VS幸崎編完全決着。
これはインガオホーだね。
残るターゲットは二人・・・
続きはまた明日!
■所要時間:20分 ■約15609文字
アブっぽいやつ寄ってく?
「【エロ小説・SS】超上流階級のお嬢様しかいない女子高に転入したら想像以上のイジメが待ってた・・・3発目」開始
目の前が暗く淀む感覚に、幸は身震いして四人の復讐者を見上げた。小水で濡れた制服
が、僅かに動いただけで不快感を全身に伝えてくる。特にショーツはぐっしょりと尿を吸い込ん
で肌に張りついていて、これでは丸いお尻もふっくらとした土手の形も、くっきりと浮かび上が
らせているに違いない。
「それじゃあ、誰からやります?」
眼鏡を光らせて、香堂がそう言った。四人それぞれが受けた恥辱を、そのまま幸に返すと、
先ほども香堂はそう言っていた。自分が彼女らに何をしたのか、頭の片隅でどうにか思い起こ
して、その絶望に寒気を覚える。
「とりあえず、相田さんの分からにしましょう」
提案したのは文月だった。どこから取り出したものか、大きめのペンケースを用意して、うっす
らと笑う。
「覚えてる、幸崎さん。あなたが彼女に何をしたのか」
「うるせえ……」
覚えている。今朝までは忘れていたが、そもそもその写真を見たから幸は涼香のことを思い
出したのだ。液晶の中で泣く相田涼香。その膣に突きこまれていた十数本のボールペンまで、
はっきりと思う浮かべることが出来た。
「下着が濡れてたら気持ち悪いよね? 脱がせてあげるよ」
笑いながら幸の短い髪の毛を掴んで、柚子澤が思い切り引きずった。黄色い水溜りから引
き出されて、幸が小さく苦悶の声をあげる。
「それじゃあ、脱ぎましょうね」
言って、香堂が尿を吸い込んで濃く染め上げられたスカートをまくりあげた。現れたのは、意
外にも清廉なイメージの白いショーツだ。だが尿まみれで肌に密着したそれは隠すべき恥丘
の形をむしろ強調するようで、濡れた上質な布地はその奥の肌を透けさせて殊更に淫靡な印
象を与える。
あらわになったスカートの内側にカメラを向けて、逢坂がくすりと笑った。
「……」
意味のない静止の言葉など、幸は口にしなかった。本音を言えば叫びだして逃げ出したか
ったが、そういった言動の全てが火に注ぐ油になることを、彼女は誰より知っていたのだ。
「うわ、きったなぁい」
嫌味たらしく言葉を溜めて、香堂が嘲罵する。柚子澤が便所の床に幸の小さい体を引き倒
し、香堂が膝に膝を乗せて動きを封じる。両の人差し指がショーツの端を引っ張り、ゆっくりと
嬲るように引き下ろした。
散々に尿を吸ったショーツは肌に張り付いてスムーズには抜けず、くるくると縒りあって染み
込んだ汚水をこぼしはじめる。股を伝う感触に幸が眉をひそめ身をよじると、それをファインダ
ーにおさめる逢坂が楽しげな笑みを漏らした。
「それっ」
掛け声をあげて、香堂が一気にふとももまで指を引き下げる。股布がしぶとく股座にしがみ
ついていたが、指先を引っかけられると、びちゃり、という淫猥な音をたてて剥がれ落ちた。
さらけ出された幸の股間は、楕円状に鬱蒼とした陰毛が太腿あたりまでを覆っていて、その
形や色がにわかに判別できない。小便で濡れる恥毛は艶やかに秘奥を隠す黒い滝となって、
凌辱者の視線を遮っている。それでもその奥に、陰裂からはみ出た小陰唇が震えているのが
伺える。
子供のような体躯に似つかわしくない淫蕩さが、露わになった秘所からは匂っていた。
「グロいですねぇ……」
カメラをズームにしながら、逢坂が半ば本気の声でそう言った。幸が彼女を睨みつけるとほ
んの少し身を引いたが、カメラは逸らさない。
「はい、そっちもお願いしますね」
二人は片足ずつ両手に抱えて、左右に開いていく。幸も抵抗しないわけではなかったが、
体が小さく力も弱い彼女では二人がかりの強制開脚に対抗できるはずもない。ほどなく、幸の
両足は鈍角のV字を描き出した。
「それじゃあ入れるわね。しっかり開いててね」
「うん」
「私ここに来て、カメラ大丈夫?」
「はい、ちゃんとグロいあそこが映ってますよー」
開かれた股に顔を寄せて、文月がくすりと笑う。細い指が生い茂る繊毛をかきわけ、 ぐちっ、
と容赦なく秘裂を割り開いた。色素の沈殿もない薄桃色の内襞が、外気と悪意ある視線に晒
されて怯えるように震えた。
