいかもしれないが、はっきり言ってしまえば、行動に一貫性がない、ということ。
今回のことだって、自分が今頃決断しなければ、絵里を傷つけることはなかっただろう・・・。
この性格、どうにかして直そう直そう、とは思っていた。
だが生来のものはなかなか直らないようで。でも今回のことで今までで一番反省した。
だけど、いまさら後悔してももう遅い。俺は行くべき道を決めたんだ。
今からまた道を変えるのか?
そんなふざけたことはできるはずもない。
もう選択するものはない。俺が歩んでる道は一本になった。
街を過ぎた。駅まではあと県庁と市役所を越えるだけ。
もう少し、もう少し・・・
少しして、一個手前のバス停についたとき、俺はひどい渋滞になってることに気付いた。
この辺は、地方屈指の交通量を誇る。渋滞も珍しくないが、何だってこんなときに…
俺はバスを降り、ここから歩くことに決めた。
このバス停から駅までの区間はなぜか長い。結構な距離がある。
急ぐ気持ちからか、足取りが自然と速くなる。
ふと思ったのだがこの間を利用し、奈津子に電話をかけなければいけないのではないか?
携帯をとり、奈津子の携帯に電話をかける。
ワンコール、ツーコールで奈津子は出た。
「もしもし、奈津子か!?」
「あ、慎ちゃん♪どしたの?」
「今どこだ!?」
「え?」
「今どこにいるんだ!?」
「え・・・駅だけど。」
「駅のどこ!?」
「上の広場だよ・・・ねぇ慎ちゃん今どこにいるの?どこから電話かけてるの?」
「えーと、そろそろ駅に着くぐらい」
「え、慎ちゃん来たの?本当に?」
「えーと、とりあえずすぐにそこに行くから、ちょっと待ってろ!」
「えっ・・・うん・・・わかった、待ってる。じゃあ・・・」
ガチャ。
駅の歩道橋まで来た。
階段を登り、歩道を進む。
広場が見え、奈津子はすぐに見つかった。
周りに制服着ている女の子は奈津子だけだったから否応無しに目立つ。
何かあったらどうするんだ、と心のなかでぼやきながら、走って行く。
奈津子は少ししてから気付いたようで、すごい笑顔で手を振ってきた。
「慎ちゃ~ん♪」
あのばか、大声出しやがって。恥ずかしいじゃねぇか。周りの視線が俺に一瞬注がれる。
「何やってんだお前!」
奈津子のもとへつくなり怒鳴ってしまった。奈津子は驚いて少しびくっとして答えた。
「えっと・・・慎ちゃん待ってたの」
「何かあったらどうするんだ!事件とか事故とか・・・」
「でも・・・でも・・・」
「たくっ・・・」
「うぅ・・・でも来てくれたんだね・・・嬉しい・・・」
「あぁ・・・待ってるって行ってたからさぁ・・・絵里のとこから心配になって・・・」
「え・・・?」
「そう、飛び出してきたんだわ。」
「ねぇ・・・慎ちゃん・・・」
「なんだ?」
「・・・絵里さんには何も言わずに来たの?」
「あっ、ああ・・・ちょっといろいろあってさ・・・言えずに・・・」
「馬鹿!」
ぱんっ!!
急のことに混乱する。
頬に痛みが走る。奈津子に平手打ちを食らったようだ。
「いきなり何すんだ!」
「なんで、なんで・・・」
奈津子は怒っているようだ。俺は何をとがめられてるのかわからないまま呆然と立ち尽くすしかなかった。奈津子は何を怒ってるのか?おれにはさっぱりわからない。
「なんで絵里さんに何も言ってこなかったの!?」
「そりゃ・・・急いでたからさぁ・・・」
「一言言えば済むことでしょう!?」
「・・・だいたいなんでこんなことでお前が怒るんだ!?絵里のことだろう?」
「当たり前じゃない!そんなことも分からないの!?」
「わからねぇよ!」
「馬鹿!絵里さん、何がなんだか分からないままほおりぱなっしじゃない!」
「それがどうした!」
「なんで分からないのよ!そんなことしたら絵里さん悲しむでしょう!?」
・・・へっ!?
