■【ガルパンエロ小説・SS】西住殿を好きすぎる秋山優花里の健気でちょっぴり切ない話・・・ 2発目
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    あれー・・・気付いたらエルヴィンに寝取られてるー・・・
    西住殿が優柔不断だからいけないと思います!
    ■所要時間:20分 ■本文:34レス

    【ガルパンエロ小説・SS】西住殿を好きすぎる秋山優花里の健気でちょっぴり切ない話・・・ 2発目

    【ガルパンエロ小説・SS】西住殿を好きすぎる秋山優花里の健気でちょっぴり切ない話・・・ 2発目


    「【ガルパンエロ小説・SS】西住殿を好きすぎる秋山優花里の健気でちょっぴり切ない話・・・ 2発目」開始

    ガールズ&パンツァーでエロパロより
    54: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:32:04.63 ID:H/SxWUqz
     NTR? 修羅場あり 嫌いな人はスルーをお願いする。



    西住みほは憤慨していた。しかしそれは悟られてはならないものであることを理解していたし、何よりそれを 表に出すことができるほど、恥知らずでもないつもりであった。だからみほは、寮に帰るまで表情、雰囲気一つ も変えずに、何とか拳を握りこむことで、耐え忍んだのであった。
    秋山優花里のことに関して、なにか嫉妬のような感情を抱く権利は無いと、みほはそう思っていた。優花里自 身から差し出された首輪は受け取らないくせに、優花里が他人にかまわれるのは許せないというのは、あまりに 自分勝手な考え方だった。ただでさえ優花里を傷つけているのに、それ以上に束縛までするのは、流石に気が引 けたのである。
     
    55: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:34:58.96 ID:H/SxWUqz
     事は数時間前にまで遡る。
    体を重ね、触れたくない所をうやむやにしつつも仲直りしたのが昨日の話。実は、優花里には知りえない所で、 あの出来事は後を引いていた。
    今日の朝、みほが学校に赴くと、またしても机の中に手紙が入っていた。手紙には差出人の名前は無く、質素 な紙切れにただ一言、
    『放課後、教室にて待て』
    とだけ記されてあって、まさか優花里が書いたとも思えない文面に、みほは困惑した。果たしてこれは誰が書 いたのか。あの件と関係があるのか無いのか。それら全てを明らかにするには、やはり手紙の指示に従うほかな く、みほは二日連続で、教室に居残ることになったのだった。
    放課後、教室にまだ人がちらほら散見されるうちに、その人物は現れた。砂漠の狐をかたるに相応しい鋭い目 つき、そして黄金色の髪色。ロンメルの名とともに軍帽軍服を纏った姿は、みほもよく知っているものだった。
     
    56: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:36:34.85 ID:H/SxWUqz
     「すまない。手間を取らせて」
    エルヴィンは凛とした声音で一言詫びると、机を挟んでみほの正面に立った。いつも湛えているあの不敵な笑み は、今日はなりを潜めていて、目つきも真剣そのものであった。
    「エルヴィンさん……」
    みほは、エルヴィンの姿をその目に入れただけで、おおよそ彼女の言いたいことの全てを把握した。それは、か ねてよりエルヴィンの気持ちに関して察しがついていたということで、それの確証を得たということでもある。 「さっそくだが……西住。グデーリアンの事で話がある」
    エルヴィンの切り出し方は、唐突で直接的。本懐に手を掛けて、動揺の内に本心を引きずり出す、フランス侵攻 のような電撃戦であった。
     
    57: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:38:10.66 ID:H/SxWUqz
     「盗み聞きする気は無かったのだが、昨日の一部始終を見させてもらった。西住、お前はグデーリアンをどう したいのだ? 彼女から告白は受けたのだろう? 乙女の心を焦らすのは、あまり好ましくは思えんな。馬に蹴 られても文句は言えないぞ」
    みほは額に汗が滲んだのを感じながら、それでも平静を装った。学校での情事を咎めるのではなく、話題の先 頭に出したのが優花里個人のことである時点で、エルヴィンが攻略したい部分は判然とした。そしてその先、一 体彼女が何を求めているのかもありありと見て取れる。優花里とのうやむやを維持したいみほにとっては、随分 厄介な状況ではあったが、それでも手が無いわけでもなかった。
    「うん。でも、エルヴィンさんには、関係の無い事だから……」
     
