■【エロ小説・SS】超上流階級のお嬢様しかいない女子高に転入したら想像以上のイジメが待ってた・・・5発目
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    月小路編ついに決着。
    このパートのシコリティの高さは異常w
    読み手が一番嫌悪感を抱いてる幸崎幸はスカってさせる為徹底的に。
    月小路ちゃんはシコパート要因という使い分けが天才的すぎる・・・
    ■所要時間20分 ■約14517文字

    【エロ小説・SS】超上流階級のお嬢様しかいない女子高に転入したら想像以上のイジメが待ってた・・・5発目

    【エロ小説・SS】超上流階級のお嬢様しかいない女子高に転入したら想像以上のイジメが待ってた・・・5発目


    「【エロ小説・SS】超上流階級のお嬢様しかいない女子高に転入したら想像以上のイジメが待ってた・・・5発目」開始

    【陰湿】レズいじめ【ドロドロ】より


    213: 女学院復讐SS5 1/12 2009/08/06(木) 22:36:25 ID:q8ArZmAf
     ベヒシュタイン製のグランドピアノは、さすがに丁寧に磨き上げられていた。光沢を放つ鍵盤
    蓋は覗き込めば表情さえ映りこむほどだ。
     今そこには、嗜虐の愉悦と、被虐の恐怖と、二種類の感情が浮かび上がっている。
    「え、演奏会……?」
     下半身がむき出しになるまで切り裂かれたズタズタのワンピースだけをまとった格好で、月小
    路妃美歌は震える声をあげた。住み慣れた自室の座り慣れたピアノ。だというのに、まるで異
    次元にでも放り込まれたような気分だった。
     部屋の中には月小路の他に三人の生徒がいて、全員が敵だ。恐怖に潰されそうになるのも、
    無理はない。
     月小路の目の前で微笑む有瀬文月が、楽しそうにうなずいた。
    「そう、演奏会。せっかく月小路さんがいて、ピアノがあるんですもの、弾いてもらわないと損じ
    ゃない?」
    「……」
     ピアノは月小路の最大の誇りであり、唯一のよりどころだ。これを失ったら、月小路はどこにも
    いけない。たとえば今、指を一本でも切り落とされたら、それだけで月小路妃美歌という人間
    は終わる。そうして目の前のこの女は、その程度のことならばたやすくやってのけるだろう。
    「ん、いやなの?」
     だが、断ることは出来ない。状況が許さないし、なにより恐ろしい。同い年の文月のことが、
    心の底から怖い。
    「ひ、弾くよ」
    「そう? つらいならやめてもいいのよ」
    「弾く」
     首を振って、月小路は断言した。重い鍵盤蓋を自ら押し上げ、並ぶ黒白の鍵盤に指を添
    える。
    「何を、弾けばいいんだ」
    「譜面は必要?」
    「ものによるけど……」
     文月は口元に手をあてて数秒考えると、ピアノに背を向けて鞄の中を漁りはじめた。月小路
    をいたぶるためだけに用意したという道具の数々が、あの中にはおさめられているはずだ。
    「私はよくわからないんだけど、月小路さんが一番得意なのって、なに?」
    「……」
     言われて、月小路はほんの少しだけ黙った。小学校の頃から今まで、繰り返し奏でてきた無
    数のメロディーが脳内をめぐる。
     答えはすぐに出た。
    「……月光」
    「月光?」
     顔をあげて、文月が繰り返す。カメラを構える逢坂が、ぱちくりと目を瞬かせた。
    「ベートーベンですよ」
    「ああ……柚子澤さん、知ってる?」
    「有名な曲だよ。ピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27の2『幻想曲風に』。知らない?」
    「詳しいのね」
     鞄の中からコードのようなものを引きずり出しながら、文月が感心したようにつぶやいた。当
    の柚子澤は心外そうに肩をすくめて、
    「そりゃ、私もピアノはやってるしね」
     と、月小路に視線を向けながらそう言った。
    「そうなの?」
    「それは意外ですねー」