「絵里さん…今泣いてるだろうなぁ…いきなろだもんね…」
おいおいこんなときに人の心配かよ。しかも自分の恋敵であろう人物の。
・・・ふぅ、どこまでも聖人君子なんだ…
「たくっ」
むぎゅ。
奈津子を抱きしめる。
「すまん」
「へっ・・・?」
突然のことに奈津子は目を丸くしている。
「謝る。だけどよ、俺どうしてもお前のことが心配で心配で…だからさ…」
「だからって、ちゃんと言わないのは駄目じゃない。慎ちゃんいっつもそうだよね。」
「えっ、いつもって?」
「だって急じゃない、いつも。今日だって、当日に断った、と思ったら来たりして。」
「でも来ると思ってたんだろ?だからここにいたんだろ?」
「えへへ・・・まぁね」
「じゃあもう一つ急なことやってもいいか?」
「え・・・なに?」
奈津子の目は、その疑問の言葉とは裏腹に輝いてた。ちきしょう、俺が言いたい事分かってやがる。
悔しいが、言うしかない。
俺は一呼吸おいて、はっきりと言った。
「奈津子・・・好きだ、俺の彼女になってくれないか?」
「きゃ~嬉しい♪慎ちゃんから聞けるだなんて♪でもずるいよ♪」
「何が?」
「私が先に言おうって思ってたのに・・・」
「あはは、まぁいいじゃん。もう恋人同士みたいに思ってただろ」
「でも不安で・・・ちゃんと言わなきゃって・・・ほかの人に取られちゃうかもって・・・」
この言葉は意外だ。普段はトンでも言動で驚かせてくれる奈津子から、不安だったと。
要は電波なことを言ってるんじゃなくて、不安だったからこそのあの言動…
かわいいなぁ。なんていってる場合じゃないか。
「いいじゃないか。これで正式に、恋人同士になれたんだし」
「そうだよね・・・ねぇ慎ちゃん・・・」
「なんだ?」
「その…苦しいよ・・・」
しまった!気付かないうちにぎゅ~っと抱きしめってしまってた!
しかも公衆の面前で!あぁ周りの視線がいたい・・・なんか苦笑も聞こえる…
ぱっと離ししばし沈黙。奈津子も恥ずかしかったようだ。
うつむいている。おれもかなり恥ずかしい。
「ねぇ・・・」
奈津子が沈黙を破るように言う。
「何?」
「本当に私でいいの?」
「奈津子じゃないと駄目なんだ。じゃなかったらここにはいないよ」
「慎ちゃん・・・じゃあさ一つだけ約束して。
絶対に急に何かをしようってときは私にちゃんと言って。心配するから・・・」
さっきの話か・・・
「うん分かった約束するよ」
「絶対だよ?私、今日みたいなことしたら絶対に許さないから。そのときは・・・」
「そのときは?」
「青酸カリね♪」
殺す気か!でも今となってはこの言葉もいい。
自然と笑ってしまう。俺が笑えば奈津子も笑う。いつの間にか2人で笑っていた。
しばらく笑っていると、笑っていた奈津子の目が突如見開かれた。
「慎ちゃん危ない!!」
と、同時に俺の世界がひっくり返った。奈津子に押されて転んでしまったようだ。
何とか起き上がった俺に飛び込んできたのは・・・
包丁で刺されて血が出てきている奈津子と―
笑顔のまま包丁で奈津子の腹を刺している絵里の姿だった。
「あ~あ、避けられちゃったかぁ…ちょっと残念。でも結果オーライ♪慎ちゃんにつく悪い悪魔が払えたんだから♪あはははははは…」
・・・絵里が何か言ってる。笑い声で。でも奈津子が、奈津子が・・・
「おい、奈津子、大丈夫か!?」
奈津子は苦しそうな表情を一瞬見せたが、俺を見るとすぐに笑顔に戻り、
「慎ちゃん・・・大丈夫?よかった…大丈夫…みたい…」
俺の身の安全を心配した。
というか、奈津子のやつ、こんな状態になっても俺を心配するとは…
いまはお前のほうがはるかに危ないだろうが。
馬鹿としか言いようがない…本当に馬鹿だ。
「よくねぇよ!お前のほうが今は心配だよ!大丈夫かよ!おい!」
俺は混乱していた。
奈津子が刺された。誰に?絵里にだ。
血まみれになり倒れている奈津子。
手に包丁を持ち、狂気に満ちた笑顔を見せている絵里。
いったい何が起こってるのか、この状況で理解できる人はいる人はいるのだろうか?