    58: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:40:14.76 ID:H/SxWUqz
     みほからの言葉に、エルヴィンの表情は少しだけ強張った。普段のみほからは考えられない拒絶の言葉は、し かし予想外という訳でもない。紛いなりにも西住の血を引く人間。戦車道の際にも、合理的な王道の考え方は、 その片鱗を表していた。つまり、自身の望む展開のために何を犠牲にするべきなのか、その判断力と決断力の両 方を、彼女は持ち合わせているのだ。今回に限っていえば、友情という無形物が、秤の上に乗った事になる。
    「なるほど。だが私も、そう言われて、はいそうですかと大人しく引く気にはなれんのでな。どうせ察しはつ いているのだろう?」
    「うん。そうかな。あまり自信はないけど」
    「そうか? なら確証を与えよう。……西住」
    エルヴィンは一旦言葉を切り、みほの目を見た。みほにもそれの意味する所は分かっていた。
    「お前からグデーリアンを奪還する。悪いが、今のお前はあいつを不幸にする。私はグデーリアンが誰に好意 を抱こうがかまわないのだが、グデーリアンが不幸になるのだけは、簡便ならない」
     
    59: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:41:30.98 ID:H/SxWUqz
     エルヴィンは宣戦布告した。言い切って、背を向け教室を去ろうとするエルヴィンに、みほは一つ言葉を投げか ける。
    「馬に蹴られないように、気をつけて」
    エルヴィンは一度歩みを止めたが、振り返らずに再び歩き出した。決別は静かに進行し、教室の人間誰一人とて、 二人の戦争を認知していなかった。
     
    60: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:42:36.20 ID:H/SxWUqz
     2

    大洗女子学園戦車道履修生徒特別強化合宿。その草案が生徒会から提出されたのは、戦車操縦の腕をより向上さ せる必要に迫られたためということもあるが、むしろその主目的は、学園艦側へのけん制にあった。成果が実を結 んでも、果たして学園艦の統廃合を決めてかかっている運営側に、その誉れある結果が正しく認識されるのか、い ささか疑問が残っていた。そこで、合宿という行事を作ることにより、大洗の戦車道は盛んに真面目に取り組まれ ているのだと言う事をアピールする機会を創出する。合宿費用を一人ひとりから徴収すれば、それほど金のかかる イベントという訳でも無いので、中々に有意義なイベントであった。
     
    61: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:43:39.00 ID:H/SxWUqz
     だがそれは、あくまで目的と意義の話なのであって、実際に合宿に赴く人にとっては、そんな小難しいことは どうでもいいのである。大規模補給の停泊時期に合わせて敢行された合宿は、二泊三日のスケジュールを順々に 消化していった。その間の大洗チームのはしゃぎようは、もはや語るまでもない。戦車の練習のほかにも、近く の川に遊びに行ったり、バーベキュー大会をしたり、普段の学園艦生活では味わえない体験をした面々は、一様 にその顔を輝かせていた。
    二日目の夜、風呂を終えたエルヴィンは寝巻きに着替えて、自身の部屋へと戻っていった。部屋に入ると、既 にチームメイトである三人、カエサル、おりょう、左衛門佐が、それぞれ好き勝手に布団に寝そべってくつろい でいた。
     
    62: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:44:57.32 ID:H/SxWUqz
     「遅いぜよ」
    エルヴィンが部屋に入ったことにいち早く気が付いたのは、おりょうであった。おりょうの声に後の二人も、
    「うむ」
    「待ちくたびれたぞ」
    と続け、エルヴィンは
    「すまん」
    と応える。
    おりょうは自身のカバンの元に向かうと、一組のトランプを取り出した。カエサルは中央の左衛門佐の布団に 移動して、エルヴィンもカエサルの隣に腰掛ける。更にその隣におりょうが座って、皆の中心には、先ほどのト ランプが置かれた。トランプの裏面は組み合わせ角に桔梗紋で、おりょうはそれを一枚一枚配っていく。
     