    214: 女学院復讐SS5 2/12 2009/08/06(木) 22:37:14 ID:q8ArZmAf
    「にわ子、どういう意味?」
     柚子澤が引きつった笑顔を浮かべて一歩進み出ると、逢坂が乾いた笑いを漏らして二歩
    下がる。無意味に緊迫した空気が室内の温度を下げていく。
    「遊んでないで手伝って」
     呆れたような声に、二人はそろって文月の方を振り向いた。ようやっと鞄の中から目的の器
    具を取り出したらしい。
     それは両手で抱えられるほどの大きな機械だった。L字型の本体にはいくつかのボタンと液
    晶が備えられていて、なにやら物々しい印象を受ける。そこから細いコードが四本伸びて、辿
    った先には楕円状の平べったいパッドのようなものが繋がっていた。
    「なんだそりゃ」
    「低周波治療器よ」
     簡潔に、文月は答えた。微電流によって肩こりや血行不良を治療する医療器具である。文
    月は絡まったコードをほどきながら、ちらりと月小路に視線を向けた。
     月小路は顔面蒼白になって、その機械をにらみつけていた。
    「ああ、なんだ。使ったことがあるのね、これ」
     なら説明の必要はないわね、と文月が微笑む。パッドを手に持って月小路の前に立つと、ゆ
    っくりと腰を下ろした。
     椅子に座る月小路の股が、ちょうど文月の目の前にある。下着を取り除かれ、陰毛を剃られ
    た月小路の秘部は、痛々しい剃り跡を震わせて陵辱を待っている。
    「開きなさい」
    「……」
     いまさら、抵抗することに意味などない。震える膝をゆっくりと開く。文月は秘唇に指を這わ
    せると、つぷり、とスリットの中に指を沈ませた。柔らかな尻がビクリと跳ねるのを見て、小さく笑
    みを浮かべる。
    「柚子澤さん、開いていて」
    「はいよ」
     柚子澤の指が秘唇を割り開く。先ほど一度絶頂を迎えた余韻がまだ残っているのか、月小
    路がかすかに甘い吐息を漏らした。ピンク色の肉壁はぬらりとあやしく照り輝いて、ここから快
    感が溢れたのだと知れる。
     文月は粘液を指で掬い取るように襞をひと撫でしてから、手にしたパッドをくちり、と肉壁に
    押しつけた。震える声が月小路ののどからこぼれる。構わず、文月はもうひとつのパッドも貼り
    つけた。残るふたつのパッドを手の中で弄びながら、舌から月小路の顔を見上げる。
    「これ、結構高級品なのよね」
     そうして、見せ付けるようにパッドを掲げてみせた。
     よく見ると、パッドから直接コードが伸びているのではなく、コードの先端についた洗濯バサミ
    のような接続端子がパッドをくわえていることがわかる。患部、症状に合わせてパッドを交換で
    きるように設計されているのだ。
     文月はわざとゆっくりとした動作でパッドをはずすと、細長い棒のようなものを取り出した。ボ
    ールペンより一回り大きい程度のそれには、末端に電極がついているのが見える。
    「わかるわね?」
     言って、文月はそれにコードをつなげた。
    「――なっ、」
     さすがにこれは予想外だったのか、月小路が小さくうめき声をあげた。凌辱者たちはその声
    に笑みを深くする。ぱっくりと開かれたままの秘唇、その奥の女穴に、文月は慎重に電極を挿
    しいれた。
    「ぅんっ……」

    215: 女学院復讐SS5 3/12 2009/08/06(木) 22:38:02 ID:q8ArZmAf
     冷たい感覚が膣に押し入る違和感に、月小路がまた声をあげる。わずかに濡れた響きを交
    えるその声は、ますます三人を昂ぶらせた。
    「それで、これが仕上げね」
    「ま、まだ……」
     あるのか、と、月小路は最後まで言えなかった。文月が手にしているのはコードの先につい
    た接続端子だけ。パッドも、棒もない。パクパクと開閉するそれを見て、月小路は全身から血
    の気が引いた錯覚に襲われた。
     あれで、どこを、挟むつもりだ?
    「待て! 無理、無理、それは無理だ!」
    「大丈夫よ」
     切迫した悲鳴を軽くいなして、文月はむき出しのクリトリスに目を向けた。いっぱいに開いた
    端子の口が、小さな淫芽を挟み込む。
    「えいっ」
     ぎちゅっ!
     勢いよく指が放れ、バネ仕掛けが遠慮なく月小路の秘芯を噛んだ。声にならない悲鳴をあ
    げて、月小路の背がビクリとのけぞる。
    「準備完了ね」
     念のためテープで補強してから、柚子澤に手振りで合図する。散々に嬲られたとはいえ処
    女の秘部だ、すぐに口を閉ざしてしまう。
     成熟した形に無毛の丘、加えてひくひくと蠢く唇から伸びる四本のコードは、いやがおうにも
    官能を刺激する。つばを飲み込む音がした。いったい、誰のものか。
    「それじゃあ月小路さん、ピアノ。月光だっけ? それをお願い」
    「……? ひ、弾くだけでいいのか」
     それでは何のためにコードをつなげたのかわからない。文月はにっこりと笑って、柚子澤に低
    周波治療器の本体を示した。
    「月小路さんが一音でも間違えたら、柚子澤さん、あれのスイッチを入れて」
    「……っ!」
    「ああ、なるほど。これ、そんなにすごいの?」
    「試しましょうか?」
     くすくすと笑いながら、文月が治療器のダイヤルを操作して、スイッチに指を乗せる。月小路
    が制止の声をあげるのを待たず、カチリ、と軽い音を立ててスイッチを押し込んだ。
    「んきぃやぁああっ!」
     とたん、月小路の背がのけぞって、ビクリと大きく跳ね上がった。地面に対して水平近くまで
    跳ね上がった足が、同じ勢いで振り下ろされる。思わず両手で股間を抑えるものの、刺激は
    内側から来ているのだ、意味のあるはずもない。
    「やっ、やっ、やめっ、やめ……っ」
     定期的に送り込まれる刺激に抗うように、涙目になって体を抱く。その様子を見て、文月は
    満足気にスイッチを切った。
    「わかった?」
    「……よくわかった。このつまみが強さ?」
    「そう。今のが10%くらいね」
     電流も流していないのに、月小路が大きく体を崩した。椅子がガタン、と音をたてて、一同の
    視線が集まる。
    「どうしたの? 大丈夫よ、いきなり最大値になんてしないから」
    「……」