おれはそういう人のほうが希少なほうだと思うが。
とにかく俺は何をしていいかわからなかった。
「そっとしてあげて」
そんな時、俺は後ろからいきなり声をかけられた。
「傷も深くないし、危ないところではないみたい。119はしてもらってるから…。それにそんなにぶんぶん揺らしたら、傷口が開くかもしれないし…」
「あの、えーっとあなたは…」
「看護師。駅の中に病院あるでしょう?そこの。まったく、あなたたち、なにをやってるの…」
すいません。しかし、なんと幸運な。看護師さんに出会うなんて。
人生の運を全部使い果たしたようだ。
「すいません、ありがとうございます」
「今はお礼より…」
その通りすがりの看護師さんの目線が一瞬奈津子から離れ、
そして…絵里のもとへ行った。
「あの子、どうにかできる?」
そこには普段明るく笑ってる絵里の姿はなかった。
笑ってはいる。しかし、その顔はどこか歪んでいる。
その手には血に濡れていない2本目の包丁が握られている。
その姿は圧倒的で狂気じみたオーラを放っていて、他の人をまったく寄せ付けない。
周りの通行人の誰もが俺のほうをチラチラと見る。「お前がなんとしろ」と。
俺がまいた種だ。どうにかしなきゃならない。奈津子のためにも、絵里のためにも。
俺は自体がこうなる原因になるような何か悪いことをしたか?天に誓っても何も悪いことはしていないと言いたい。
…いやもうそんなことはいえないか。
俺は裏切ったんだ、絵里の気持ち、奈津子の気持ち…いろいろなことを。
それでも、奈津子は信頼してくれた。でも普通はそうじゃない。
怒り、憎しみ、絶望…あまりの聖人君子過ぎる奈津子になれてしまい、甘えてたのかもしれない。
いずれにせよ、こんな風になってしまったのは、優柔不断な俺のせいだ。
蒔いた種から成長したものはどんなものであれ自分でどうにかしなきゃならない。
もう逃げ道はない。俺は腹をくくった。
「よう、絵里、よくここがわかったな」
「当たり前よ。あんたのいる場所なんか、すぐにわかるんだから」
「そうか、まぁまずはその右手に握ってる物騒なもん、どうにかしてくれないか?」
「嫌」
「絵里!」
「じゃあ慎君あたしのとこへ帰ろ♪一緒にお勉強の続きしましょ♪」
…今までの俺なら、躊躇なくこう答えただろう。
yes。でも、もう決断した。迷わない。
「断る。俺は、帰る気はない。少なくとも絵里のところにはな。」
空気が死んだ。周りからは敵意のまなざしが向けられる。
それもそうだ。こんな物騒なものを持ってる人間、しかもどうかなってるような人間の頼みを、
何の躊躇もなく断ったのだから。
下手して暴れられて、自分に被害が来てはたまったものではないだろう。
でも、ここでyesといって何の解決になるだろう?
バッドENDまっしぐらな気がしないでもない。
でも…ここで終わらせなきゃいけない。この話のすべてを。
そのさきにどんなENDが待っていたってな。
「ふふふ。いいもん、あんたがその気じゃなくても」
「ほう、それはそれは。で、どういいんだ?」
一瞬にやりと絵里が笑った。
その刹那、包丁を向けて俺に向かって絵里が突っ込んできた。
すかさず身を翻してかわしたはいいが、そのスピードに驚いた。こんなに運動神経よかったか?
