姉が母で母が姉で。
世にも奇妙なあれ的な話でちょっとゾワゾワした。
■所要時間:10分 ■約5946文字
アブっぽいやつ寄ってく?
「【エロ小説・SS】大好きな姉さんから聞かされた真実のお話」開始
『誠二、おかえりなさい』
姉さんの声が聞こえる。
暖かくて、包み込まれる声。
でも普段聞いている声とはどこかちがう。なんだろう。
『もう。十ヶ月も目の届かない場所にいたなんて・・・・・・
これからは私のそばから離れちゃだめよ』
・・・・・・?おかしい。
記憶にある限りでは、学校行事を含めても姉さんから
一週間以上離れていたことはない。
『でも、大丈夫。
私とあなたの間には強い絆があるから。
誰もそれを引き裂くことなんて出来ないわ。
これからは、ずっと一緒よ――』
声が遠ざかり、光が射してくる。
この感じは――夢だ。
どおりで姉さんの声が子供っぽく聞こえるわけだ。
「誠二ー! 朝よー! 起きなさーい!」
あれ?いきなり大人っぽくなった?
・・・・・・違うか。この声は昨晩おやすみの挨拶をしたときと同じ声。
今年27才になった姉さんの『現在』の声だ。
からっぽの頭に無理やり意識を詰め込む。
目を開けると、姉さんの顔が目の前にあった。
「おはよ。清子姉さん」
僕が上体を起こすか、姉さんが顔を下ろせばすぐにキスできる距離。
さらに腕をがっちりホールドされている。逃亡不可能。
「姉さん・・・・・・今日は上から? 右から? それとも左?」
「さぁ? わかっちゃったら面白くないでしょう・・・・・・? こ・う・い・う・こ・と・は」
ゆっくりとした動きで体を摺り寄せてくる。胸のあたりに柔らかい、ふくよかな感触がある。
その感触は姉さんの動きに合わせて変幻自在に形を変える。
「無理やりは反則だからね」
「あら残念。私は無理やりも結構好きなんだけどなぁ・・・・・・」
潤んだ瞳で僕の目を見つめてくる。
「そんな目をしてもだめ。それより、今日はいつもより時間をかけてやってもらうからね」
「じゃあ、私はあったかいものをいっぱいいただこうかしら・・・・・・」
そう言って姉さんは目を閉じる。目を閉じたまま顔を近づけてくる。
僕はそれに対して――
すぐさま右に首を曲げて、姉さんの唇を避けた。
「ちっ!今日はそっちだったか!今日こそはと思っていたのに・・・・・・」
「はい、僕の勝ち~。じゃあ今日のご飯当番は姉さんだね。よろしく。」
しぶしぶうなづいて姉さんは僕の体の上からどいた。
しかし、部屋を出て行くことなく僕の方を見つめている。
「・・・・・・なに?姉さん」
「うふふ。うふふふふ。せいじくぅん? それは何っかな?」
「へ?・・・・・・だぁわぁぁぁぁぁ!」
姉さんは僕の――生理現象&さっきのやりとりで大きくなってしまった――股間を見つめていた。
「お姉ちゃんに欲情して劣情を抱いてソコが感情を爆発させてしまったのね?」
「でてけぇぇぇ!」
「照れなくてもいいのに・・・・・・『全部』、知ってるんだから。
じゃあ、早く来てね。今日はいつもより手の込んだ料理作るから!」
怪しい笑みを浮かべて、姉さんは台所に向かった。
なぜかいつもよりご機嫌だった。
スーツを着た姉さんが部屋に入ってきた。
「姉さん。今日は編集部で打ち合わせ?」
「ええ。ついさっき電話があってね。・・・・・・まったく。今日は大事な日だって言うのに」
なにやら苦々しい表情をしている。最後に言った言葉はよく聞こえなかった。
「それでね誠二。今日ね・・・・・・より道しないで早く帰ってきて欲しいんだけど」
「? 今日なにかあったっけ?」
「え? 今日何の日か覚えてないの?」
本気で驚いている。そう言われても・・・・・・姉さんの誕生日はこの間祝ったし。
今日は学校があるんだから祝日でもないはずだ。
「いえ、思い出せないならいいのよ。それで、早く帰ってきてくれる?」
「うん。いいよ。今日は誰とも会う約束してないし」
僕の返事を聞くと、姉さんは嬉しそうな顔で部屋を出て行った。
・
・
・
学校での生活を普段どおりに送って家に帰ってきたら、姉さんが笑顔で迎えてくれた。
「誠二! おかえりなさい! さぁさぁ早く上がって! お祝いしましょ!」
「え、ちょ、ちょっと待って! なんのお祝いなのさ!」
「入ればわかるわよ! ほらほら歩いた歩いた!」
姉さんに背中を押されて居間に入ると、朝食以上に力の入っている料理が
テーブルの上にところ狭しと並べられていた。
「うふふ。どう? お姉ちゃん頑張ったのよ」