「大人の形してるわりに、色はかわいいピンクなのね」
「逆にエロいなー」
「処女なんですか?」
香堂が、ちらりと幸の顔を見返った。幸は初等部からこの学院で暮らしている。男と触れ合う
機会が全くないわけではないが、性行為の経験などある方がおかしいというものだ。香堂もわ
かって聞いているのである。
幸は視線を厳しくするだけで答えない。その様子を見て、文月が口端を吊り上げた。
「確かめましょう」
そう言って、文月はペンケースから一本のボールペンを取り出した。ノック式の黒いペンで、
学院の購買で売っているものだ。ペンケースの中には同じようなボールペンが二十本近くも入
っている。
「まず、一本」
つぷ、と先端が靡肉にもぐりこむ。プラスチックの冷たい感触に幸が小さく声をあげ、四人が
嘲笑を漏らした。歯を食いしばって睨みつけるものの、文月は笑顔を浮かべるばかりだ。入り
口を探るようにペンが蠢く。幸は一日一回は自慰を行うが、それにしたって襞の表面を指で擦
る程度で、何かを入れたことはない。乙女のような貞操観を持っているわけでもないが、それで
も同性にボールペンで破られるとは思いもしなかった。
細く、硬く、冷たい感触が秘肉を擦りながら淫奥へと近づいていく。じわじわと攻め込まれる
恐怖が、少しずつ、幸の体を震えさせている。
「怖いの?」
見透かしたように、文月がつぶやいた。その視線は幸の秘所に向いたままだ。わざと肝心の
場所を外しているのだろう、ペン先が膣口をなぞるように円を描いている。
「……」
「正直に言って。怖いの、幸崎さん」
足を抱えている香堂と柚子澤も、秘所の前に顔を寄せる文月も、それらをカメラに収める逢
坂も、幸が震えているのは明白だとばかりに薄笑いを浮かべている。噛み締めていたはずの
歯がカチカチと音を立てている。今まで自分が犯してきた女たちと同じような惨めな反応だけ
は見せまいと、幸はそれだけを考えて涙の浮かぶ眼を吊り上げていた。
「怖く――ない」
裏返った声を震わせて、幸はそう強がりを吐いた。感心したように文月が吐息まじりの笑み
を浮かべて、
「あ、そう」
ずぐり、と一気にそれを突きこんだ。
「あ、ぅ――――!」
感と不快感、そして『犯された』という実感が、ぞわりと幸の心を蝕む。目の前がぐらりと揺れて、
それだけで崩壊しそうになる。
踏みとどまったのは、単純に屈するのが嫌だったからだ。ただの強情に過ぎないが、それで
も幸は悲鳴を飲み込んで視線に力をこめることが出来た。
「入ったのかよ」
かすれる声で、そんな言葉さえ投げてみせる。自分はただ泣き叫ぶだけだったお前らとは違
うのだと、そう心で叫び続ける。そんな幸の精一杯の強がりに、
「入ったわよ。ほら、幸崎さん、一緒に数えて」
文月の一言が亀裂を入れた。
「数え……?」
「そう。これが一本目。はい、二本目」
かちり、とペンの尻に硬いものがあたり、震動で膣がこすられる。息を呑む幸を嘲笑うように、
二本目のペンが突きこまれた。
「いぎ……っ!」
「まだ余裕あるわね。ほら、数えるんだって。三本目」
二本のペンでもう埋まりきっている隘路に、強引に三本目のペンが割り込む。肩を跳ねさせ
て、幸が細い喉から空気の塊を吐き出した。
「次は四本目ですよ」
「はい、よん、ほん、めー」
笑いながら、幸を取り押さえる二人が囃し立てる。抗議の声をあげようにも、膣を押し広げて
突きこまれるボールペンがそれを阻害する。四本のボールペンが股間から伸びるのを、幸は
荒い息を繰り返して睨みつけた。
「がんばるわね。あと何本いけるかな」
「あたし的には、最低十本はがんばってほしいですー」
「いやあ、十五本はいけるさ。なあ?」
柚子澤が片手を伸ばして、ボールペンを押し込んだ。びくりと背を反らせて、幸が呻き声を
あげる。
「なに言ってるんですか、せっかく用意したんだから、全部使わないと」
ぐらり、と視界が揺れる。全部。全部と言った。一体何本あるのだろう。たった四本で、もう幸
の体は限界を訴えている。柚子澤の言葉を信じるなら最低十五本――この四倍近い数が、
膣に押し入ることになる。
無理に決まってる。そんなの、耐えられない。
「お、おまえ、ら」
「はい、五本目」
「ごほんめー」
声を弾ませる逢坂に合わせるように、赤いボールペンが林立する黒い柱に加わる。五本に
なった膣栓を見て、うん、と文月は頷いた。