このスピード…油断してたら、俺も奈津子のように血まみれになっていただろう。
そんな血まみれの奈津子のほうは、引き続き応急処置を受けているようだ。
詳しいことはわからない。長い時間目を離すと、絵里が襲い掛かってきたときわからないから。
そうなったら一巻の終わりだ。包丁で体に穴が開くのは正直勘弁だ。
なんと言う恐怖感。これじゃ確かに誰も手が出せないし、出したくないもないだろう。
「そんな避けなくてもいいじゃない、運命からは逃げられないのよ。」
「そう運命。あたしたち二人はどんなことがあろうとも結局結ばれる運命にあるのよ!」
な、なんだ…いやいやいや。何だこの電波は…
奈津子みたいだな。何の脈絡もなくこんなこというなんて。どうしたんだ?
こんなこと聞いたら、奈津子がヒートアップするからやめてくれ。怪我人なんだし。
「障害を乗り越えて深まる2人の愛…あぁ最高♪」
気が付くとサイレンが近くで止まって救急隊員が歩道橋を登って来た。
これで奈津子はおそらく大丈夫だろう。そう信じたい。
さて、絵里…今の絵里は言うなれば完全に壊れてる状態だ。
自分と俺以外のことはまったく見えていない。俺を連れ帰ること、その一点のみに思考が回ってる。
「ねぇ、そろそろ終わりにして帰ろう?ねぇ…ねえ…帰ろう…」
「…断ると言ったろ?」
「もう、そんなことばっかり言うなら…」
絵里がすばやく寄ってきて、左腕で俺の右腕をつかんできた。
「お仕置きが必要ね!」
すかさず俺は握られた右手をひじを曲げすばやくあげた。
この方法でつかまれてた腕をはずしてすばやく距離を離す。
相手は刃物を持っている、とりあえず間合いをはずそう…なんて思考が働いたのではない。
本能だ。本能がすばやく離れろと訴えかけてきた。
「じゃあ…これなら」
こんどは左腕をつかんできた。これではさっきのはずし方が使えない。
「うふふ…さぁ帰りましょ♪それとも、お仕置きされたい?」
お仕置きなんてお断りだ、とばかりに体が勝手に動く。
左腕をくっとあげる。
できたスペースに右手を入れる。つかむのは手首。
そのままひねるように、持ち上げる。
「きゃっ!?」
そのままの勢いで絵里を倒す。
うつ伏せに倒れたら、腕を背中に回す。どこぞで習った護身術だ。
何とか絵里を捕まえることに成功した。いや内心ひやひやだったがな。
なんせ右手には包丁、それで動きとめられたんだ。刺されててもおかしくなかった。
そう、別の未来は、奈津子と同じように血まみれで倒れている未来。
奈津子のように致命傷にならなかったという保証もない。
いずれにせよ、いまはほっとしてもいい。じたばた絵里は暴れているが、抜けられるはずがない。
それほどこの、護身術の効果は絶大だ。教わったときも一度も抜けられなかった。
しばらく暴れた後、絵里は、救急車にほんのわずか遅れてきた警察に、連れて行かれた。
わめきながら暴れながら…そして最後にこんな一言を残して、パトカーに乗せられた。
「絶対に迎えに行くから!助けに行くから!」
まずは奈津子だ。
救急車に乗せられ、大学の付属病院に連れられた。
そこで、処置を受けたが、幸いというか、そこまで大きな怪我ではなかった。
いやもちろん全治に月単位の時間はかかるが、そう重体だとか、そういうことにはならずにすんだ。
病院に行くまでの駅前では、周りの通行人から、俺がとっさにした護身術への喝采と、この若さで殺し合いに発展するまでこじれてしまったことへの恐怖などが混じった視線が送られた。
当然テレビは大騒ぎ。
こんなネタ、めったにないからな。
でも俺らの生い立ちなんか追われるのは勘弁だし、何より今日の過程をしゃべられるのは、
忍びない。…いろんないみでな。