「すごい量だね、これは・・・・・・それで今日は一体何の・・・・・・って、あっ!」
壁にかけてあるカレンダーにはこう書いてあった。
『1月30日
誠二19才の誕生日』
「そっか。今日は僕の誕生日だったんだ・・・・・・全然思い出せなかった」
「そういうこと。さ、座って。お祝いしましょ」
「う、うん・・・・・・」
姉さんの笑顔を見ていたら反論するのを忘れてしまった。
――僕、まだ18なんだけど。
でも、毎年姉さんは僕の年齢に一を足して数えている。
だからいつものことだと思って姉さんとの誕生パーティーを楽しむことにした。
その余韻に浸っていると、姉さんがアルバム写真とデジタルカメラを持ってきた。
「じゃあ早速、19才になった誠二の写真を撮ることにしましょうか」
「姉さん。僕はまだ18才・・・・・・」
「誠二。笑って笑ってー。お姉ちゃんが夜這いかけてきたと想像してー」
『カシャッ』
デジタルカメラがフラッシュを放ち、僕の姿を写真におさめた。
いきなり撮られたからどんな顔をしていたか分からない。
できたらもう一度撮り直してほしいところだが――
「うん。よく撮れてる。じゃあ待っててね。すぐに印刷してくるから!」
せっかちなカメラマンの姉さんはそう言い残すとすぐに居間から出て行った。
あとには僕一人が残された。
手持ちぶさたになったので、アルバムを開く。
中身は全部僕の写真で埋め尽くされている。
ほんと、姉さんは几帳面だな・・・・・・僕が赤ん坊のころからずっと続けているなんて。
一番最初の写真はどれだろう。一番最初のページの左上の写真。これだな。
日付は・・・・・・
『1988.2.18』
あれ?
確か僕の生まれた年は1989年のはずだ。
不審に思い、写真を裏返したらこんな文章が書いてあった。
『やったやったやったやった!
私の弟が家に来てくれた! お母さんありがとう!』
私の弟、ということはこれを書いたのは姉さんだな。
ん?ということはやっぱり僕は1988年生まれで、今日19才になったってことなのか?
次の写真を見てみると、また赤ん坊の写真だった。今度は
『1989.2.19』と右下に印刷されている。
写真の裏にはこう書いてある。
『ようやく誠二が家に帰ってきてくれた。
もう離さないからね。誠二』
一年も経っていればもう少し成長しているはずだ。
もしかして成長が遅い病気?・・・・・・いや、それはないだろう。
もしそうなら僕は同年代の皆と同じ体格をしていないはずだ。
だとすると、この『1988年』生まれの赤ん坊と
『1989年』生まれの赤ん坊は別人ということになる。
それはつまり。
「僕が・・・・・・『誠二』が二人いる・・・・・・?」
頭が混乱する。どうなっているんだ?僕の誕生日は?・・・・・・1月30日だ。
じゃあ生まれた年は?・・・・・・1989年だ。
でも、本当にそうなのか?
今まで何度誕生日を迎えたんだ?18回?19回?
だめだ。小さい頃の記憶なんてまったくない。
僕にはわからない。誰か他に知っている人は・・・・・・
「お待たせー。いい写真ができたわよー」
・・・・・・居た。姉さんだ。姉さんに聞けば分かるはずだ。
「ね、ねえさん・・・・・・この写真のことなんだけど・・・・・・」
「え?ああ、誠二が『この家に初めて来た日』と『ひさしぶりに帰ってきた日』の写真よ。
本当、嬉しかったわ。特に帰ってきてくれた日なんか親戚みんなが集まっちゃって」
――この写真を見て、おかしいと思っていないのか?
「ひさしぶりに帰ってきたって・・・・・・僕はどこに行ってたのさ?」
僕のこの質問に対して姉さんは、
「え?そんなことも忘れちゃったの?
あなたは十ヶ月くらい、私のおなかの中にいたのよ」
とても嬉しそうな表情で答えた。
よく思い出せ。姉さんは今なんて言った?
『あなたは私のおなかの中にいたのよ』
姉さんの、おなかの中にいた・・・・・・?僕が?
「忘れてても無理ないか・・・・・・居なくなったとき、まだ誠二は0才だったものね」
僕は0才のときにいなくなった・・・・・・
「せっかくだから教えてあげる。誠二が居なくなったあの日、家に強盗が入ったの。
そんなときに限ってお父さんが運悪く居なくって、体調を崩してたお母さんと誠二が襲われた」
僕と母さんが襲われた・・・・・・
「ちょうどそのときに帰ってきた私が見たのは、血に濡れたナイフを持った強盗と、
血を流して倒れてるお母さんと誠二の姿だった。
その後は私も殴られて気絶してしまったから、二人を助けることが出来なかった」
じゃあ、僕は一度死んでいた・・・・・・?