「いいオブジェだと思わない?」
「数が足りないな」
「あと三倍はないといけませんよね」
「そっか。だってさ、幸崎さん。何か言いたいことある?」
「う……ぐ、い、」
幸がゆっくりと口を開く。哀願なんて誇りが許さない。この期に及んで罵声を吐こうとして、
「いひぁああっ!」
股間を襲撃した強烈な刺激に、思わず悲鳴をあげてしまった。
みちみちと膣が裂ける音が聞こえる。それが幻聴であるとわかっていても、幸は自分の股間が
真っ二つに裂けてしまったのではないかと本気で考えた。
それほどの痛みだった。
膣を駆け上り全身の血管を踏破して頭上へ突き抜けた痛みは、今まで幸が経験したどんな
痛覚とも違う性質のものだ。まるで神経を直接焼かれるような、名状しがたい衝撃だった。
「ふ、あ、ああ、」
何が起こったのか、またしても涙がこぼれはじめた視界を、ふらふらとそこへ向ける。伸び上
がるボールペンの森が、倍近くに増えているように見える。
……錯覚ではない。
「はい、八本目。あれ、計算合わない?」
わざとらしく笑いながら、文月がボールペンの尻をぐりぐりと回した。膣壁を撹拌される想像を
絶する感覚が、体の中心を走り抜ける。
「あっ、か、あああっ」
「かわいい声」
ずちゅっ、と湿り気のある音がして、またペンが一本増える。濡れているわけではない。破瓜
の血があふれ出して来たのだ。ペンの林を伝う赤い雫に、文月は笑みを深くした。
「はい、十本目」
「大台突入だな」
「ふたけたですよー、先輩、すごいですね!」
限界近くまで広がった膣口を更に押し広げて、今までのものより若干太いペンが潜りこむ。
抉りこむようにしてペンとペンの隙間にそれを差し込むと、文月は全てのペンのノッカーに掌を
添えた。
「これ以上は無理みたい。でも、全然足りないわよね?」
「そうですね。これで終わりなどといわれても、納得できません」
「おまえら……」
「ちゃんと撮ってますからねー、安心して泣いたり叫んだりしてくださいねー」
この先の展開を予告するように、あるいは脅すように、文月の手がノッカーを軽く叩く。たった
それだけの刺激にも背を震わせる幸を見て、復讐者はこらえようともせず笑い声をあげた。
「それじゃ、いくわよ」
「あ、あ、ま、待っ――」
文月の白い掌が、並ぶ十のノッカーに向かって、思い切り突き出された。
「んやぁああああぁああ――――!」
ザアッ、と視界に真っ赤なノイズが走る。
ぐじゃっとグロテスクな音を立てて突進したペンたちは、未だ異物を知らない膣を抉り、未踏
の処女道を突き抜けた。飛び出たペン先が膣壁をつつき、激痛の中にひとしずくの快感を垂
らす。だがその程度では、脊椎を炙る激痛を紛らわせるにはまるで足りない。
「全部で二十本用意したから、足りない十本分はこれで我慢してね、みんな」
言って、文月がペンを掴んだ手をぐるりと回した。十本のボールペンが互いにぶつかり合い
ながら、膣の中をぐじゅぐじゅと抉る。
「い、ぎあぁああ! やっ、やめっ」
「はい、二回目」
今度は逆方向に手首が捻られる。跳ね上がる腰を香堂と柚子澤が押さえ込み、喉を反らし
て悲鳴をあげる様を逢坂が楽しげに記録する。
「やっ、やぁっ、いひゃあぁああっ」
真っ赤なノイズが白濁する世界に踊っているだけだ。開きっぱなしで閉じることもままならない
口から、ぼたぼたと涎がこぼれおちる。伸ばされた舌が宙で踊り、ろれつのあやしい悲鳴が迸
る。情けない惨めな姿だが、幸にはもうそれすらわからない。
「――はい、十回目」
いっそ優しげな声で、文月がそうつぶやく。事態を理解させようと一拍の間を置いて、幸の
反応を確かめた。
幸には文月の声は聞こえていない。ただ、ずっと膣を抉りこんでいた感覚がなくなったことに、
ほんの一瞬気をゆるめて文月を見た。これで終わったのかと、無言の安堵が視線に現れる。
文月は笑っていた。まさに、この一瞬を待っていたのだと言わんばかりに。
「そうれ!」
掛け声をあげて、鍵のかかったドアノブを無理に開けようとするように、文月は乱暴に激しく、
手首を往復させた。
――ぐちっ! ぐちゃあ! ぐちゅあぁっ!
「――ぁっ」
声が詰まる。音にならない。体を抉られる音が内側から聞こえる。おなかの中が燃えている。
炎が体中を巡っている。死ぬ。死んでしまう。死んでしまう!