    63: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:46:25.67 ID:H/SxWUqz
     「風呂には同じ時間に向かったはずだろう。随分遅かったではないか」
    「いや、少し湯船で寝てしまってな」
    「ふむ? 私が出たときにはまだ起きていたように思うが……」
    「どうせ、後から入ってきたグデーリアンの裸が気になって、ずっと見ていたぜよ」
    おりょうの言葉に、
    「それだ!」
    といつもの反応を返したのは二人であって、エルヴィンは顔を赤くすると、
    「違う!」
    と叫び、手をわらわらと動かした。
    「しかし難儀なことぜよ。よりにもよって西住を敵に回すとは」
    「……略奪愛、戦争と言うと、」
    「トロイ戦争。いやここはアントニーとクレオパトラか」
    「それはシェイクスピアの戯曲だ。史実ではあるまい」
     
    64: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:47:37.67 ID:H/SxWUqz
     おりょうは全てのカードを配り終え、それぞれが手元のカードの順番を整え始めた。エルヴィンもそれに倣っ ていたが、頭はこれから始まる大富豪のことよりも、優花里のことで埋まっていた。優花里と西住、この両者へ の作戦の展開の仕方について考えるので、精一杯なのである。
    「おい、エルヴィン」
    しばらく経って、カードをぽつぽつ出してはいるがまったく身の入っていない様子のエルヴィンに、左衛門佐 はため息混じりに声をかけた。
    「なんだ?」
    「そんなに呆けた顔をするな。グデーリアンのことを気に掛けているなら、さっさと行ってさっさと告白すれ ばよい」
    エルヴィンを除いた残り二人もうんうんと頷いて、左衛門佐の意見に同調した。エルヴィンとしても、そうし たい気持ちは山ほどあったが、やはり状況はそう簡単なものでもない。
     
    65: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:49:04.05 ID:H/SxWUqz
     「グデーリアンは西住に思いを寄せている。これは紛れも無い事実だ。そんな状況で突撃しても、ただただ玉砕 するだけだ」
    「しかし、宣戦布告した手前、いつまでも逃げ続けるわけにはいかんだろう」
    「軍服の袖を破って渡してやれば、女なぞいちころぜよ」
    「おりょうを騙る貴様がそれを言うか」
    エルヴィンの突っ込みにおりょうは答えず、場にハートの八を出す。カードが流れ、続いて出されたのはクロー バーの四だった。
    「まぁしかし、玉砕するってこともないのではないか? グデーリアンはああ見えて、結構雰囲気に流されやす い」
    「それに、西住とうまくやれているというわけではないのだろう。なら勝機は充分あると思うが?」
     
    66: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:50:51.35 ID:H/SxWUqz
     そう言われて、エルヴィンは
    「ううむ」
    と唸った。たしかに言われてみれば、勝機が無い訳でもないように思えてくる。だが、やはり躊躇してしまう。 勝機があるとわかっていても、今の関係を崩してしまうことは、ひどく勇気の要ることだった。
    「砂漠の狐が臆病風に吹かれているぞ」
    頭を抱えたエルヴィンを見て、カエサルが笑ってそう言った。エルヴィンはカエサルを睨みつけたが、どうに も迫力に欠けている。カエサルはエルヴィンの視線を受け流しながら、更に追撃した。
    「ここでしり込みするならば、お前こそを、今後モントゴメリーと呼ぶことにしよう」
    「御免被る」
    「いや、いいではないか。慎重派なんだろう?」
    「敬愛すべきロンメル将軍の敵の名なぞ、誰が好き好んで名乗るものか」
    「ならモンティーにするか」
    「変わってない!」
     
