■【エロ小説・SS】ヤンデレ喫茶に10回行くと監禁されるらしいので実際に検証してみた
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    気軽にヤンデレ喫茶に手を出しやがって・・・
    果たしてこの後友人Bの運命は・・・。
    ■所要時間:8分 ■約5779文字

    【エロ小説・SS】ヤンデレ喫茶に10回行くと監禁されるらしいので実際に検証してみた

    【エロ小説・SS】ヤンデレ喫茶に10回行くと監禁されるらしいので実際に検証してみた


    「【エロ小説・SS】ヤンデレ喫茶に10回行くと監禁されるらしいので実際に検証してみた」開始

    ヤンデレの小説を書こう!Part5スレより

    302: ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo 2007/04/03(火) 20:56:37 ID:bhK99rbs
    >>297
    こんな感じ? 


     とある掲示板で、面白い書き込みを見つけた。


     なぁ、みんな!
    ツンデレ喫茶があるんだからきっとこれからはヤンデレ喫茶もメジャーになり、テレビに進出………………………………無理か。
    きっと警察沙汰になるもんな
                      』

     僕がよく覗きにいくスレッドの名前は『ヤンデレスレ』。
     ヤンデレとは、『男性を愛するあまり心を病んでしまった女性』のことを差して使う言葉だ。
     そのスレッドはなかなかの盛況ぶりである。
     帰ってきてからこのスレッドでSSを読んだり、雑談するのが僕の毎日の楽しみだ。

     それはともかく。
     
     さっきの書き込みにあるように、ヤンデレ喫茶というものが存在していたら面白い、と僕は思った。
     そこで、早速僕は行動を開始した。
     
     比較的仲のいい友人二人に連絡を取る。
     彼らは、都内某所のメイド喫茶に頻繁に通っている。
     詳しく聞いてみたところ、友人Aは8回、友人Bは6回同じところに通っているという。
     ちなみに僕も彼らに連れられて、先日までで4回ほど通っている。

     ヤンデレスレに投下されたネタによると、10回通うと特別サービスということで
    特別ケーキをごちそうされて、その後で監禁されてしまうらしい。

     僕が『メイド喫茶に10回通って、監禁されるか試そう』とメールすると、
    友人Aは『参加希望 ノ』と返信し、
    友人Bは『ヤンデレにレイプされたいので参加キボンヌ』と返してきた。

     そういうわけで、僕と友人二人でヤンデレ喫茶が存在するのかを検証してみようと思う。

    303: ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo 2007/04/03(火) 20:57:42 ID:bhK99rbs
     都内の大通りから少し離れた場所にある、メイド喫茶が検証の場所だ。

     初めてメイド喫茶に足を踏み入れたときは「父さん母さん生まれてきてごめんなさい」と思ったが、
    実際にはただウェイトレスさんがメイド服を着ているだけのお店だった。
     意外と普通のお店だな、というのがメイド喫茶に対する印象だった。
     ―とはいえ、気が引けるのは相変わらずではあるが。

     それはともかく、さっそくメイド喫茶の扉を開けるとしよう。

     からんからん、という軽いベルの音が扉の上から聞こえた。
     そして、入り口の近くには白と黒の組み合わせが男の妄想を掻き立てる、
    メイド服を着た女の子が立って、僕たちに向けて挨拶をした。

    「お帰りなさいませ。ご主人様」

     うやうやしく頭を下げた女の子の髪には、フリルのついたカチューシャが飾られている。
     僕としては、このカチューシャがメイド服の一番素晴らしいところだと思う。
     ちなみに、友人Aにそう言ったら、「メイド服といったらエプロンだろう!」と声を荒らげ、
    友人Bは「はん! メイド服はロングスカートが最高なんだよ!」と吐き捨てた。

     だが、なんと言われようと僕はカチューシャが好きなのだ。ここはゆずれない。
     特に理由は無いけれど。

     メイドさん(ここでは便宜的にそう呼ぶことにする)に案内されて、三人で同じテーブルにつく。
    「何にいたしましょうか。ご主人様」
     と、漆黒の長い髪を伸ばしたクールな印象のメイドさんが聞いてきた。
    僕はアイスカフェオレを注文した。友人二人とも同じものを、と言った。