「ああぁあああああ! や、も、もうやだ、いやだあぁああ!」
全身を暴れさせて、幸は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。今なにがどうなっているのかわ
からない。ただ、このままでは自分はどうにかなってしまう。ぼろぼろと涙をこぼして両手を振り
乱す幸を、香堂と柚子澤があわてて押さえ込む。文月が立ち上がって一歩下がると、二人も
幸から一旦離れた。
「やぁああ! も、もうやだ、やだよぉ! くんな! 来るなよお!」
自分の体を抱いて震える幸は、さっきまでとはまるで別人のようだ。つまらなそうに唾を吐い
て、柚子澤が股間のボールペンを蹴り上げた。
「んきゃあああっ」
「この程度で参らないでよ。本番はこれからなんだからさ」
言い捨てて、柚子澤は大股でトイレの奥へと向かっていく。不愉快そうなその背中をみやっ
て、香堂が軽く肩をすくめた。騒動の末に脱げてしまった幸のスリッパを拾って、仕切り直しだ
と言うようにパンパン、と打ち合わせる。
「四つんばいになりなさい」
そして、高みから見下ろすような声で言った。
「え……?」
「四つんばいに、なりなさい」
パンッ、とまたスリッパが音を立てる。「じょうおうさまですね」と逢坂が恐々つぶやいて、文月
が苦笑を返した。
もう逆らう気力もないのか、幸は言われるままに大理石の床に手と膝をついて、震えるお尻
を香堂に向けた。まくりあがっていたスカートが垂れて、白く丸い桃肉を覆う。肩越しに怯えた
視線をよこして、
「たた、くのかよ」
と涙まじりの声をあげた。
「それもするけど、今は違います。今は、あれ」
そう言って、香堂はトイレの奥、用具室から出て来た柚子澤を指で示した。幸がそちらに目
を向ける。――息を呑む音が、離れて立つ文月にまではっきりと聞こえた。
薄笑いを浮かべる柚子澤は、その手に長い、長い、水道のホースを握りしめていた。
「は、や、や、やだ! いやだぁあ!」
四つんばいの姿勢のまま、犬のように手足を振り乱して、幸は逃げ出した。覚えている。正し
く言えば思い出した。あれを肛門に突き刺して、おなかが膨れるまで水を注ぎ込んだのだ。ぼ
ろぼろ泣いて許しを請う柚子澤の顔を踏みつけたことも、幸ははっきりと思い出した。
記憶の中で、泣き叫ぶ柚子澤が自分と重なる。それは眼前まで迫った絶望的な未来だ。
「逃げないでくださいよ」
当然のように、逃げ道を香堂が塞ぐ。眼鏡を押し上げて、いつか彼女にそうしたように、頭を
踏みつけられた。大理石の滑らかな感触が頬いっぱいに広がって、それでも幸は手をばたば
たと暴れさせる。まるで駄々をこねる子供のような、不様な姿だった。
「ほら、尻あげてよ、尻」
まくりあげるのも面倒がって、柚子澤がスカートをズルリと引きずり下ろした。震える双臀とボ
ールペンが突き立ったままの陰部が晒される。十本のボールペンは血を滴らせて、強引に広
げられた膣は暴虐に喘ぐようにひくついている。
それでも柚子澤は、その光景を不憫に思うことも、痛々しいと感じることも、罪悪感を覚える
こともなかった。それは囚人の処刑を憐れむようなものだ。
潤滑液がわりにぬめる血液を掬い取って、肛門に塗りつける。その様子を見て、文月が手
洗い場から石鹸を持ってきた。軽く泡立てて塗りこむと、ぬるりと指が潜りこむ。これならば入り
そうだ。
「どのくらい耐えられるかな? どのくらいなら耐えられる?」
「むっ、無理、無理、無理! 無理だよぉ!」
「そんなことないよ。結構はいるもんだよ、ホースも水も!」
どうにか逃げようと左右に揺れる柔肉を掴んで、石鹸で白く泡立った窄まりに指をかける。小
さく悲鳴をあげて背を反らす幸に笑い声を投げかけて、柚子澤は親指を菊座に押し込んだ。
「ふぁっ! は、ぬ、ぬいて!」
「まだ入ってないものを、どうやって抜くっていうんだか」
爪の先から第一関節までを潜りこませると、鉤状に曲げた指を外側に引き寄せる。少女ゆえ
の柔らかさでぐにっと肛門まわりの肉がまるごと歪み、ピンク色の直腸壁が顔を出した。
「にわ子」
「はいはーい」
呼ばれて、逢坂がカメラを構えたまま小走りに駆け寄る。むき出しにされた排泄器官をアッ
プで撮って、「おおお」と感嘆の声をあげる。
「なんか、やっぱグロいですね」
「だってよ?」
「う、うぅ、やめて、もうやだよぉ……」
声をかけられても、涙をこぼすばかりで幸は何も答えない。これから何が起こるのかも、その
苦痛も、結末さえわかっているから、現実から逃げるくらいしか身を守る方法がないのだ。
「えっとー、えいっ」
そんな幸の最後の抵抗を笑うように、逢坂の人差し指と中指が、一気に震える肛門に突き
こまれた。中で二本の指をパタパタと振る。直腸を嬲られる感覚に、幸は悲鳴をあげた。
肛門は言うまでもなく排泄のための器官で、異物は自動的に外へ吐き出すように出来てい
る。その圧力すら愉しむように二本の指をわずかに前後させて、逢坂は柚子澤に倣うように、