    216: 女学院復讐SS5 4/12 2009/08/06(木) 22:38:49 ID:q8ArZmAf
    「それにね、」
     立ち上がって、優しく微笑みかけながら、文月は緩やかな足取りで月小路に歩み寄った。
    両手を肩に置いて、ピアノに向かって座りなおさせる。安心させるように、軽く肩をたたいて、
    「間違えなければいいのよ」
     そう、耳元でささやいた。
    「簡単でしょう? あなたの得意なピアノの、得意な曲なんだから。最後まで演奏しきれば、そ
    れだけでいいの。私は、絶対に邪魔はしないわ」
    「そ、そんな、そんなこと、」
     そんなことを言っても。
     こんな状況、こんな精神状態で演奏などしたことはない。出来るとも思えない。指が震えてい
    る。鍵盤が叩けない。そんなことを抜きにしても、ピアノのミスタッチはプロの演奏でも当然のよ
    うに起こる。
    「できないの?」
     毒を送りこむような声だった。静かで、優しく、だからこそ恐ろしい。
    「できないの、月小路さん。ピアノが、弾けないの? このくらいのことで?」
    「う……」
     肩に置かれていた手が首筋を撫で上げ、頬を包む。耳元に唇を触れさせて、文月はもう一
    度繰り返した。
    「できないの? そんなはずはないわよね。貴方がピアノを失ったら何も残らないもの。ただの
    傲慢で怠惰な女だもの。そんなはずはないわよね」
     その通りだ。
     ピアノは最大の誇りであり、唯一のよりどころ。月小路妃美歌という人間の価値は、ここにし
    かないのだから。
    「ひ、くよ。弾けば……いいんだろ」
    「そう、弾けばいいのよ」
     文月の体温が離れる。月小路は十指を鍵盤に乗せて、ゆっくりと息を吐き出し、同じように、
    ゆっくりと吸い込んだ。肺の中身を全て交換するような――文月の囁きと共に送り込まれた毒
    を全て吐き出すような深呼吸をすると、目を閉じて、そのまま数秒静止する。
    「弾くよ」
     そして、宣言した。
    「演奏、しきってやるよ」
     指先が浮き上がる。足がペダルに添えられる。折れそうになる精神を屹と立たせて、月小路
    は鍵盤に指を叩きつけた。
     おそらく、人生で最も多く演奏した曲。文月は知らなかったが、月小路妃美歌の名を世に
    知らしめた、彼女の最も得意とする曲。――月光の演奏がはじまった。
     最初の一音の時点で、既に柚子澤は愕然として動きを止めた。あまり音楽を嗜まない文月
    や逢坂ですら、それが異様であると、理屈の外で悟ってしまった。
     月小路妃美歌の演奏は、それほどに美しかった。
     ただの和音が、まるで生を持って空を踊っているかのようだ。大気をふるわせる振動が耳元
    から入り込み、脳をやさしく撫で回して陶酔へと導いていく。音を外すだとかリズムを乱すだと
    か、そんな次元の話ではない。楽譜どおりに弾けることは大前提で、そこからいかに表現する
    かが『音楽』なのだと、この時文月ははじめて知った。
     先の宣言は虚勢ではない。きっと月小路は、最後まで弾ききるだろう。
    「驚いたわね……」
     軽く頭を振って、文月はそうつぶやいた。下半身がむき出しになるまで切り裂かれたワンピ
    ース、股座から伸びる四本のコード、どこをどう見てもそんなものとは無縁のはずなのに、演奏
    する月小路からは神々しさすら感じられる。

    217: 女学院復讐SS5 5/12 2009/08/06(木) 22:39:38 ID:q8ArZmAf
     自分の甘さを反省するようにもう一度かぶりを振ると、文月は周囲をちらりと見回して、入り
    口とは別の扉へと向かっていった。演奏に集中する月小路は気づかない。柚子澤と逢坂は
    気づいてはいたが、それどころではなかった。
     柚子澤が考えていたのはひとつだけ。もしこのまま演奏が終わってしまったら、文月はどうす
    るのだろう、ということだった。
     まさか、本当にこれで終わりにするとは思えない。幸崎幸にあれほど残酷な仕打ちをしてみ
    せた文月が、この程度で満足するはずがないのだ。また何か適当な理由をつけて月小路をい
    たぶるに違いない。
     ……けれど、もし文月が「ここで終わり」だと言ったら?
     指が震えるのを自覚する。低周波治療器のスイッチに、知らず人差し指が乗っていた。月
    小路の演奏は完璧だ。きっと、そのまま最後まで完璧な演奏をするだろう。
    「ゆ、柚子澤先輩……」
     逢坂が遠慮がちに声をあげた。それは、反則だ。だが、それがなんだというのだ。今更どんな
    意味が――
    「柚子澤さん」
     びくり、と指が震えた。
    「それは反則よ」
     携帯電話を手に持った文月が、困ったような顔をしてこちらを見ていた。隣の部屋から戻っ
    てきた彼女は、音楽に合わせるような緩やかな足取りで柚子澤の元までやって来る。
    「ルールは、守りましょう」
    「わかってるよ……」
     歯をかみ締めて、柚子澤は搾り出すような声でそう言った。
     柚子澤が葛藤している間に、曲は第一楽章を終え、更に先へと進んでいた。月光は三楽
    章からなるソナタで、徐々にテンポをあげていく。特に第三楽章はそれまでとは別の曲のように
    すら思える激しいもので、難易度がもっとも高い。
     第二楽章は二分と少しで終わった。月光は全体で十三分から十五分。これでおよそ半分
    の工程を過ぎたことになる。
     三人の見守る中、月小路はひたすらに指を躍らせている。月光ならば、ノーミスでの演奏だ
    って何度もこなしている。股の違和感も、身に巣食う恐怖も、何も問題にもならない。
    あと数分。もうゴールは目の前だ。
     月小路は確信した。今の自分はかつてないほど冴えている。そう。ピアノに愛され、ピアノを
    愛した自分が、この程度の困難で折れるはずがなかったのだ。自分の価値はピアノにしかな
    いが、ピアノがあれば、誰より尊く、美しくなれるのだから。
     残り三十小節ほど。演奏も大詰めだった。
     音は美しく、大気は完璧な調べに酔いしれていた。
     彼女が演奏を完成させることを、誰も疑わなかった。
     月小路の体が揺れた。
     文月も、逢坂も、あわてて周囲に目をやった。揺れているのは月小路だけではない。部屋も、
    ピアノも、大きく縦揺れの震動を繰り返していた。
     ――震度四。直下型。普段ならば、翌日の会話の種にしかならない、つまらない出来事。
     だが月小路の指をほんの少し、数ミリだけ横に逸らすのには、それだけで十分だった。
     美しく響いていた和音に、かすかな違和が混じる。揺れる室内に目も向けず、ただその瞬間
    を待ち構えていた柚子澤は、迷わず指に力をこめた。
     次の瞬間、完璧に調和のとれた大気の調べが、強烈な不協和音で打ち砕かれた。
    「あっ……んぁあああっぁあああっ!」
     でたらめな場所に置かれた十本の指が耳障りな音を響かせ、その後を追うように月小路の
    悲鳴が轟く。