     
    「お待たせいたしました」
     しばらく待っていると、さっきのメイドさんがアイスカフェオレの入ったカップをトレイの上から一つずつ、
    僕たちのいるテーブルの上にゆっくりと置いた。
    「それでは、ごゆっくりおくつろぎくださいませ」
     と言いながら頭を下げると、メイドさんは他のお客さんの接客へと移っていった。

     アイスカフェオレに口をつける。
     舌で味わって見る。が、特に変わった味もしなかった。
     「まだ10回通っていないからだろう」と僕は思ったが、友人二人はどこかつまらなさそうな顔をしていた。

     アイスカフェオレを飲んだ後、僕たち三人はお店をでることにした。

    「いってらっしゃいませ。ご主人様」
     髪の長いメイドさんが頭を下げながら、僕たちを見送った。

     この日で、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が5回、友人Aが9回、友人Bが7回になった

    304: ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo 2007/04/03(火) 20:59:37 ID:bhK99rbs
     検証二日目。

     もしヤンデレスレのネタが実現するとしたら、友人Aは今日監禁されてしまう。
     それを理解しているからだろう。
     友人Aはスーツを着てメイド喫茶へやってきた。
     しかし、スラックスはしわだらけだし、ジャケットのボタンはほつれている。
     はっきり言って、カッコ悪い。
     友人Aにさりげなく注意してみたら、「あえて着崩すのがいいんだよ」と、薄く笑いながら言った。
     僕は「それを言っていいのは着こなしを知っている人だけだ」と思ったが、あえて言わないでおいた。

     大通りからわき道に入り、メイド喫茶の前にやってきた。
     もちろん、今日の検証場所も同じ場所だ。

    「おかえりなさいませ。ご主人様」
     と、お決まりになった出迎えの台詞でメイドさんに挨拶をされた。
     そのメイドさんは、一日目と同じ、黒い髪に真っ白なカチューシャが映える人だった。

     カウンターのテーブルに三人並んで座り、先日と同じくアイスカフェオレを三人分注文した。
     ネタが実現するならば、この後で友人Aの前には薬の入ったケーキが置かれるはずだ。

    「お待たせいたしました」
     髪の長いメイドさんがトレイを持って僕たちの前にやってきた。
     そのトレイの上にはカップが三つあるが――ケーキが置かれていなかった。
     
     それを見て、僕は「ああ、やっぱりか」と思った。
     しかし、友人Aは首が折れたのではないか、というほどにうなだれた。
     友人Bはいったいどれだけの肺活量があるんだ、と言いたくなるほどの長さでため息をついた。
     しかし。

    「ご主人様! お着物のボタンがほつれております!」
     メイドさんが突然に慌てた声をだした。

     「え、あ、その」と友人Aがしどろもどろになっていると、
    「私が、すぐに手直しいたします!」
     と言ってから、メイドさんが友人Aを店の奥へと引っ張っていった。
     「もしかして、実験成功か?」と僕たちは顔を見合わせた。


     そして、友人Aが店の奥へと引っ張られていってから一時間が経過した。
     「このまま戻って来るな!」と僕は祈った。友人Bもそう思っていたはずだ。
     いや、友人Aを嫌っているからではない。
     もしこのまま戻ってこなかったら、ヤンデレスレのネタが実現するからだ。

     数分待っていると、『チャーンチャチャンチャン チャーンチャチャンチャンチャーン』というメロディーが聞こえた。
     『TAXI』のテーマソングは僕のメール着信音ではない。友人Bのものだ。
     友人Bが届いたメールを確認する。――それを見た彼は、顔に深いエクボを浮かべた。
     彼が僕に向けて、携帯電話の画面を見せる。