二本の指をいっぱいに開いて、鉤状に曲げたそれを思い切り外側に引っ張った。
口を閉ざして震えていた肛門は、今や歪んだ三角形を作って腸壁を晒している。
冷気が内臓に直接触れて、幸の体を内側から冷やしていく。さっきからずっと目の前が真っ
赤で、視界がぐらぐらと揺れ続けている。きちんと前が見えないのは、泣いているからだけだろ
うか。幸ははもう、どうしたらいいのかわからなかった。どうすればこの状況を逃げれるのか、いく
ら考えても答えが出ない。こんなはずじゃない、こんなことになるはずはなかったのに。
いつの間にか幸の脇にしゃがみこんでいた文月が、にっこりと笑った。
「助かりたいの? 許して欲しいの? ごめんなさいって謝って、自分のしてきたことが最低で
馬鹿げたクズみたいな遊びだって、認められる?」
「はっ、は――」
不思議と、文月の言葉だけはいやによく聞こえた。視界さえ明瞭になる。
背後では柚子澤が開いた菊口に細めたホースの先をあてている。その感触を肌で感じて、
幸はガチガチと歯を鳴らした。
「この女学院であなたがしてきたことが、最低のことだって、言える?」
「はっ、はっ、はっ、はっ」
幸は初等部の頃からこんなことをしてきた。女学院での最大の楽しみは、間違いなくこれだ
った。それを否定するということは、彼女の十数年を否定するということだ。幸にはプライドがあ
る。元々、彼女は誇り高い人間なのだ。そんなことを、容易に認められるわけがない。いかに
心身ともに嬲られきって衰弱していても、迷う。
文月は、その迷いを知っていた。
「残念。幸崎さん謝るのは嫌だって。柚子澤さん、やっちゃいましょう」
「――えっ」
最後の、助かる唯一の機会を自ら棒に振ったことを知って、幸は愕然と声をあげた。縋れた
かもしれない藁が、流されて消えていく。その絶望は、幸の心にぽっかりと穴を空けた。
「ひぁあああっ!」
その穴を埋めようと、青いホースが首をもたげて潜りこむ。少しずつ数を増やされたボールペ
ンと違い、最初からある程度の太さを持つ太いホースの侵入は、幸の視界をまた赤い明滅で
埋め尽くすのに十分だった。
肛門が侵入する異物を押し返そうと蠢きはじめるが、最初から広げられた穴では十分な働き
ができない。分厚いゴムの管は狭い道のりをぐにぐにと押し広げながら、五、六センチばかりも
潜り込んだ。
「このくらいなら、抜けないかな」
言って、柚子澤が親指を引き抜く。それを見て逢坂も指を抜いた。途端に肛門が口を閉ざ
し、わずかにホースが押し出されるが、これほどの長さを吐き出せるほどの力はない。
「幸崎さん、いきんでみたら? 出るかもしれないわよ」
「ふ、ん、んー! ん――――!」
言われて、幸は必死になって括約筋に力をこめた。ひくひくと肛門が震え、菊皺がわずかに
広がって捲くり返る。だが、そんなことでホースを排出できるはずもない。
「ほんとにやってるよ」
「馬鹿っぽいですよぉ、先輩」
背後で笑われて、幸は大理石の床に顔を押しつけた。もういやだ。もういやだ。今すぐここか
ら逃げ出したい。どうしてこんな目に遭うんだ。おかしい。おかしいじゃないか。
「それじゃあ柚子澤さん。注水といきましょう」
「まっ――待って! いや、それは嫌、やだ!」
「そりゃあ嫌だろうなあ。私も嫌だったよ」
笑いながら、柚子澤がホースの根元、トイレの奥に歩いていく。文月が立ち上がって、ゆっく
りとした足取りで幸の背後に回った。肛門を押さえる必要のなくなった逢坂が、一歩退いてカ
メラを構え直す。
「ねえ幸さん。さっきの質問だけど」
水道の栓が開かれ、ホースの内側を水道水が走りだす。シャアアッ、と滑らかに響く音に幸
が身を竦めるが、その瞬間はやってこない。
文月が足で踏みつけていた。あれならば、そこで水は止まりここまでやってこない。蛇口も全開
にしているわけではないのだろう。水のたまりも遅いようだ。
「今なら答えられるんじゃない? あなたのしてきたことを、あなたの十年間を、あなたの口で否
定してちょうだい」
「……あ、ああ、」
さっきは見逃した救いの藁が、今またそこに漂っている。それは幸のアイデンティティに関わ
ることかもしれない。それでも、この場から逃れられるのなら、なんだって構わない。
顔を前に戻す。香堂は一歩も動かずそこにいる。逃げようとしても無駄だろうし、元からそん
な体力はない。幸の膣には、まだボールペンが十本も群れを作っているのだ。
もう一度肩越しに振り返って、幸は涙でぐしゃぐしゃの顔を更に歪ませた。
文月の足によって止められている水が、ホースを内側から押し広げている。ホースの膨らみ
はそのまま、幸にとっての絶望の量だ。水圧でホースが揺れるのを見てとって、幸は一度唇を
噛み締めてから、
「みとめる、」
と、つぶやいた。
「何を、どう、認めるの。もっとはっきり言いなさい」
冷たい声は香堂のものだ。幸は震えながら、肺の中身を全て音にするように、悲鳴じみた宣
誓を行った。
「アタシがしてきたことは、馬鹿で下種な最低の遊びだった! 本当に――本当にそう思う!