    67: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:52:28.97 ID:H/SxWUqz
     カエサルの見え透いた挑発に、しかしエルヴィンは乗ってしまった。それは図星を突かれた上での挑発であった からであって、つまるところ、臆病風に吹かれているという評価も正しいのである。
    その後もカエサルはエルヴィンを煽りに煽った。大富豪が二ラウンドほど終わっても、その挑発はまだ続き、つ いに我慢の限界に達したエルヴィンは、自分が何を言おうとしているのか半ば理解していないような状態で、しか しそれを口にしてしまった。
    「そこまで言うならいいだろう! お前らの言葉を信じて、吶喊して、玉砕してこようではないか!」
    手札を投げ捨て、立ち上がり言ったエルヴィンは、数瞬後に、携帯電話を手にした左衛門佐の姿を見た。何をし ている、と言いかけた口が、おりょうの手によって封じられると、カエサルは声高らかに、
    「今だ!」
    と叫んだ。左衛門佐は携帯のアドレス帳から優花里の番号を見つけ出すと、息をすることさえままならないエル ヴィンを他所に、その番号へ電話をかけた。
     
    68: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:53:58.26 ID:H/SxWUqz
     「グデーリアンか? ……ああ、少し急用でな。すまないが戦車の格納庫まで来てはくれまいか? ……いや、 何。すぐに済む用事だ。教官に見つかることもないだろう。……ああ、わかった。では十分後だな。……すまな いな。ありがとう」
    左衛門佐の耳から携帯電話が離れると、エルヴィンはおりょうの拘束から開放された。にやけ面の左衛門佐は、
    エルヴィンのほうを見るなり、
    「そういうわけだ。早く格納庫に行って来い」
    けろりとそう言ってのけた。
    「私は、別に今告白するとは言ってないぞ!」
    「ぐだぐだするでない。こういうのは早ければ早いだけいいのだ」
    「レディを待たすものではないぜよ」
     
    69: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:55:18.59 ID:H/SxWUqz
     おりょうはエルヴィンの肩にあの軍服の上着を掛けると、背中を押して部屋から彼女を追放した。鍵の掛かっ た扉がしばらく音を立て続けたが、五分もすると、しぃんと大人しくなった。鍵を開け、部屋の前からエルヴィ ンが消え去ったことを確認すると、おりょうはようやく扉から離れ、部屋に戻る。
    エルヴィンがいなくなると、部屋はやたらと静かになってしまった。カエサルはぽつりと、
    「上手くいくだろうか」
    と言ったのだが、誰もそれには答えない。部屋は沈黙し、それぞれが自分の布団に寝転びながら、時が過ぎて いった。
    五分も経ってようやく、左衛門佐がそれに答えた。
    「まぁ、骨は拾ってやるとしよう」
     
    70: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:56:59.86 ID:H/SxWUqz
     3

    戦車の格納庫は薄暗く、エルヴィンは電気を付けようか迷ったが、教官に見つかったときに言い訳が聞かない ので、一応そのままにしておいた。優花里の姿はまだなく、エルヴィンの頭の中では、一体何をどう言うべきな のか、その言葉探しが行われていた。
    エルヴィンは三号突撃砲の履帯を覆う装甲の上に腰掛けた。それは三凸が自分の愛機であるからというよりは、 単に出入り口に一番近くにあった戦車が三凸であったからなのだが、どちらにせよ、装甲は想像以上にひんやり としていて、布越しに冷たさがどんどんと伝わってくる。
    でん部の冷たさに我慢ができなくなって、ぽんと地面に飛び降りたエルヴィンは、その耳に、かすかな足音を 捕らえた。等間隔に大きくなっていく音に、エルヴィンは期待に胸を膨らませたが、後から沸いてきた焦りの感 情が、体を縮こまらせた。頭がパニックで沸騰しており、想定していた言葉も何も、全てが消し飛んでいた。つ いに入り口の曇りガラスに人の影が映ると、エルヴィンは三凸の後ろに隠れようとしたが、意思の力でなんとか その場に踏みとどまって、扉に視線を固定した。
     