「その後は本当に生き地獄だったわ。お母さんはいない。誠二もいない。
何にも食べられなくなったし、何もしようと思わなかった。
あのころ、私が何をしていたかなんて全く記憶に無いわ」
やっぱり、僕は死んで・・・・・・
「でも、ある日おなかに違和感を感じたから親戚のおばさんと一緒に病院へ行ったの。
そしたらね! 私のおなかの中に子供がいるって言われたの! 私は確信したわ。
『誠二はやっぱり生きていた。生き残るために私の中に避難してたんだ』って!」
でも、実は生きていて姉さんの中に・・・・・・?
「それから、周りの人間たちの反対を押し切って私は・・・・・・あなたにようやく再会したの。
十ヶ月ぶりに見るあなたはあのときのままで、本当に嬉しかった」
頭がさらに混乱する。僕は死んだけど、実は生きていた。
いや、ちがう。死人は甦ったりしない。そんなことはありえない。
ということはつまり。
「・・・・・・僕は二人目の『誠二』・・・・・・」
清子姉さんは『姉』じゃなくて『母』だった。
姉さ・・・・・・じゃなくて、母さん?ずっと、物心ついたときから一緒にいた女性が母さん?
つまり、この人は。
「僕をずっと、騙していたんだね・・・・・・」
「騙していた? 何のことを言ってるの?」
「ね、――清子さんが! 僕を産んだってことだよ!」
「違うわよ。あなたは強盗から逃げるために私のおなかに避難した。
そしてもう安全だと思ったから、私に会いたいと思ったからおなかから出てきた。
『出産』じゃないわ。『再開』よ」
いつもと何も変わらない話し方だ。
自分の言っていることに何の疑問も持っていない。この人は。
「あなたは私の弟よ。1988年1月30日生まれ。19才。
父親の名前は一誠。母親の名前はみどり。姉の名前は清子。
好きな人はお姉ちゃん。好きな食べ物はお姉ちゃんの作る料理。
将来の夢は、お姉ちゃんのお婿さんになること」
「うそだ・・・・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だっ! 全部嘘に決まってる!」
こんなの、嘘だ。
僕の母さんは居ない。清子さんは姉さんだから母さんじゃない。
でも、清子さんは姉さんじゃない。僕を産んだんだから母さん・・・・・・?
「朝起きて最初に考えることはお姉ちゃんのこと。
学校で考えることはお姉ちゃんのこと。
寝ているときに見るのはお姉ちゃんと結ばれる夢」
じゃあ、目の前にいる女の人は誰だ?母さんでも、姉さんでもない『家族』。
この女の人は、誰なんだ?
誰なんだよ!あなたは一体僕の何なんだ!
「私はあなたの『姉』。実の『姉』。
そして、あなたの全てを知っている人間。
だから――あなたの全ては私のもの」
わけがわからない。目が回る。吐きそうだ。
もう、立っていられない――――――
・
・
「おはよう。誠二」
「おはよう。姉さん」
「誠二。今日の朝――んンッ?!」
「ん・・・、ふぁ・・・ねえ、さん・・・・・・」
「ちゅ・・・んはあ、せいじぃ・・・・・・んちゅ・・・・・・」
「ん・・・・・・ぷはぁ。今日も僕の負けだね」
「もう・・・・・・いきなりするのは反則よ」
「だって、姉さんの顔を見てたら我慢できなくてさ。
だから・・・・・・」
「あら。嬉しいこと言ってくれるじゃない。
じゃあ、私も今日はいつもより激しくしてあ・げ・る」
・
・
・
「ねえ、誠二?」
「なに?姉さん」
「私はあなたの『なに』?」
「そんなの決まってる。
最愛の『姉』にして、僕の生涯の伴侶さ」
「んふふ。いい子ね。
そんないい子の誠二くんには、
一日中一緒に寝てあげるご褒美をあげます」
「ありがとう・・・・・・姉さん。愛してる」
「私もよ・・・・・・誠二」
僕たちは、姉弟だ。
『ヤンデレ』のキーワードに反応して、書いてしまいました。
もし破綻している部分があったら・・・・・・存分にお叱りください。
GJです。待っていた甲斐がありました、ご馳走様でした。
ところで父親が気になります。8歳での妊娠は不可能ではないといえね。
GJ!
こういう病み方も(・∀・)イイ!!
「【エロ小説・SS】大好きな姉さんから聞かされた真実のお話」終わり
なんかおもろいやつやらなんやら
な、なんやこれ?
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Ryufu Boson 2016年03月16日 03:44:56
奇妙ですなー(^ω^)