ごめんなさい! もうしません! だから許して! もう許してください!」
ガクガクと震えながら、顔中を涙で濡らして、それでも幸は言い切った。それはこの場の全員
が望んでいた謝罪だ。普通の方法では決して得られなかっただろう、幸崎幸の懺悔だ。
満足したように、文月は微笑んだ。他の二人も、胸につかえていたものが少しは取れたよう
に、小さく頷く。
「そう。わかったわ、幸崎さん」
「あ……」
安堵に、幸が震える笑みを浮かべる。儚いその笑顔を見て、
「それじゃあ、お仕置きね」
文月は微笑みを浮かべたまま、ホースを踏みつけていた足をあげた。
「え」
散々せき止められていたものを解放されて、鉄砲水が弾け飛ぶ。垂れていたホースを水圧と
衝撃で跳ねさせるその勢いのまま、幸の腸内へ一挙になだれ込んだ。
「ひゃああぁああああ―――――ッ!」
普通に生きていればまず経験しない直腸への逆流に、幸は背を仰け反らせて悲鳴をあげた。
冷たい。異物感などは二の次だ。腹の奥まで流し込まれる冷水の低すぎる温度だけが、幸の
感覚の全てだった。
「このまま、逆側からお腹いっぱいにしてあげるよ」
用具室から出て来た柚子澤が、笑いながらそう言った。
「なんで! な、ひゃあぅっ、なんれ、なんでだよぉ! あやまっひゃのに、あ、アタ、アタシ、ちゃ
んとあやまったのにぃ!」
バンバンと大理石の床を叩いて、幸が吠える。耳元では大量の水が胃に逆流する音が聞こ
えている。もちろん本当にそんな音が鳴っているわけではない。全て幻聴だ。
だが今の幸にとって、その恐怖は現実だった。
「謝ったわね。そうすれば許すなんて、誰が言ったの?」
音が、今度は本当に響いている。腸の柔壁を盛大に叩かれて、ビクリビクリと白い尻が跳ねる。
薄く張られた漿膜を乱暴に撫でながら、漿液と交じり合ってS字結腸にまで達し、溢れかえっ
て踊っている。
「う、うあ、ひゃっ、ああ、う、うそつき、うそつき、うそつきぃ……!」
なんてつまらない手に引っかかったのだろう。騙した文月も、騙された自分のことも許せな
い。
心を奮い立たせることはもうできない。違う誰かをいたぶることすらもうできないだろう。今日こ
の日が、この宣誓が、永遠に幸につきまとう。誰かを嬲る喜びは、幸の中から消えたのだ。虐
げられる立場に転落し、そこから這い上がる唯一の方法すら奪われた。
幸にはもう、戦う気力がない。
「うああああ! もうやだ! や、ふぁあっ、つ、冷たいよぉ、ぬいて、もうやめてよぉ!」
「って言ってるけど、どうする?」
「あ、じゃあ、そろそろ私いいですか?」
スリッパを掲げて、香堂が言った。微笑んで、文月が位置取りを交換する。逢坂が「すぱん
きんぐっていうんですよね!」と無邪気に声をあげた。
「おなか、苦しくないですか」
「う、うひっ、ひぅ、ふ、ふ、」
苦しくないはずがない。柚子澤が調節しているのか、水の勢いは収まってきてはいたが、そ
んなものは気休めにしかならない。下腹部は妊婦のように膨らみ、大量の水が腸壁を押し広
げている。冷え切った腹部が激痛を訴え、ぐるぐると不穏な響きまで立てはじめた。体を丸め
て耐えているが、決壊はそう遠くないだろう。
「苦しいですよね? うん、そうですか。よかったです」
そこで、放水は止められた。ホースを生やした肛門付近に水がにじんでいる。逆流してきた
のだろうか、と香堂は考えて、どちらが逆流なのかわからずに苦笑した。
「それじゃあ、我慢してくださいね。私、汚れたくないので」
ひゅうん、と風切り音を立ててスリッパを振る。震える柔尻に一度スリッパを優しくあてて、そ
れから思い切り振りかぶった。
「一発目!」
ぱあん! と景気のいい音が響く。びくん、と幸の背が跳ねて、すぐにまた身を丸める元の姿
勢に戻る。それを見て、香堂は遠慮なく二発目を打った。
「くぅあっ! あ、ふ、ふぁっ! ぎぅっ!」
ぱあん、ぱあん、と音が鳴るたびに桃尻がふるんふるんと跳ね回り、繋がっているホースが踊
る。性器に潜りこんだままのボールペンがカチャカチャと音を立てて、しぶとく伝う処女血が床
に雫を落とした。
「まだ! まだ! 我慢! するんです、よ!」
幸の尻はあっという間に真っ赤になってしまった。香堂はわざわざ左右叩き分けて、休まず
に腕を振る。呻き声をあげ、打擲のたびに体を跳ねさせながら、それでも幸は懸命に肛門を
締め付けた。そんなことに意味はないと知っていても。
「香堂先輩、過激ですねえ」
「お前はやらなくていいの?」
いつの間にか用具室から戻っていた柚子澤が、香堂のスパンキングを楽しげに眺めてそう
言った。ちらりと視線を投げて、逢坂はふるふると首を振った。
「おもらしの仕返しは、もうしましたからねー」
「なるほど」
ばあん! と一際大きな音が響いて、幸の小さな体が、上半身が起き上がるほど弾んだ。何
事かと思えば、香堂がスリッパを肛門に直接たたきつけたらしい。ぷぴっ、という下品な音を立
てて、水が数滴散るのが見えた。
息を切らせて、香堂が体を横にずらす。いざ決壊するとなった時に、足にかぶったりしたら最
悪だ。スリッパを、わざわざ幸の顔にあたるように投げ捨てる。