    218: 女学院復讐SS5 6/12 2009/08/06(木) 22:40:32 ID:q8ArZmAf
    「ひっ、ひっ、ひぁっ、ああっ!」
     今まで経験したことのない感覚だった。指でこねるのとも、舌で舐められるのとも違う、肉の内
    側に直接触れられているような、神経そのものをしごかれているような、いわくいいがたい感覚。
    「と、とめっ、とめて! とめてぇっ!」
     前のめりに倒れて腕全体が鍵盤を押す。そのまま崩れそうになる体を、不協和音を奏でな
    がら鍵盤についた左手で支える。その瞬間にも、走り抜ける電撃はやまない。
     股間の内側から立ち上る断続的な刺激は、一瞬で全身を駆け巡り、また秘部へと戻ってい
    く。腰が勝手に浮き上がり、体が跳ねる。その度に、責め立てるように不協和音が響いた。
    「もっ、もうっ、止めっ、ひぇあっ、うぁああんっ」
     視界がぐらぐらと揺れて、あちこちで火花が散っている。畝肉を震わせながら走る電流は、
    襞の一枚一枚に無数の針を突き刺すような鋭い痛みと、指先の自慰では決して得られない
    強烈すぎる刺激を同時に与える。快感と、はっきり言えるほどではない。しかしただ苦しいだけ
    でもない。その境界に揺れる感覚は、月小路から正常な思考回路を奪っていく。
    「ひ、ぁ……ふ」
     鍵盤に全身をもたれかけた無理な姿勢で、月小路は小さく息を吐いた。ようやく、治療器の
    スイッチが切られたのだ。
    「どうだった?」
    「ふぁ……」
     返事ができる状態ではない。指先がガクガクと震えて、少しでも体を動かせばそのまま倒れ
    てしまいそうだ。
     文月は月小路の肩に手を置いて、支えながらゆっくりと体を起こしてやった。抗議のような声
    が漏れたが、舌まで痺れているのか、何を言っているのかわからない。
    「ほら、しゃんとして。柚子澤さん、端のスイッチ入れて」
    「端……? ああ、この、コードがつながってるところのスイッチ?」
    「そう」
     スイッチ、という言葉にビクリと月小路が震える。その肩をぽんぽんと叩いて、文月がまた、耳
    元に唇を寄せた。吐息が耳朶からもぐりこみ、鼓膜を揺らして三半規管をぐるりと巡る。また、
    毒をささやかれている。
    「いい。さっきのはね、ここ――」
    「あふぁっ、」
     文月の指が、くちゅり、といやらしい音を立てて月小路の女陰を割り開いた。ぬるりとした粘
    液の滲み出る肉壁を指先で撫でて、貼り付けられたパッドをトントン、と叩く。
    「――このふたつだけが動いていたのね。この奥にあるのとか、」
    「きゃうっ、」
     指先が膣穴からわずかに除く電極の尻をつつく。秘部から一度指を離し、端子にはさまれ
    た淫芽を指ではじいた。
    「ふぁあうっ」
    「ここのお豆のとかは、動いていないの。わかるわね?」
    「は……あ、ふ……」
     わからない。今の月小路には、文月の言葉は聞こえていない。聞こえていたとしても、理解
    できなかった。電流は止まったというのに、体中が痺れている。
    「わかったら、もう一度、最初から」
     痺れているのに、信じられないことを文月が言った。
    「ふぁ……?」
    「ふぁ、じゃなくて。ほら、鍵盤に指を乗せる」