    『おまいらさきにかえてろ』
     
     ……おそらくは、『お前ら、先に帰ってろ』と送るつもりだったのだろう。
     つまり、一緒に帰れない、ということだ。そして、友人Aは店の奥に連れて行かれてこんなことになった。
     これが意味することは――ひとつしかない。
     都市伝説的なヤンデレ喫茶は、ここに――大通りから外れた場所にこそ、在ったのだ。
     
     そのあと、会計を済ませた僕らは興奮をなんとか押さえ込み、
    見送るメイドさんに見向きもせずに、店をあとにした。

     この日で、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が6回、友人Bが8回になった
     友人Aは、監禁(?)されてしまったので、カウントしない。さらば――エプロン萌えの勇者よ。

    312: ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo 2007/04/04(水) 02:08:30 ID:7cbl3E8J
     検証三日目。
     
     僕と友人Bは昨日に引き続き、またしてもメイド喫茶へとやってきた。
     ちなみに友人Aとは連絡がとれなかった。そのため、今日は同行していない。
     しかし、僕には――いや、僕と友人Bには確信があった。
     「友人Aは、ロングヘアーのメイドさんに監禁されてしまったのだ」という、確信が。

     そのため、僕と友人Bははやる気持ちを抑えつけるのにかなりの労を要した。
     僕はアルバイト中、ずっとうわの空で過ごしていた気がするし、
    友人Bは朝の5時に起きて、僕にメールを送ってきた。
     『早く行こうぜメイド喫茶!』というのが本文だったが、午前1時に眠りについた僕としては実に不愉快だった。
     
     ともあれ、今日も憧れの監禁に向かう一歩を踏み出すことにした。
     具体的には、メイド喫茶の入り口のドアを開けた。

    「……いらっしゃいませ。…ご主人様」
     挨拶してきたのは、昨日入り口近くに立っていたメイドさんではなかった。
     昨日のつややかな髪をした女性ではなく、どこかくすんだ印象のある黒髪だった。
     髪型はボブカット。そして、縁無しの丸い眼鏡をかけている。
     だが、もっとも印象的なのは、エプロンの胸元を押し上げている巨乳であった。
     
     見るつもりはなくても、つい凝視してしまいそうになる。
     友人Bにいたっては、誰が見てもセクハラにしか思えないような目でメイドさんを見つめていた。
     主に胸を。彼の萌えポイントであるロングスカートには目もくれない。
     所詮、彼にとってはその程度のものだった、ということだろう。
     僕は彼女の髪に飾り付けられているカチューシャを見た。
     ――至福。メイドにはカチューシャがあればいいのだ。胸など、おまけの要素でしかない。

     メイドさんの小さな声に導かれるようにして、テーブルにつく。
     僕は、「昨日の髪の長い女性は?」とメイドさんに問いかけた。
    「あ……実は、昨日付けで……、やめ、てしまったんです」
     僕の問いに対して、彼女は僕の視線におびえるような震えた声でそう言った。

     そのまま下を向きながら、
    「ご注文は、その……何に、いた、いたしま、しょう……?」
     と言った。
     僕はアイスカフェオレを注文した。友人Bは、カプチーノを注文した。

     メイドさんがおどおどとした様子で僕たちの前から去って言った後、
    僕は友人Bに「なんで今日はカプチーノなんだ」と聞いた。
     彼は、「彼女の顔を見ていたら、カプチーノを注文してしまったんだよ」と言った。
     その後に、「あの眼鏡、そしてあの豊満なバスト……まるでカプチーノの泡のようじゃないか」と続けた。
     
     どうやら、友人Bは眼鏡をかけた巨乳のメイドさんに惚れてしまったらしい。
     そうでなければ、そんな意味不明な言葉を発するはずがないからだ。

     その後、アイスカフェオレとカプチーノをそれぞれ飲み干し、店を後にする。
     巨乳のメイドさんが見送ってくれたが、彼女の声は小さくて聞こえなかった。

     三日目にして、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が7回、友人Bが9回になった。
     ――明日、友人Bは10回目のメイド喫茶通いを達成する。