文月はその様子を見て、一度全員を見返った。腕を組んで笑みを浮かべる柚子澤。わずか
に頬を上気させ、息を整えている香堂。カメラを構えて、にこにこと笑う逢坂。そして、今も体を
丸めたまま、震えて便意に耐える幸崎。
「……みんな、いいかしら」
授業時間もそろそろ終わりだ。全員が顔を見合わせて、一様に頷く。文月は頷き返して、足
もとの幸に目を向けた。
「立って」
「む、り」
「今度は本当に、これで許してあげる。だから立って」
「……う、ぐ……」
文月の言葉を信用したわけではないが、どちらにせよ従わなければいけないことに違いはな
い。幸はおなかを押さえて、ふらふらと立ち上がった。
「小さい方からはじまったから、大きい方でおわらせるの。楽しいでしょう?」
「ゆ、ゆるして、くれるっ、て」
「うん。今からいうことをちゃんとできたらね」
文月はまず制服を指さして「脱いで」と簡潔に命令した。
「う……」
「股間からペン生やして、今更でしょ。間に合わなくなっちゃうわよ」
震える手で、幸は制服を脱ぎはじめた。腹痛を堪えてのことだからいちいち動きが遅い。だ
が幸にしてみれば、これは本当に最後のチャンスなのだ。今更と言うならばそれこそ今更だが、
それでも幸は従わないわけにはいかなかった。
ほどなく、幸は下着も脱ぎさって裸になった。局部を隠す余裕などない。慎ましい胸と桜色
の乳首を見て、文月は少しだけそこを責めなかったことを残念に思った。
制服と下着を受け取って、微笑む。幸は動こうとしない。許されるのを待っているのだ。勝手
に判断してトイレに駆け込まない程度には、この数十分で『調教』されていた。
「それじゃあ幸崎さん。今日何をされたかはわかるわよね。みんな、やられたことをやり返した。
そうよね?」
「……」
聞かれても、幸に答える気力は残っていない。ただ頷くだけだ。
文月はそれで満足なのか、頷き返して、それから、
「でも、私は、まだよね」
うっすらと、心臓まで凍るような笑顔を浮かべた。
「え……」
「私にしたこと、覚えてる? 伊勢宮さんじゃなくて、あなたが、したことよ」
「……」
幸は腹痛に占領されそうになる頭をひっくり返して、必死で思い出そうとした。文月にしたこ
と。幸が、文月にしたこと。いくらでもありそうな気がしたが、そう多くはない。裸にして、写真を
撮って、性器を嬲っていたのは伊勢宮だから――
「あ」
――そして、その答えにたどり着く。わかってみれば簡単だった。幸はほとんど、それだけを
文月に与えたのだ。
「ま、って」
もうずっと震えている声で、なんとか制止の言葉を紡いだ。だがそれがなんだというのだろう。
「それじゃあ、いくわね」
笑顔のままだった。文月は笑顔のまま、足を振り上げた。
限界だった。
「せーの!」
掛け声とともに、文月の細い脚が風を切ってしなり、幸の膨れ上がった下腹部をしたたかに
蹴りつけた。
水の詰まった袋を蹴ったような、ぼすっ、という鈍い音が響く。体をくの字に折って、幸は呼
吸を止めた。時間さえそれで止まればと、刹那の感激に叶わない願いを祈る。
だが、腹部から迸る衝撃は、それすら許さない。
「ふ、あ、あああああああああああああああっ!」
決壊は一瞬だった。
今まで誰も聞いたことがないような凄まじい放出音と共に、まずホースそのものが吐き出され
た。噴出した水が後を追って大理石の床を叩く。それはまだ透明な水道水だ。がくがくと震え
る足を伝い水溜りを作りながら、おそろしく遠くまで飛沫を飛ばす。文月を含め、全員が幸か
ら距離をとった。
水の勢いが弱まりはじめると、幸の腹から唸り声のような異様な音が響きはじめた。激しく首
を振ってその瞬間を拒否しようとするが、そんなことをしても何の意味もない。
激流が腸を駆け抜けるのを、幸ははっきりと感じ取った。それは氷のように冷え切っていなが
ら同時に体を焼き尽くす灼熱で、下腹部をぐるりと巡りながら腹の内側を蹂躙する。激しすぎ
る通過に腸壁が悲鳴をあげ、一センチも広がった肛門がべろりと裏側まで捲くれてビクビクと
痙攣する。
そうして、何かが爆発したのかと思うような、ばん! という音と共に、茶色の液体が幸の肛
門から噴出した。
「うああああっ、ああ、あっ、ああああああああああっ」
ばじゅっ、ぶりゅ、ぶじゅっ、と、聞くだけ吐き気を催すような汚らわしい音が、磨き上げられた
大理石を穢していく。水溜りの上に降り注ぐ赤茶色の液便はあっという間に透明な水道水を
汚水に変えてしまった。
「きたない……」
ぼそりと、香堂がつぶやいた。
「いや、いやあ、やだあああああっ」
立っているのも辛いのだろう、幸の体が沈みかけたが、その下は便の海だ。震える足をどうに
か叱咤して、無理矢理にでも中腰を維持する。
「あ、あ、うそ、ち、ちがっ、ふあぁああっ」
排便が促したのか、あれほど出したというのに、ボールペンの林立する股間から黄色い飛沫
が飛び散った。びしゃびしゃとふたつめの尿だまりが出来上がる様を見て、四人が小さく吐息
をつく。
「これは予想外ね」
「おもしろい絵が撮れましたよー」
ぶびゅるっ、という放射音を最後に、幸の放便は終わった。震えながらも最後まで立ち続け