    219: 女学院復讐SS5 7/12 2009/08/06(木) 22:41:21 ID:q8ArZmAf
     文月に手をとられて、指が鍵盤に添えられる。月小路は火花の散る頭で必死に考えた。何
    をすればいいんだろう。何をさせる気なんだろう。
    「弾くのよ。最初から、もう一回、やり直し」
     嘘だ。
     だって終わったはずじゃないか。たった今終わったはずじゃないか。
    「な、んで」
    「なんでもなにもないわ。きちんとできるまで、何回でも、やり直すのよ」
    「――は、」
     視界が、一瞬でゼロになった。
     まだ、何か声が聞こえる。弾けといっている。無理だ。無理だ。もう無理だ。こんなのは音楽
    じゃない。演奏じゃない。できなくたって、どうこう言われる筋合いはない。月小路妃美歌のピ
    アノは、もっと気高く美しいものなんだ。
    「弾けないの? できないの? ピアノが、弾けないのね?」
     なのに。そう思っているのに。
     その言葉に逆らえない。ここを逃げれば、ここで負ければ生きていないと、どこかで誰かが叫
    んでいる。だから、戦わなくては。
    「ふ……ぁ……」
     二度目の演奏がはじまった。
     震える指は、それでも見事に演奏を進めた。文月が本当に感心したのはこの時だ。なるほど
    月小路妃美歌は確かに天才で、確かに、音楽にその身を捧げているのかもしれない。
     だから、音楽と共に倒れるのだ。
    「――あ、」
     失敗は、やはり第三楽章で起こった。声を漏らしながらも指は自動的に演奏を進めるが、そ
    れを許す柚子澤ではない。
     二度目の電流は、一度目の比ではなかった。
    「あっ――――」
     声が止まる。息が詰まる。与えられた刺激の種類を、脳が判別できない。ただその大きさに
    視界が白濁し、意識がそのまま飛ばされ、

    「――――いぎゃあああああああああああっ!」

     即座に、同じ刺激で呼び戻された。
     挿入された電極から起こったそれは、いわば爆発だった。密着した膣壁を蹂躙したそれは、
    肉の壁を打ち破って全身へ伝播する。痺れる、などという生ぬるいものではない。まるで肉とい
    う肉がすべて沸騰しているかのようだった。稲妻はあらゆる感覚を振り切って、全身の神経を
    一瞬で焼ききった。文字通り飛び上がった月小路は、うまく着地できずに椅子から転げ落ち
    てしまう。伸ばした指先が鍵盤をかすかに撫でて、物悲しい不協和音を響かせた。
    「いぁっ、はっ、ふああっ、ひゃっ、ひぎゃあっ」
     血が沸騰する。視界が明滅する。腰が跳ね上がり、手足がバタバタと床を叩く。低周波治
    療器の電流は断続的に強弱をつけて流される。新たな刺激が膣から全身を突き刺すと、そ
    れだけで意識まで飛ばされる。そうして、同じ刺激でまた引きずり戻されるのだ。
     気の触れた狂人のように床を転げ回りながら、月小路は壊れたおもちゃのスイッチが勝手に
    切り替わるように、意識のオンオフを繰り返した。涙と涎が顔中を汚していたが、そんなことに
    気づくような余裕はない。
    「ふぁ、あ、」
     何度目かの覚醒で、ようやく彼女は自分の体が止まっていることに気がついた。電流はまだ
    流れているが、強さを調節したのだろう、体の奥で疼く程度のものだ。

    220: 女学院復讐SS5 8/12 2009/08/06(木) 22:42:17 ID:q8ArZmAf
    「ぁ、あ、……うぁ……」
     股間のあたりがあたたかい。体温が漏れ出たような錯覚。それでも、月小路は股を覗くことも、
    体を起こすこともできなかった。間接がまだガクガクと震えている。太腿あたりから尻の下まで
    生ぬるい液体に浸っている気がしたが、体を横に転がすこともできない。
    「お漏らししちゃったのね」
     くすくすという笑い声が、そんなことを言った。
    「涎まみれのだらしない顔。そんなに気持ちよかったの?」
    「あひゃぅっ!」
     反論しようと開けた口から出たのは、文月の言葉を肯定するような甘い声だった。さっきまで
    の強すぎる刺激と比べて、今月小路の膣から全身を撫でて回る微電流はあまりにも優しすぎ
    る。電気ではない何かが首の後ろを痺れさせて、月小路は無意識に内腿をすり合わせた。
    「白目剥くまで電撃くらってよがってるのか?」
    「変態ですねー」
    「ひ、ひがう……」
     違う、と言っているつもりなのに、言葉にならない。ふるふると力無く首を振ると、文月が笑い
    ながら両脇の下から手を差し入れてきた。
    「はい、立って。柚子澤さん、最後のスイッチいれて」
    「はいよ」
    「ひゃ……」
     軽いタッチで柚子澤がスイッチをオンにすると、月小路の体が小さく跳ねた。やさしくなで上
    げる微電流が、最後の端子――すっかり膨らみきった淫芽へと電流を送り込みはじめたの
    だ。
    「やっ、やあぅっ、待っ、ひゃぅんっ、」
     ただでさえ敏感なそこは、文月の執拗な愛撫ですっかり昂ぶっている。ぷっくりと腫れ上がっ
    た快楽の中心、その更に深奥、まさしく秘芯というべき奥の奥までを、微電流は撫で上げてい
    く。焼ききられた神経の名残を、快楽の電流が伝っていく。ただでさえ震えている足には全く
    力が入らない。文月に支えてもらわなければ、立つことすらできないだろう。
    「ほら、月小路さん。もう一回よ。今度は最後まで弾きましょうね」
    「や、で、できない……」
    「できない?」
     また、耳元で文月が毒を送り込む。もうやめてほしい。もう許してほしい。できない。できるは
    ずがない。指が動かない。足が震えてる。椅子にも座れない。今度失敗したら、またあの電流
    に襲われて――きっと、死んでしまう。
    「できるわよ、月小路さんなら。さあ」
     椅子の上まで引きずられて、数分前の焼き直しのように、鍵盤に指を乗せられる。もういやな
    のに、ピアノの前に座らされると、弾けないとは言えない。
    「やだ、もう、やらぁ……」
    「大丈夫よ月小路さん。あなたは人生をピアノに捧げてきたのだから。外で演奏はしなくても、
    部屋ではずっと弾いてたんでしょう?」
     今度こそうまくいくわ、と文月は月小路の肩を叩く。無理に決まってる。鍵盤の位置が見え
    ない。ペダルがどこにあるのかわからない。頭の中はまっしろで、電流は止まったっていうのに、
    全身が痺れてろくに動かない。
     それでも月小路は、演奏をはじめた。
    「――あ」
     最初の一音。
     それが聞くに耐えない不協和音になって、月小路ははじめて、自ら演奏の指を止めた。
    「ひぁっ――――――」