    71: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:58:14.31 ID:H/SxWUqz
     「あれ? エルヴィン殿」
    癖っ毛をふわふわと揺らしながら、優花里はいつもの笑顔で扉を開けた。エルヴィンの姿が目に入ると、その 後倉庫内をぐるりと見渡してから、再びエルヴィンの方に顔を向ける。
    「エルヴィン殿も左衛門佐殿のお手伝いですか?」
    優花里の言葉を、エルヴィンの頭は処理しきれなかった。これからどう切り出すべきなのかを考えるので、頭 のキャパシティは一杯一杯、しかも緊張で手が震えだしたのをなんとか止めていたせいで、意識が優花里から反 れていたのだ。
    「エルヴィン殿?」
    怪訝そうな表情の優花里を見て、エルヴィンはようやく
    「あ、ああ。そんなところだ」
    と、口から声を出す事ができた。
     
    72: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 22:59:41.39 ID:H/SxWUqz
     「そうなんですか。左衛門佐殿はまだなんですね」
    「ああ、まだ来ていない」
    「こんな時間に呼び出すなんて、何なのでしょうね、用事って……」
    「……多分、左衛門佐は来ない」
    「え?」
    エルヴィンは一回、優花里が見ているのにもかまわずに、大きく深呼吸した。最早、後には引けず、ただ自分 の思いを告白するしかないのであった。それが分かっていたから、あとは上手く口が回るように、緊張を少しで も取るしかない。優花里の言葉はもはや聞こえず、頭に入らず、意識は、ただただ自分の言うべき言葉に向けら れていた。
    「ぐ、グデーリアン!」
    「は、はい! 何でしょう?」
     
    73: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:01:15.95 ID:H/SxWUqz
     優花里は少し仰け反って答えた。見るからにその声量に驚いている風であったが、そんなことにエルヴィンは かまっていられないのであった。エルヴィンはグデーリアンの顔を見ると、ただ一言、言い放った。
    「私は、グデーリアンのことが、好きだ!」
    およそ場は十秒間沈黙した。その間、エルヴィンはじっと優花里を見つめ、優花里は金魚のように口をパクパ クと開け閉めしていた。混乱していた優花里はたっぷり十秒間思考の果てに旅して来て、左衛門佐の突然の呼び 出しと言うのはブラフであって、このエルヴィンの告白のためであること等々おおよその状況を把握したが、そ れでもなお、
    「えええええええええ!」
    と叫ばずにはいられなかった。
    「グデーリアン……」
    「あ、あの! ちょっと待ってください! それって所謂愛の告白的な、あの……」
    「そうだ」
    「うわぁ、うわぁ! ちょっと待って、どうして、エルヴィン殿が、私にぃ?」
    「駄目か?」
    「駄目じゃないです! 駄目じゃないですけど……」
     
    74: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:02:36.24 ID:H/SxWUqz
     優花里は腕をあたふたと動かしながら、ふと、エルヴィンの顔を見た。エルヴィンの顔は真剣そのもので、そ の必死さが、苦しそうにも思える表情だ。優花里はそれを見ただけで、ここに至るまでのエルヴィンの葛藤と真 摯な思いが、その片鱗が分かったような気になった。きっと自身と同じような苦しさをエルヴィンも経験してい るのだという確証が、優花里の胸を静かに打ち、だからこそきちんとした返答をしなくてはならないという義務 感が沸いてきた。優花里は言葉を選び選び、ようやく頭の中で文章にまとめると、それをそっと口に出した。 「……あの、気持ちは嬉しいです。でも、私には既に、その、心に決めた人がいるので……だから、あの、エ ルヴィン殿……」
     
    75: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:03:57.46 ID:H/SxWUqz
     その先の言葉は、上手く喉から出てきてくれなかった。優花里は伺うようにそっとエルヴィンの顔を覗き見て、
    そしてぎょっとした。一珠の涙が顎先から零れ落ち、そうなってから泣いているということに気が付いたのか、 エルヴィンはようやく軍服の袖で目を拭っていた。優花里は弾かれたようにエルヴィンのすぐ側によって、しか しその先どうすればいいのか、嗚咽を漏らし、ひたすら目を拭うエルヴィンを前に、自分は何をすればいいのか 分からなくなった。
    「あ、あの! 別にエルヴィン殿の事が嫌いというわけではなくて、だから、この先だって、私は仲良くして いただけたなら本当に嬉しいし……。あの、泣かないでください! 」
     