どう考えても今日のことは俺の責任である。
どうしようもないへたれな行動をとってしまったことで、奈津子は不安になり、絵里は壊れた。
この責任は、俺の背中にのしかかることだろう、重い十字架として…
テレビの取材は全部断った。高校側も取材はほぼシャットアウト状態のようだ。
さすがだと思う。まぁなんにせよ死人が出なかったことは、よかった。
でてたら、これ以上の騒ぎになっていたさ。
取材シャットアウトなんてできないほどにな。
親からは大目玉食らった。
当然さ、世間を大きく騒がせていろんな人に迷惑かけてしまった。いやいや何より人一人死なせるところだった。
しばらく小遣い無しですんだのは、幸いか…いやめちゃくちゃ痛いけど。
学校からは謹慎処分食らった。
担任は、死人がでなかったことに安心しながら、このような事態を招くことになってしまったことにはきっちりと反省を促してきた。まぁ要は頭を冷やせと言うことか
まぁここで授業に出てもしばらくクラスでもこの話題で持ちきりになっちまうだろうし。
授業どころではなくなるだろう。そういうわけでしばらく家でおとなしくしとけとさ。
部活の先生からも怒られるだろうな。同じパートの人間、しかもこれから3年が抜ける時期に、1年生が2人も抜けるんだ。しかも何ヶ月か。
あぁ部活の仲間たちに合わせる顔がねぇ…
何はともあれとりあえずはしばらくはおとなしくしするしかない。
学校側の申し付けどおり頭冷やさなきゃな…やれやれ。
こうして俺はしばらく謹慎生活を送ることになった。
そして2週間目。さすがになにもない生活にも飽きてきた。そこで、奈津子のもとへお見舞いに行くことにした奈津子のところへのお見舞いはこの日まで禁止されてた。
親からは、行ったら家に入れない。学校からは期間延ばすぞって脅されちゃどうしようもない。
でも、俺がずっと要求し続けたおかげか、今日やっとお見舞いに行くことが許可された。
今日は誰もお見舞いに来てないようだ。
「よう」
「あ、慎ちゃん、やっほー」
奈津子は笑顔で俺を迎えてくれた。
「元気そうだな」
「うん、おかげさまで。もう痛みもだいぶなくなってきたよ。激しい動きは駄目だけど…」
「…悪かったな」
「何が?」
「いや、その、こんなことになっちまって…」
沈黙が流れる…
重苦しく、永遠のように感じられる沈黙。しばらくたった後、
「なんで?謝らなくていいんだよ」
奈津子が沈黙を破った。
「私が…その…いなかったら絵里さん、壊れなかっただろうし」
「いやそれは…」
「絵里さん不安だったんだろうなぁ…」
「へ?」
「いままでライバルなんかいなくて、慎ちゃんもきっちり絵里さんのほう向いてくれてて。でも高校が変わった。そしてその高校でライバルが現れて…だんだんそっちのほうに慎ちゃんが向いてきて」
「俺を奈津子のほうに向かせたのはほかならぬ奈津子だろ?」
「ふふふ、そうだけどさ…でもね慎ちゃん私だって不安だったんだよ?あの時好きだ、って言ってくれるまでは。だからねなんとなくわかる気がするの」
俺は何も言葉が返せなかった。ため息しか出ない。
「ねぇ慎ちゃん…多分ねすごい責任感じてると思うの、今回のことで…まぁ普通の人ならそうだよね。でもねやってしまったことはさ、もう戻らないんだよ。覆水盆に帰らずっていうじゃない」
「でもさ…」
「だからさ…これから責任取ればいいじゃない♪」
「どうやって?」
ふふふと笑う奈津子。
さり気なくカーテンを閉め始める。ちなみにここは個室だ。
そしてカーテンをしめ終わると一気に抱きついてきて俺はあっけなく引き倒された。
「私を幸せにして♪」
うげ、いきなり、チャックに手をかけ始めやがった!