    221: 女学院復讐SS5 9/12 2009/08/06(木) 22:43:01 ID:q8ArZmAf
     目の前が真っ白に染まった。
     全身をハンマーで突き上げられたような衝撃が来たのは、その後だった。
     世界が一瞬で、消えてなくなった。
    ■■■
    「あ、起きた」
    「……?」
     ぼんやりした頭で、月小路はその声を聞いた。なんだか視界がはっきりしない。目に力を入
    れてどうにか焦点を合わせると、三人ほどの女生徒が笑っていた。
     なんだろう、これは。
     ここは自分の部屋のようだ。目の前にいるのは有瀬文月ではないだろうか。その奥にいるの
    は? ……あれも、かつて自分たちが標的にした女たちのように思える。
    「らに……あんひゃら……」
     おかしい。舌が回らない。舌だけじゃない、体中が痺れているようだった。これはなんだ。なん
    でこんなことになってるんだ?
    「どうも現状がわかってないみたいね。柚子澤さん、やっちゃいましょう」
    「スイッチオン」
    「ポチっとなー」
     逢坂の無邪気な掛け声とともに、柚子澤の指がスイッチを押す。月小路は何か機械のよう
    なものがあることにこの時はじめて気がついて――
    「んぁあぁあああぁああっ!」
     ――走り抜ける衝撃に、やっとすべてを思い出した。
    「いひぅっ、ひゃああああっ、やっ、んんん!?」
     体を跳ねさせようとして、動けないことに気がつく。後ろ手に回された腕はベルトのようなもの
    で拘束され、折り曲げられた足は膝の後ろを通る鉄の棒に固定されて、閉じることができない
    ようにされている。それらの器具はどうやら背後のグランドピアノにつながっているらしく、月小
    路の体はほとんど動けないようになっていた。
    「んぁっ、あっ、あううぁあああっ、らに、らにこれええっ」
    「何って、拘束。さっきみたいに跳ね回られたら大変じゃない」
    「やぁああぁあっ、あっ、ふぁあああっ」
     ガチャガチャと拘束具を揺らしながら、月小路は体を左右に振った。背後のピアノがギシ、と
    軋み音をたてたが、それだけだ。
    「んああっ、と、とって、これとってよぉおっ」
     ぼろぼろと涙が零れはじめた。股間からは相変わらず四本のコードが伸びている。気絶しな
    い程度に抑えられた電流が、月小路の膣を荒らしまわっているのだ。
     筋収縮によって蠢く膣は自ら電極をくわえこみ、弾ける電流は慣れてしまった体に痛みより
    も快楽を走らせる。全身を隈なく走破する稲妻は、細胞のひとつひとつを愛撫するような、未
    知の悦楽をもたらした。
    「いっ、やぁっ、お、おかひくっ、おかひゃくなっひゃああああっ!」
     ガチャガチャと拘束具を揺らしながら、月小路は頭を振り乱した。あまりの激しさにグランドピ
    アノがわずかにずれる。それを見て、柚子澤が口笛を鳴らした。
    「もっとおかしくなりたいって?」
     そうして、笑いながら強弱のつまみを少しだけ回した。
    「ひぅぁああああああっ! やらぁあっ! も、もう、もうやめっ、やぁああああっ」
     まるで全身が性感帯になったようだった。それでいて、全身を同時に愛撫されているのだ。
    快楽の稲妻は手加減を知らず、脳髄までも痺れさせる。あっという間に月小路は絶頂まで引
    き上げられた。だが、そこから下ろしてもらえない。
    「いやぁああっ、いっ、だめっ、こっ、んぁああああっ、とまっ、とまらなっ……!」