    76: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:05:33.33 ID:H/SxWUqz
     エルヴィンは優花里の鎖骨に額を当てて、すまない、すまないと、声を詰まらせながら繰り返し言った。優花 里はエルヴィンに手を回して、背中をそっとさすってやった。胸元から聞こえる呻き声と、しゃっくりまじりの 呼吸音が、どうにも重く圧し掛かる。優花里はただ言葉もかけられず、エルヴィンの体を受け止めることしかで きなくて、そんな自分を嫌に思った。あのエルヴィンを泣かせてしまったという罪悪感が、胸の奥を傷めていた のだ。
    突如、扉の方から足音が聞こえてきた。エルヴィンはそれにまったく気が付かなかった様子だが、優花里の耳 には、泣き声を掻き分けて後方から、たしかにその音が聞こえていた。
    「え、エルヴィン殿、隠れましょう! おそらくは見回りの教官です!」
     
    77: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:07:01.82 ID:H/SxWUqz
     優花里は言ったが、エルヴィンは腫れた目を優花里の方に向けるだけであった。その表情、潤んだ瞳には、言 葉を詰まらせるほどの攻撃力があって、優花里は胸の高鳴ったのを悟られないように、顔を背けて体を離した。
    エルヴィンの不安そうな表情は優花里の何かをそそったのだが、今はそういう事を気にしている場合ではなかっ た。優花里はエルヴィンの手を取ると、三凸の上へと昇りハッチを開けた。
    「隠れましょう。先に入ってください」
    エルヴィンは言われるがまま、体を車内に滑り込ませた。遅れて入った優花里はそのまま車長席に座って、キ ューポラの視察口から外の様子を伺う。格納庫の扉が開き、懐中電灯を持った教官が中に入ってくるのが見て取 れた。
    そんな優花里の胸元に、エルヴィンの頭がすっぽりと埋まった。
    「え? ちょっと、エルヴィン殿?」
     
    78: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:08:40.98 ID:H/SxWUqz
     エルヴィンは優花里にすがるように抱きついて、手は肩に掛けていた。狭い戦車内で、まさか引き離すわけに もいかず、優花里はとりあえずはそのままにしておいて、外の監視を続けることにした。幸い教官は二人に気が 付いていなかったのか、周囲をぐるりと一周しただけですぐに帰っていった。扉が閉まり、優花里は抱きつかれ た姿勢のままエルヴィンをどう扱えばいいのか分からず、一応背中に手をまわしてやり、そのままにしておいて みた。
    「すまない」
    何分経ったのか、ぽつりとエルヴィンはそう言った。
    「いえ、かまいません」
    優花里はすぐにそう返したのだが、胸元の頭は左右に振れる。
    「私は、グデーリアンが西住と関係があるのを、知っていた。その上で、あんなことをしてしまったんだ。… …私は勝手な女だ。西住がグデーリアンを、あんな風に……。気持ちに気が付いているのに、ああやってずっと 逃げているのが、腹立たしくてしょうがなかった。私がどうやっても得られないのを、最初から手に入れている のに、その気持ちを、踏みにじって……私っ、それがっ……嫌で嫌でしょうがなかったんだ……」
     
    79: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:09:47.44 ID:H/SxWUqz
     エルヴィンの声が、再び切羽詰ったものになった。優花里は彼女が泣き止むまで、ずっと頭を撫でてやり、エル ヴィンもそれ以上言葉は発さず、口からは嗚咽しか漏れ出さなかった。
    「私の胸でよければ、いつでもお貸しします。私は、エルヴィン殿が泣いているのを、見ていたくありません」
    優花里はエルヴィンが落ち着いたのを見計らって、そう言った。そしてそれは、確かな気持ちでもあった。エル ヴィンに想われるという事に対して、確かな喜びを得ているということ。だからこそ、彼女を泣かせてはいけない のだという気持ちを抱き、優花里は彼女を抱きしめてやる。そういった優しさが相手にとってどれだけ酷なことな のか、彼女は知り得なかった。何故なら彼女自身もまた、そういった優しさに毒されている人間でもあったからだ。
     