「やめろ、お前怪我人だろ!自重しろ!」
「えへへ、関係ない♪自重ってなに?おいしいの?」
「関係あるだろ!あと自重は食いもんじゃねぇ!ちょっと待て!うわやめい!」
「えへへへへへへへへへへへへへへへ♪逃がさないぞぉ♪」
やめさせたさ、さすがに、本番まで行くのは。さっき激しい運動はだめって言ったくせに…
その代わり、つたなかったが口でやってもらった。看護士さん来るかどうかかなりひやひやした。
終わった後は消臭剤まで買ってきて証拠隠滅。
こんなことばれたら、謹慎処分延びるどころじゃないだろうし。
お預け、そうお・あ・ず・けだ。
残念ではあったがな。
退院した後はしばらく注目は浴びたが、時間がたてば、注目も減ってきて、それなりに普通に生活はできるようになった。
絵里は医療少年院に入れられることになった。精神に異常が見られるとのこと。
でてきたときどうなるかはわからない。この絵里のことは俺にに背負わされた十字架になるだろう。
忘れることはできない…消して消えることのない十字架…でもどうすることもできない。
もだしかしく情けない感じだ。絵里にはもう会うこともないだろう。この奇妙な関係は完全に終わった。
その後、俺と奈津子は首都圏にある大学にそれぞれ進学した。
別に近くということをを狙ってはない。本当だ。
同棲はすんでのところで阻止した。付き合ってみてわかったのだが、奈津子は大食いだった。
何故太らないのかと失礼ながら尋ねたこともある。答え?右ストレート一発。以上。
とにもかくにもそんな大食いと生活してりゃ生活費がいくらあっても足りない。
だったらな、就職するまでは我慢しようぜ、ということにしたわけさ。
かなり渋られたが。何度別れると言われたことか。われながらよく粘った。
まぁ同じ首都圏というだけで、同棲したら二人とも通学で大変なことになるがな。
そうそう、奈津子は最近ネットはじめたらしく、見つけてきたことをたびたび報告してくる。
休日は大抵どちらかの家に行くので、そのときに話してくれる。
今日も俺のうちに来て、その話ってわけさ。
「ねぇねぇ~慎ちゃんこれ見て」
奈津子が自分のノートパソを開く。
「ヤンデレ?」
「そう、そのヤンデレっていうジャンルの小説の保管庫」
「で、これがどうしたのか?」
「でねこのヤンデレってので一つ話を思いついたの。」
「へぇ~」
「あのN市長選での銃撃事件。その事件の裏で、事件が起こるの。きっかけは…子供のころのなんでもない約束。それがきっかけで、後々大変なことになるの。面白そうじゃない?」
「うん、興味はあるね」
とは言いつつ軽い生返事。ちょっと長くなりそうな気がして聞く気が…
「聞いてくれるよね?」
顔は笑ってはいるが、声が笑っていない。聞かなきゃ何されるかわかんねぇ…
「はいはいわかりましたよお嬢様」
「でね、でね…」
まぁこれも一つの責任さ。俺が背負わされたな。え、奈津子の話?それはまた別の機会で。
俺の話はここまでだ。
さぁ気合いいれて奈津子の話を聞くぞ!今日は寝れるかなぁ…明日授業だよ…
あいつは全休らしいが。やれやれ…
でもそんなこといやいやながらと言っても、俺は今幸せだ。今はそれで十分すぎるのさ。
「責任・幸せ」
to be continued
でも、とりあえず、おしまい。
————————————————
投下終了します。
久しぶり&完結乙です
奈津子でこんなほのぼのENDになるとは個人的には予想外だ(´・∀・`)
残りのルートもwktkして待ってます
そんで哀れ絵里がぶっ壊れて悲惨なエンドにw という事は別ルートだと・・・?
GJです。続き楽しみにしています。
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なんかおもろいやつやらなんやら
な、なんやこれ?
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紳士な名無しさん 2016年02月11日 06:25:20
どうしてこうなった(´・ω・`)
しかし楽しんだので乙である