    222: 女学院復讐SS5 10/12 2009/08/06(木) 22:43:43 ID:q8ArZmAf
     ブツブツと脳の回路が断線する音が聞こえる気がした。体中あちこちが途切れて、そこを快
    楽の稲妻がつないでいる。上の口からも下の口からも涎を零して、月小路は繰り返し絶頂に
    たたき上げられた。
    「ひっ、ひぁっ、もうやっ、やっ、イひたくない、いきたくないのぉっ!」
     懇願には誰も答えない。機械的に送り込まれる刺激だけが、月小路への回答だった。
    「月小路さん」
    「あああああっ、あ、んふぁあああっ」
     いつの間にか目の前にいた文月が、目線を合わせて微笑んだ。電流が徐々に弱まっていく。
    連続絶頂からようやく下ろされて、月小路は小刻みな呼吸を繰り返した。
    「もう止めてほしい?」
    「あ、うぁ、」
     なんとか、月小路は頷いた。この地獄から解放されるなら、もう何をやってもいい。プライドな
    んていらない。
    「でも、約束だから。ちゃんとできるまでやらないと。弾けるでしょ?」
    「むり、むり!」
    「できるわよ。だって月小路さんにはそれしかないじゃない」
    「むりなの! むりだよ! もうやだ! やだ! やだあっ」
     子供のように泣きじゃくって、月小路は頭を振り乱した。長い髪が宙を泳ぐ。しゃくりあげて
    嗚咽を漏らす月小路を見て、文月は残念そうにため息をついた。
    「三回、か。まあ、がんばったわね。それじゃあ月小路さん、弾けない、のね?」
    「ぅ……うう、」
    「はっきり目を見て、ちゃんと言いなさい。ピアノが弾けないのね?」
    「ぁ……」
     微弱な電流が性を刺激する中、月小路は顔をあげた。文月がそこにいる。逢坂がカメラを
    構えている。柚子澤が、睨みながらスイッチに手を伸ばしている。
     弾けない。
     弾けない。
     弾けない。
    「ひけ、ない」
     こんな状況で、ピアノなんて、演奏できるはずがない。
    「ぴあの、が、ひけない」
     月小路妃美歌は、ここでやっと、そう口にした。
     電流が止まった。
     解放された感覚に、全身から力が抜ける。口元から零れた涎が涙と混ざって落ちていく。足
    を開いて拘束された淫らな格好のまま、月小路は大きく息を吐いた。
    「よかったわね、月小路さん」
     ぽん、とその頭に手を置いて、
    「これで貴方も、ただの女よ」
     そう、有瀬文月は微笑んだ。

     視界が飛んだ。

     何の刺激もないのに、世界が真っ暗になった。
    「あ」
     そう、月小路妃美歌は、たった今自分の人生を否定した。自分が培ってきたもの、育て上げ
    たもの、磨きぬいたもの、その全てが、ただの暴力に劣ると告白したのだ。
     心が、折れた。

    223: 女学院復讐SS5 11/12 2009/08/06(木) 22:44:22 ID:q8ArZmAf
    「あ……」
     眼球が揺れる。視界が像を結ばない。脱力しきった体が、これ以上動くことを拒んだ。
    「それじゃあね、月小路さん」
     言って、文月は柚子澤に手を振った。それを合図に、柚子澤がスイッチを入れる。
     電流が迸った。
    「あぎっ――ひぎゃああっ!」
     拘束されているにも関わらず、月小路の体が数ミリ浮き上がった。焦点の定まらなかった目
    を見開いて、涎をまきちらす。
    「なっ、ぁっ、なんでぇ! 言った! 言ったよ! できないって言ったよぉぉ!」
    「そうね、だから?」
     笑顔のままで、文月はそう答えた。それ以上何も言わず、鞄を持って扉に向かって歩いてい
    く。柚子澤も満足げに立ち上がり、機械を放置してその後に続いた。
    「これから、がんばってくださいねー」
     無邪気な笑顔を浮かべた逢坂が最後にそう言い残して、二人の後を追う。このまま。このま
    まなのか。このまま放置されるのか。
     死んでしまう。冗談ぬきに、耐えられるわけがない。
    「うそ、うそ、うそ! 助けて、ゆる、ゆるしっ、あぅぁっ、うそでしょお!?」
     体を揺らしても、どんなに力を込めても、拘束具が音を立てるばかり。扉の前まで来た文月
    が、ちらりと背後を振り返っても、月小路は悲鳴をあげて体を跳ねさせていた。
    「助けは呼んでおいたわよ。すぐに来るんじゃないかしら」
     言って、文月は手の中の携帯電話を振って見せた。文月自身の電話は幸崎の糞尿にまみ
    れてトイレの中だ。これは月小路の電話である。月光の演奏中に、隣の部屋から失敬してきた
    のだ。
     とはいうものの、月小路には聞こえていないようだった。懇願を続けながら襲い来る激流に悶
    える月小路を見て、文月はほんの少し苦笑した。
     扉に手をかける。もう、ここには用がない。
     だが、文月がその扉を開けることはなかった。向こう側から、誰かが扉を開いたからだ。
    □□□
    「あら、伊勢宮さん」
     息を切らしたアリスが扉を開けてまず目にしたのは、微笑む有瀬文月だった。愕然と手を止
    めて、息を呑む。
    「幸崎さんの介抱はもう終わったの? もっと時間がかかると思ったのだけど」
     答えられず、アリスは二歩、後ろに下がった。
     アリスが文月から受け取ったメールは、幸崎幸の惨状を伝えるものだ。月小路については一
    言も書かれていなかった。彼女は現状を正しく認識して、ここまで走ってきたのだ。
    「こ、幸崎さんは、自分で、始末をつけると、言っていました」
    「あら、そう」
    「そんなことより、これは……!」
     アリスが問いかけるより早く、文月が扉の前から身を避けた。背後の女生徒たちもそれに続く。
    知らない生徒が二人もいることに眉をしかめつつも、アリスは部屋に目をやった。
    「ひっ――」
     息が止まった。
     ピアノにくくりつけられた月小路は、涎と涙を零しながら何もない場所に向かって腰を振って
    いる。ガチャガチャと拘束具が鳴り響き、悲鳴とも嬌声ともつかない叫びがそれを彩っている。
    「な、なんで、なんでこんなこと……」
    「本当は、次は貴方の番だったのよ」