    313: ヤンデレ喫茶は実在するのか? ◆Z.OmhTbrSo 2007/04/04(水) 02:09:34 ID:7cbl3E8J
     検証四日目。

     僕と友人Bは大通りから横道に入り、ひとけの少ない路地を肩を並べて歩いている。
     僕の右を歩いている友人Bは、タキシードを着ていた。
     「なぜタキシードを着ているのか」と問いかけると、友人Bは首もとの蝶ネクタイをつまんだ。
     「今日は俺の一世一代の晴れ舞台なんだ。そして……最後のな」と彼は言った。
     僕は何も言わなかった。ただ、心の中で彼の言葉に同意だけすることにした。

     メイド喫茶のドアを開けると、メイドさんが二人、向かい合って立っているのが見えた。
     昨日の巨乳のメイドさんと、金髪ツインテールのメイドさんだった。
     二人は実に対照的だった。
     とても暗く、輝きの無い黒髪と、蛍光灯の光を反射するように輝く金色の髪。
     エプロンの胸元を激しく隆起させている巨乳と、エプロンの形を崩さない貧乳。
     その対照的な二人が、向かい合って口論をしていた。
    「あんた! もっとはっきり喋りなさいよ!」
    「ひぃっ……ごめ、ごめんなさい……き、気をつけます、から……」
     どうやら、金髪のメイドさんが巨乳のメイドさんを叱っているようだ。

     これはどうしたものか、と思っていると、突然後ろから大声が飛んできた。
     「やめたまえ! そこのツインテールの貧乳メイド!」ということを言っていた。友人Bであった。
     貧乳と言われたことに腹を立てたのか、金髪のメイドさんが友人Bを睨みつけた。
    「何よ、このメイド萌えのオタク! 邪魔しないでよ!」
     とてもメイドが言うような言葉ではなかった。――が、僕はあることに気がついた。
     彼女は「ツンデレメイド」という存在である。
     ツンデレ、プラス、メイド。萌え要素を無理矢理合わせたとしか思えない存在である。
     事実、こうやって目にするとちっとも萌えない。

     それはともかく。
     友人Bは金髪のメイドさんの声に痛いところを突かれたのか、押し黙ったままだった。
     そのまま居心地の悪い空気が続くかと思ったが、意外な人によってその空気は破られた。
    「ごめ、ご、ごめんなさ、……ごめんなさい……ごめんなさい……!」
     謝罪の言葉を述べながら、巨乳のメイドさんが立ち上がった。
     くしゃくしゃの泣き顔をした彼女は友人Bの側を通り抜けて、店内から出て行った。
     友人Bはしばらく呆けていたが、すぐにきびすを返してメイドさんのあとを追った。
     僕も、とりあえずその後を追うことにした。
     後ろで誰かに声をかけられた気がするが、この場では優先すべきことではないと思ったので、
    彼らの後をそのまま追うことにした。

     店内を出て、路地を見回しながら、友人Bと巨乳のメイドさんを探す。
     ―――いた。メイド喫茶の向かい側の店の、裏手で向かい合っている。
     僕は彼らのもとに近づこうとした。が、すぐにためらった。
     友人Bが、メイドさんの眼鏡を外して、ポケットから取り出したハンカチーフで彼女の涙を拭っていたからだ。
     友人Bの唇が小さく動いた。彼女に向かって、何かを言ったようだった。
     すると、メイドさんがまた涙を流して、友人Bの背中に手を回して、抱きついた。
     友人Bはメイドさんの黒髪をいとおしげに撫でている。
     ――それは、父が我が子を泣き止ます仕草にも見えた。

     邪魔をするのも野暮に思えたので、僕はその場を後にして、家路につくことにした。
     もし、今日のことをカウントするならば、メイド喫茶へ通った累計回数は僕が8回で、友人Bが10回ということになる。

    このシリーズの一覧だオラッ!

    「【エロ小説・SS】ヤンデレ喫茶に10回行くと監禁されるらしいので実際に検証してみた」終わり

     

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    名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!

    名無しくんのそのまんまが出たぐっちょぐちょのコメント書いてけよ!

    • RyufuBoson 2016年02月25日 01:57:46

      期待

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