    80: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:10:55.86 ID:H/SxWUqz
     「そういうことを言われると、調子に乗ってしまうぞ」
    エルヴィンは静かにそう言って、肩を押し体を離して、優花里の目をみつめた。
    「グデーリアン、キスをしてくれ」
    エルヴィンの視界の中で、優花里のきょとんとした表情が、急速にその形を変えていった。まず目が見開かれ、 そして口が何か言葉を発そうと開いたが、しかし何も出てこない。
    優花里は、それは駄目ですと、言おうとした。意思の力を振り絞り、何とかそう言おうとした。しかしエルヴ ィンの泣き顔が、嗚咽の声が、まるで鉄塊のような重りになって、喉を締め付けていた。これ以上踏み込ませて はいけないと知りつつも、エルヴィンが泣いてしまうよりは全然いいじゃないかと、そういった考えが頭を巡り、 そしてみるみる近づいてくるエルヴィンの唇を見て、それでもなお動けなかった。
     
    81: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:12:13.51 ID:H/SxWUqz
     「嫌なら、そう言ってくれ」
    触れる直前のエルヴィンの言葉に、優花里の頭には幾つもの言葉が浮かんだ。だが優花里はそれら全てを放棄 して、ついに瞼を閉じてしまう。唇に広がる柔らかい感触と甘い味を、優花里は受け止め、そして頭に浮かぶの は、みほの顔なのであった。
    唇が離れた後、エルヴィンは頬を赤くしながら、優花里にもたれかかった。
    「今、グデーリアンの気持ちがよく分かった。そしてきっとグデーリアンは、西住の気持ちを理解したんだろ う? 私は、グデーリアンが好きなようにしていてくれて、それが心地いいんだ。私を好いてとは言わない。だ から、グデーリアンが寂しくなったら、私を使って欲しいんだ」
    エルヴィンは、優花里の顔を見た。
    「お前に尽くそう。身も、心も」
     
    82: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:13:30.71 ID:H/SxWUqz
     優花里の理性と呼べる部分が、引き止めなくてはならないラインをわきまえた利口な部分が、エルヴィンの表 情を見て、遂に霧散し、消え去った。優花里はエルヴィンを引き寄せると、その唇に自身のを押し当てた。それ だけでは足りず、全然満たされず、遂に舌が口を割ると、その口腔内を、好き勝手に動き回る。急なことに目を 白黒させながら、エルヴィンはそれを受け入れた。頬を伝った涙はうれし涙で、強引にされるということに、心 が弾み、満たされる。不慣れなことにどぎまぎしながら、自身からも舌をだして、優花里に応えるのであった。 飽きるほどキスを繰り返して、優花里の顔に躊躇の表情が顕れると、エルヴィンは気を利かせて、肩に掛かっ た軍服を床に落とした。
    「駄目……。遠慮するのは、駄目だ」
    熱い吐息が、優花里の耳を撫で、それがあの教室での行為を連想させた。湧き出してくる罪悪感を打ち消すよ うに、優花里はエルヴィンをかき抱いて、寝巻きの上着をずらしていく。
     
    83: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:14:34.74 ID:H/SxWUqz
     外気に晒された背中が心細くて、エルヴィンはキスをせがんだ。優花里はそれに応えながらブラのホックを外 してやる。胸を撫でながら反対の手でスカートをたくし上げ、秘部に指を這わしていく。自分がされた行為をエ ルヴィンに還元しているようだと、優花里はふと思ってしまって、それが自己嫌悪に繋がっていった。
    「優しくしないで、いい。もっと、好きにしてくれ」
    喘ぎ喘ぎ、エルヴィンがそう口にすると、優花里はショーツをずらして、割れ目に指をあてがった。胸を満た す不安感が、しかし快楽でもあって、エルヴィンは黙ってその指を受け入れる。しばらくは上下に、撫でる様に 動いた指が、奥の方へと進んでいった。ひりひりとした痛みを覚え、思わず腰がこわばるのを何とかさとられな いようにしながら、エルヴィンは優花里にしなだれかかる。
     