    224: 女学院復讐SS5 12/12 2009/08/06(木) 22:44:53 ID:q8ArZmAf
     震えるアリスの前に、文月の体が立ちふさがった。顎がとられ、唇が触れそうになる距離まで
    顔が近づく。
    「でもね、かわいそうだと思って、やめてあげることにしたの」
    「な……え……?」
     微笑みとともに、文月の手が放れた。脇をすり抜けるように、廊下へと進み出る。あわてて振
    り返ったその耳元に、
    「せっかく『そっち』にいけたのに、またいじめられる側に戻るのはいやでしょう?」
     とびきりの猛毒が囁かれた。
    「はっ……!?」
     きっと今、自分はひどい顔をしている。アリスはそう思って、それは正しかった。文月の表情
    がそれを証明している。
    「馬鹿よね、伊勢宮さん。自分が仲間にいれてもらえたと思ってたんでしょう? 彼女たちはね、
    貴方が慣れないことを無理にやらされて、本当はいやなのに従わされて、でも心のどこかで強
    者になれたことを喜んで――そんな貴方を見て、笑っていたのよ?」
    「ぁ……」
    「本当はわかってたんでしょう。貴方はどこまでいっても従わされる人。虐げられる人。自分か
    ら変わろうともしないのに、立場が変われるわけがないじゃない」
     くすり、と哀れみを含む微笑みを浮かべて、
    「さようなら、伊勢宮さん。だから貴方は、見逃してあげるわ」
     文月の背中は、廊下の向こうに消えていった。
    「う、あ……」
     悲鳴が響いている。知らない女生徒たちが、文月の後を追っていく。いつの間にかへたりこ
    んでいる自分に気がついて、アリスはそれでも立ち上がろうとした。助けなければ。いくらなん
    でも、あんなのはひど過ぎる。
     助けなければ……?
     自分が泣いていた時、誰も助けてくれなかったのに?
     自分が叫んでいた時、笑っているだけだったのに?
     それなのに、自分はどうして、あの子を助けるのだろう。
     今だって、彼女たちは自分のことを、仲間だなんて思ってないのに。
    「たひゅけてえええっ」
     思考を蹴飛ばすように、月小路の悲鳴が轟いた。あわてて顔をあげる。助けるのか、助けな
    いのか、彼女の命運は、アリスの両手にかかっている。きっとこの決断は、アリスの今後を左右
    する。
    「あ……今!」
     何と言おうとしたのだろう。今から? 今さら? どちらにせよ、言葉は完成しなかった。アリス
    の躊躇を待たず、支えを失った防音扉が、重い音をたてて部屋を外界から隔絶したのだ。
    「あ……ああ……」
     悲鳴はもう聞こえない。目の前にはただの扉があるだけ。開けばそこには平穏な寮の一室が
    あるのだと、そんな願望すら抱かせる日常。
    「あ……」
     決断すら、できない。
     アリスは無人の廊下、無音の扉の前で、ただ呆然と座りつづけた。

    225: 名無しさん@ピンキー 2009/08/06(木) 22:45:45 ID:q8ArZmAf
    以上です。まさか一月もかかるとは思わなかった。すいません…
    んじゃつづき書いてくる。

    …まだつづくよ!

    226: 名無しさん@ピンキー 2009/08/06(木) 23:01:34 ID:ELu7zJZx
    覗きに来たら投下宣言来たー!
    早速脱いでライブで読ませて貰った乙、相変わらず壊しっぷりがハンパなかったよ
    文月がアリスをねっとりと責め堕とすのも期待しているぜ

    227: 名無しさん@ピンキー 2009/08/06(木) 23:05:42 ID:l/qaSLVu
    うひょう! とととりあえず乙!

    229: 名無しさん@ピンキー 2009/08/06(木) 23:37:08 ID:BfHfy6kZ
    最高すぎる…
    続きに期待!

    230: 名無しさん@ピンキー 2009/08/06(木) 23:43:31 ID:kqDWTi1+
    もう凄すぎて何を言っていいやら

    とりまGJ!、

    231: 名無しさん@ピンキー 2009/08/06(木) 23:43:53 ID:kqDWTi1+
    もう凄すぎて何を言っていいやら

    とりまGJ!、次回も楽しみに待ってるぜ

    233: 名無しさん@ピンキー 2009/08/08(土) 13:22:49 ID:3FQZjDVG
    凄いなあ
    緊迫していて、迫力があって、なんというか本当に上手い
    続きを楽しみに待ってます

    234: 名無しさん@ピンキー 2009/08/08(土) 15:05:37 ID:Lc7rt7Db
    待ってた。
    精神的な攻めと肉体的な攻めがあわさってたまらんです。

    235: 名無しさん@ピンキー 2009/08/08(土) 21:41:16 ID:V9K6IZQD
    すごい…落とし方が半端じゃない…
    こんなに続きが楽しみな作品はなかなかないな。GJ!

    236: 名無しさん@ピンキー 2009/08/10(月) 00:32:34 ID:oddDo2Xw
    やっぱり精神的に責めるの良いなぁ

    このシリーズの一覧だオラッ!

    「【エロ小説・SS】超上流階級のお嬢様しかいない女子高に転入したら想像以上のイジメが待ってた・・・5発目」終わり

     

    な、なんやこれ?

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    名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!

    名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!

    • 紳士な名無しさん 2018年01月28日 14:35:43

      SSなめてました…

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