た幸は、大きく息をついてよろよろと体を起こした。
「お、わり……?」
真っ赤になった目を向けてそう言う幸に、文月は頷いた。
「ええ。後片付けをしておしまいよ。もう授業も終わる。……みんな、おつかれさま」
「いや、私だけじゃ、とてもここまでできなかった」
「そうですね……やっぱり、あまりいい気分ではないですけど、気は晴れました」
「この映像は責任を持ってネットに流しますよー」
最後の言葉に幸がかすかに震えたが、抗議の声はあげなかった。今日のはじまりを思えば、
それは当然の結末だ。
言われて、幸はふらふらと視線をそれに合わせた。笑顔の文月が突き出しているのは、幸の
制服だ。
……幸の制服だった。
「ぞう、きん?」
「そう、雑巾」
そう言って、文月は当たり前のように、制服一式をまるごと、糞尿の海に投げ捨てた。びちゃ
り、と音をたてて上質の布地が水没し、雫が跳ねる。制服はあっという間に水と尿と便とを吸
い込んだ。
「……あ、あ」
呆然としたまま、幸は動けない。そんな彼女を尻目に、一行はぞろぞろと出口に向かう。
「おわったー、つかれたなあ」
「みんな、幸崎さんの他には誰かいましたか?」
「あたしの時は知らない先輩がいました。髪が長いの」
「ああ、月小路さんね。彼女は私もはじめてみたわ……あ、ごめん、みんな先に行ってて」
文月だけが集団から外れて、用具室へと戻る。手に何かプレートのようなものを持って、糞
尿溜まりを避けながら呆然とする幸の前を通り過ぎる。他の三人がトイレを出たことを確かめて、
幸に小さく、囁くように声をかけた。
「幸崎さん、ひとつだけ、教えてあげる」
「え……?」
ふらり、と顔をあげる幸に、文月はにっこりと微笑んだ。彼女が微笑む時は、大抵ろくなこと
を言わない。文月自身ですら、そう思っている。
「最近、チェーンメールが、多かったんじゃない?」
一語一語区切るような言い方で、文月はそう告げた。
幸は不可解そうな顔から、ほんの数秒で愕然と瞠目して、小さく呻き声をあげた。
「幸崎さん、賢いのね。でも、これからは気をつけてね。携帯電話にも、ウイルスってあるのよ」
取り出してみせた文月自身の携帯電話をくるりと回す。この事態の元凶となった画像流出、
その証拠が全て詰まっているかもしれないそれを、文月はあっさりと叩き折った。
「それじゃあ、さようなら」
優雅な足取りでトイレを出て行く。足もとに転がる操作盤と液晶を呆然と見つめて、幸はとう
とう、膝を折った。
■■■
「なにしてたんだ?」
「あ、待っててくれたのね」
文月は微笑んで、トイレの扉に『清掃中』と書かれたプレートをぶら下げた。納得したように
頷く三人に微笑んで、響きはじめた授業終了のクラシックに天井を見上げる。
「……それじゃあ、教室に戻りましょうか」
「そうだね。おつかれさん」
「また連絡しますね」
「有瀬先輩、あとでアップロードのこと教えてください」
「いいわよ」
三人がそれぞれの教室に向かって立ち去って行く。無人の廊下を歩く様子は少し目立って
いるが、すぐに廊下に溢れ出る生徒たちが、不自然に集まっていた彼女らをあっという間に飲
み込んでしまう。まだ曲は終わっていないのに、気の早いことだ。
「うん、ちょうどいい時間――」
防音性の高い扉の向こうから、悲鳴のような、泣き声のような絶叫が聞こえた気がしたが、
「――予定どおりね」
響くクラシックにかき消されて、誰の耳にも届かなかった。
んじゃつづき書いてくる。
あと、すごい遅筆で申し訳ない…
描写がしつこ過ぎず淡白でもなく、巧いなあ
次は月小路かな? どんな方法でどうなるのか楽しみにしてます
この分量とペースで遅筆だなんてとんでもない!
いつまでも待ってるのでゆっくり気が済むまで書いてください
正直、ここまでの大作が見れるとは思わんかった
次回も楽しみにしています。
いじめの鬱憤を晴らすカタルシスが素晴らしい
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「【エロ小説・SS】超上流階級のお嬢様しかいない女子高に転入したら想像以上のイジメが待ってた・・・3発目」終わり
なんかおもろいやつやらなんやら
な、なんやこれ?
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名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!
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ななっし 2018年01月25日 02:18:53
これは名作ですわ、おもいっきりのめり込んで読んでしまいましたよ。いじめで全てを失った人の復讐ほど怖いものはないですねぇ
紳士な名無しさん 2018年01月25日 10:00:36
続きが待ち遠しい
紳士な名無しさん 2018年01月25日 18:05:37
胸糞じゃなくてスッキリするいじめSS…
最高…
紳士な名無しさん 2018年01月25日 19:15:27
スマホから見ようとすると勝手にトップに戻ってしまって見れないんだが…