    84: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:16:14.23 ID:H/SxWUqz
     「痛く、ないですか?」
    ついに指がすべて埋まると、優花里は息の荒いエルヴィンにそう聞いた。
    「痛い。……けど、痛いのが、きもちいい」
    得られた返答を優花里は信じて、ゆっくりと指を引き抜いていく。エルヴィンの腰ががくがくと揺れて、一旦 抜いてから再び奥へ進入させると、今度は緊張したように動かなくなる。
    「はっ、ん……もっと、はやくしてくれ。……大丈夫だ、から……」
    言われて、優花里は指の出し入れするスピードを速めていった。背中に回された手がきつく締め付け、少し息 苦しさを感じもしたが、それを訴えはしなかった。水の音が大きくなっていき、エルヴィンの嬌声もそれに比例 するようだった。
    優花里は一点、触れるとエルヴィンの声が一際大きくなる所を発見した。そこには中指を第二間接まで入れて、 すこし曲げてやると触る事ができて、そこをつつかれるたびに、エルヴィンの腰は逃げるように浮いてしまう。
     
    85: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:17:46.39 ID:H/SxWUqz
     優花里は空いている手で腰を押さえると、そこを重点的に刺激してやった。
    「やっ! 駄目、そこは……」
    エルヴィンは抗議したが、聞き入られるわけは無かった。涙を流して、頭を左右に振り、だめだめと連呼するも、 それら全てが優花里の劣情を駆り立てた。
    何分そこを弄り回したのか。優花里はエルヴィンの反応を見るのに夢中で、腕が疲れてきたということに遅れて 気が付いた。エルヴィンの限界ももう近いことを察していたから、優花里はスパートをかけて、一層激しく指を動 かした。
    「すまな、い。もうっ、んっあぁ、無理だ! 無理、イクっ、うあ、っあああ」
    エルヴィンの腰が、一回跳ねた。息が止まり、背中が丸まると、急に痙攣したように腰が震える。声が戦車の中 を反響して、優花里の指が締め付けられる。
     
    86: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:18:22.75 ID:H/SxWUqz
     少しして、乱れた息が整っても、エルヴィンは恥ずかしいのか顔を上げなかった。優花里の胸の中は薄暗く、 罪悪感で一杯だった。しかし体に感じる温もりは愛おしく思えてしまって、だから悲しく思えなかった。
    違う人を抱きしめながら、優花里はみほのことを想うのであった。
     
    87: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:19:31.82 ID:H/SxWUqz
     4

    「……ただいま」
    恐る恐る扉を開けて、部屋の中に入ってみると、生暖かい視線が注がれた。
    「モントゴメリーなんて言って、悪かった」
    おかえりという声の後、カエサルはまず謝罪して、左衛門佐は頬を赤らめ、おりょうは股間を見つめていた。
    視線に気が付いたエルヴィンは、
    「下着、替えてもいいかな」
    と言い、三人は同時に頷いた。
    部屋は気まずく沈黙して、そのまま夜は更けていった。もう寝る段になって、おりょうが、
    「一皮むけたぜよ?」
    と言ったが、エルヴィンは当然答えなかった。
     
    88: ◆1t.blcAfdg 2013/03/17(日) 23:20:02.81 ID:H/SxWUqz
    以上だ。 駄文失礼。
     
    89: 名無しさん@ピンキー 2013/03/17(日) 23:25:58.78 ID:dQzMC/c/
    やっとゆかエルの時代来たか
    続き待ってるよ
     
    このシリーズの一覧だオラッ!

    「【ガルパンエロ小説・SS】西住殿を好きすぎる秋山優花里の健気でちょっぴり切ない話・・・ 2発目」終わり

     

    な、なんやこれ?

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    肉体
    肉体改造 箱化・キューブ化 性器肥大 秘部ピアス ふたなり 脱肛 子宮脱 母乳 孕ませ 出産 腋毛 体に落書き ガニ股 ポチャ・ムチ タトゥー
    衣装
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